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【イタリア】本場のマリトッツォと次のブーム

イタリアに住んでいると…


日本では、マリトッツォが話題のようで、
突然のブームに、イタリアにいながら驚いている。

イタリアに住む私にとってマリトッツォは、
「胃袋が元気な時に食べるドルチェ」。

時間帯や量を間違えると、食事ができなくなってしまう。
もしくは、夫と半分こするので、食べるのは、年に一度くらい。

ローマ近くのラツィオという地域で生まれたドルチェだが、
今となっては、イタリア全土で食され、
おやつはもちろん、朝食でも人気の味。


日本人妻に提案


最近知り合った、イタリアに駐在中の日本人女性に、
マリトッツォの食べ比べ会をしようと提案。
地元の有名なケーキ屋さんをいくつか巡り、
いざ試食会!ところが、売り切れのお店が多く、
二つしか用意できなかったが、
一つが思った以上の巨大だったので、
ちょうどよかった。


まず一つ目は、
販売だけを行う、ケーキとパンのお店のもの。
ここは、どれも大きくて安いという価格破壊。
手のひら以上の大きなパンに、
さらなる盛り上がりを見せる生クリーム。
可憐な粉砂糖は、愛おしさも感じる。

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味は、
大きいサイズでありながら、
「もしかしたら、一人で全部食べられるかも⁉︎」と感じるほど、

軽い!!

パンは、コッペパンに近く存在感を消しているが、
そこまでの風味がないので、生クリームを支える
裏方役に徹底している印象をうける。

巨大サイズなのに、なんと値段は 1.50€ (約198円) !


もう一つは、
イタリア南部出身者のケーキ屋のもの。
近年、二号店を出すほどの繁盛ぶりで、
その人気ぶりも納得できる、
美味しくこだわりあるドルチェがいつも並んでいる。
今回、初めてこのお店でマリトッツォを買ってみた。

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イタリアでは、こんなシンプルなものが一般的。

ところがどっこい!

普通に見えたこれが、食べて行くうちに、
ケーキ屋のドルチェということを思い出させた。

中に、カスタードクリームを忍ばせ、
ダブルクリームで攻めてきた。

1つ、2€ (約264円)と、先ほどより高い理由がわかる。


日本の方が豪華!

インスタで検索すると、
日本のマリトッツォの方が華やかだと思う。
イタリアでは、砕いたピスタチオが装飾させるくらいで、
ほとんどが、生クリームとパンと粉砂糖。

本来、コレだけで美味さを表現しているが、
日本の人たちの手にかかればそれ以上に発展している。

いちごを挟んだり、抹茶味にしたりして、
見せ方もこだわりを持っている。
これは、フルーツサンドの親戚に当たる関係だろう。



水曜日のマリトッツォ


先日の水曜日、イタリアで暮らすために必要な
「滞在許可証」の更新のために、警察署へ行くことに。
普段、行かない地域なのと、憂鬱な気分を晴らすために、
バールで朝食を摂ってから向かうことにした。

こぢんまりとしたお店で、
ショーケースには、残りわずかなドルチェたちが並んでいた。
中でも、一際訴えてくるヤツにノックオンされた。

またも「マリトッツォ」

ショーケースの端で、最後の一つが、
私を呼んでいるような気がして…
(チワワが涙目でこちらを見ているように)
私が買ってあげなければ!という衝動に駆られた。
それがコレだ。

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一口食べれば、ホロっと崩れるパンに、
泡のように消える生クリームが儚い!
そして、想像以上にいい食感だったのが、
砂糖のコーティング「グレイス」と言うらしい。
フッワフワなパンが、サクッと噛む楽しみを演出。
これまた、誰かに食べさせたいと思わせるドルチェに出会ってしまった。


日本人が求めるドルチェ


スイーツがない⁉︎

イタリアに住んでいる日本人は、
日本のようなスイーツに出会えないことを嘆く傾向にある。

何が日本のものと違うかというと、
スポンジが硬くパサパサ、生クリームが泡みたい、
砂糖が多く甘すぎる、レモンなどのフレイバーが強い。

このように、日本とは逆を行く文化の発展に、
私たちは、手作りするしかないと諦めている。

その原因は、
作り方や材料の違い、そして育まれた文化に関係している。


日本の味は、フランス流

私たちが好んでいる味は、フランス流のお菓子であることは有名。
多くの日本人が、フランスで修行や勉強で習うほど、
極上スイーツの本拠地の一つ。

しかしソレは、イタリアにはあまりない。
もちろん、ミラノやローマなど主要としに行けば、
修行した職人による、絢爛豪華なドルチェが並ぶ店もある。

14万人の田舎町では、まだまだ。
それよりも、前述したドルチェが売れてしまうから流行らない。


生クリームの違い

ケーキ屋で美味しそうなドルチェを見つけても、
食べてみると、期待していた味じゃないことが往々にしてある。

その要因は、「生クリーム」と言える。
イタリアのカフェで食べる生クリームは軽い!
マリトッツォも、あんなにたっぷり乗せても、後に引かない。
でも、泡のようで食べた感が少ないから、もう一つ食べたくなる。

イタリアのケーキ屋で扱われる生クリームは、
脂肪分が35%ほどの、泡立つ最低限の脂肪しか入っていない。
これ以下になると、泡立たない料理用の生クリームになる。

一方、日本の生クリームは、
脂肪分45%前後の、少しこってりしたものが人気らしく、
生クリームを食べていることを実感できるようだ。


35%の脂肪分は、
泡立ちが緩めなので、ツノが立つよりは、
シフォンケーキの横に添えるような、トロットした演出に向いている。

45%の脂肪分になると、生クリームの濃厚さを味わえ、
デコレーションに向いた、ショートケーキのようなタイプに使われるとか。


いずれにせよ、選択は好み。
ダイエットのために脂肪分の少ないものを選んだり、
ムースにするならしっかり泡立たなくていいとか、
またあわ立て方の違いもあるので、用途によって変わってくる。

だから、イタリアのケーキ屋で、思った味のドルチェに出会えない。
これはやはり、自分で作るしかない。
もしくは、イタリア人たちの味覚を変える勢いで拡散するしかない。

日本で流行っているマリトッツォは、
どちらの脂肪分なんだろうか。
本場の味を楽しみたいなら、
「35%のマリトッツォ」を。



次の、イタリアのドルチェブームは?


90年代にパンナコッタが流行った。
その後、ティラミスもやってきた。
今マリトッツォ熱が高いが、
次に来るドルチェは何かと、予想したものを記事にしてみた。

次のトレンドを予言するためにも、参考にしてほしい。
これが来るはず!

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