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イタリアから帰国して食べたいもの


かつて後藤久美子は、
あるテレビ番組で
「食べたい日本食」について
こう答えました。



ふぐ



ははぁ〜


頭を下げて崇めたくなるご名答。

これぞ、みんなが待ち受けていた、解答ではないでしょうか。一般庶民の、お好み焼きやカツ丼なんぞやとは違うんです!「てっさ」でっせ。

しかしながら、みんながこれを答えるのに相応しいかと言うと、実はそうではないでしょう。

フランスのレーサー ジャン アレジと結婚した女優「後藤久美子」という、魅惑の人物だからこそ、魚界の毒を持つ「ふぐ」という位置が、なんとなく似ている気さえするから、しっくりくるんだと思います。

これを、たかが住んで10年のアラフォーが言ったところで、「ケッ、気取りやがって」と言われるのがオチです。後藤久美子だから、ふぐがハマる。もし、これが夏のインタビューならハモでもいいですね。あの鋭い歯と無数の骨を刻まないと食せないところが、唯一無二でこれもアリです。


イタリア歴10年だと…



今や寿司やラーメンは、世界中で本物を食べることができるようになりました。だから聞き手も、そんな答えは欲しくないのです。

では、どんなものをあげると、喜ばれるのか(誰に喜ばれたいんだか) 、季節を意識したものを選ぶ必要がありそうです。

夏に、しっぽくうどん(冬の名物讃岐うどん) や、あんもち雑煮なんて、想像もしたくない。香川の郷土料理ばかり出てきましたが、お鍋やおでんのような季節外れの料理を並べると、へぇ〜で終わってしまい話が弾みません。


これを考慮して、四年ぶりに帰国するにあたり、今、私が欲しいと思う食べ物は…




鮎 

そうめん


これらでいかがでしょうか。


イタリアにはいません。アジアを中心に生息しています。また保存食がメジャーでないように、新鮮なうちに食べるのが一般的。それがヨーロッパの一市民にまで届くことはないのです。



日本食レストランで働いていて、鰻は好きな人には喜ばれています。しかし、どれも日本から冷凍で届くので想像しているような、熱々の焼き立てではありません。

だから、帰国したら炭火で燻った鰻を頬張りたいです。山椒も長らく味わっていないので、久しぶりに嗅ぎたいです。

そうめん


イタリアでも簡単に手に入るようになりましたが、薬味がありません!紫蘇、みょうが、芽かぶなどのネバネバとのコンビは味わえません!あったとしても高級なので、夏の暑い日にササっととはならないんです。
毎食食べたいと想像するほどです。

「秋刀魚」も入れたいところです。夏には早すぎますが、帰国予定9月なら可能性がありそうです。絶対食べたいですね。
一度、日本からの通販で秋刀魚の缶詰めを購入しました。大根おろしと煮込まれて、毎回唸るように食べていました。あれ以降見なくなったので、捕獲量と価格から棚から外されたのかも知れません。

季節を問わない

生食: なましょく

あとは、季節を問わず食べたいのが、
海鮮丼やいくらなどの魚介です。
イタリアでは港町にいても魚は高いです。だから頻繁に食べる気にはならないんです。

私の地元は海に面しているので、特に小魚はよく食べます。お肉と魚介は同じくらい食卓に並びます。少量でもあると、豪華な食卓になります。

海外に住んでいる日本人勢は、「生食」を欲しているのではないでしょうか。
海外で扱っている食品は、加熱を前提にして販売されているので、いくら生で食べたくても、もしものことを考えるとできません。

卵もその一つかもしれませんね。熱々のご飯に卵かけご飯なんて日本の定番は、怖くてしない人もいます。
私は新鮮な卵を買ってきて、殻をよく洗って食べます。今まで問題が起きたことはありません。リスクを背負ってでも食べたい欲望が勝ちます。


洋食という日本文化

オムライス、エビフライ、タルタルソース、クリームコロッケ、ハンバーグ… これらは、イタリアでは自分で作る以外ありません!
だから、帰国したら全部乗せでむさぼりたいですね。神戸で老舗のお店もいいなぁ。高松のよく通ったあそこがいいかなぁなんて、想像するだけで幸せホルモンが出ています。



脇役が恋しい

薬味の存在感

そうめんもそうですが、日本の薬味がないことで、イタリアで再現できない料理があります。

筍が手に入っても「木の芽」がなければ春は味わえません。

柚子やすだちがないことで完璧は訪れません。

青のりがないことで、お好み焼きや磯辺和えの磯風味なしになるんです。


お漬け物


奈良漬け、柴漬け、ぬか漬け、いぶりがっこ、わさび漬けなど、どれも買えません。
なくても暮らしていけますが、あると食後の心の余裕と満足度は変わるでしょうね。


ご飯のお供

明太子や海苔の佃煮、鮭フレーク、ちりめんじゃこは、たまに食べるから彩りになります。購入する時、「あっ、久しぶりに、食べたいなぁ」と思って手に取るのではないでしょうか。それが外国ではできないんですょ。
ネットで買えるものもあるんですが、そんなものばかりでは、懐がスカスカになります。


小さな喜びの数々

結局、帰国して食べたいものは、コレ!と大きなものより、少しずつ喜びを感じる副菜なのかもしれません。大量に食べるより、限られた時間の中で、あれもこれも食べたい。ただの欲張りですね。

それと、友だちのお店を巡ることが帰国しての楽しみの一つです。同級生の小料理屋や先輩の寿司屋、大人になって知り合った人々の輪など、みんなで集う場所へただ話をしに行きたいだけなのかもしれません。

あと3ヶ月もあるのですが、夏休みに帰ることをみんなに伝えています。和食三昧を前に痩せて挑もうとも思っています。

では、今日はこのへんで

Ciao Ciao a tutti!!

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