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【イタリア】義母入院🏥友だちできたって

隣に住む義母は、ほぼ毎日我が家を訪ねてきます。
この日の朝は、
「めまいがする。力が入らない。でも先週の日曜から
出かけていないから、下の薬局に行ってくる。」
と言い、話は終わりました。


いつもと変わらない会話なので特に気にせず、
私は、麺を茹でていたので食べて仕事へ。


仕事の最中、夫からの連続の着信。
こりゃ何かあったぞ…

電話すると、

「マンマは薬局へ行って、血圧を測ってもらったら、
あまりに数値が高いから救急車を呼んでくれて、
今病院にいるって。」と。

夫は、知らない人からのメッセージを受け取ったようです。


ちょうどこの日、義母のスマホが突然動かなくなり、
修理に出していたところだったので、彼女は連絡できなかったんです。

でも、知らない人のスマホで、facebookから名前を探して
夫にメッセージを送ってくれたようで、賢い人に出会えたようです。


その後、仕事を終えた夫はすぐに向かい、看護師さんと話をして、
「血液検査や心電図を測り、様子を見ているのでしばらくかかる。」
ということでした。



そして夜になり、私が仕事から帰ると、料理をして待ってくれていた夫。

病院食の話になり、「ポテトのピューレを持って行かなきゃ!」と思い立ち、
急いでじゃがいもを茹で始める。

そこで夫が、「もう夜も遅いし、紅茶とクッキーでいいと思う」と、
夫はお湯を沸かし出しました。

この時点で23時。
ピューレは明日渡すことにして、保温バッグに
カフェインレスの紅茶とクッキーと、
ポケットティッシュを詰めて持っていきました。


向かったのは病院の緊急外来。
義母の名前を言うだけですんなり入れてくれました。



コロナ禍では一人しか入れず、理由も説明していましたが、
マスクをつける以外は以前と何も変わらない状態です。


入ってみると、そこには老人ばかりがベッドで横になっています。
皆傍には、親族らしき人が付き添っていました。

廊下を進むと義母がベッドの上でちょこんと座っていました。

その姿は、まるで少女のよう。
キョロキョロして何だか楽しそうなんです。

それがまた可愛くて。

私の登場に喜んでいる様子。

差し入れのクッキーと紅茶を飲んでいいか確認するのに、
隣の患者との会話している看護師を呼び止める始末。
明らかに心躍っているんです。
OKが出たので熱々の紅茶とクッキーを食べていました。

さっきクッキーを看護師さんからもらったばかりだけど、
せっかくだからと食べてくれたんです。


それから、朝の出来事よりも、今の状況を説明。

「隣にいるご婦人と友だちになったの!住所も教えてくれたから、
元気になったら訪ねに行くの!」と、何とも嬉しそう。

婦人の隣にはご主人がいて、二人して義母が明るい人だと。
さらには、落ち込んでいた気分を上げてくれた楽しい人と、喜んでいました。

そんな話に義母は鼻高々。

おそらく、緊急外来の中で一番にこやかだったと思います。

時刻も遅くなったので、それぞれ眠る準備に。

緊急外来は、一時的な滞在なので、部屋ではなく、
広い空間や通路をカーテンで区切っているだけ。
義母も通路で人が行き交う場所にいました。

隣の婦人は眠れないから場所を移りたいと。
奥に移動しようと看護師らがベットを動かしていると、
「お友だちと離れたくないから、彼女も連れて行って」と、
義母の側に居たいと言うのです。

さすがにこの要望には応えていませんでしたが、
義母と親しくなれて、そこまで思ってもらえたことに、
暖かい気持ちになりました。


そして義母も、今夜はまだ様子を見るということで帰宅できず。
おやすみを言って私たちだけ帰ることに。

帰路につきながら夫に、
「あなたのお母さんは強く、根っからの陽気な人。
こんな母親を持てたとこに感謝しないとね。」

ここまで素晴らしい人はなかなか本当にいないと思います。

翌日、高血圧と心臓肥大の薬を処方され退院しました。


その後も、高血圧による不調は続きますが、
もう少し義母との時間を取ろうと改めて考えさせられました。

海辺の散歩もいいなぁ

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