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【イタリア】1ユーロで買えるものとは?


先日、Instagramにこんな投稿があった。

イタリアの科学情報月刊紙『Focus』 の広告。
「世界では、1ユーロで何が買えるのか?」
(1ユーロは、129円相当 3月27日現在)

ここに書かれている世界の例は、
ネパール………餃子10個
イラン…………ガソリン4L
トルコ…………ケバブ 1つ
ノルウェー……おむつ一箱
フランス………バケット1本


では、「イタリアでは何が買えるか?」という問いに対し、
イタリア人たちは、このようなコメントを綴った。

・コーヒー1杯が1,10€だから、これさえも入らない!
・カンパニア州なら、マーガリン、 コロッケ、パスタ一袋、1L牛乳…
・カターニアなら、ネギだね!
・小さいグミのお菓子!
・ジェノヴァは、1片のフォカッチャね。
・ポテトチップス1袋!
・イタリアには、何もないわ。
・ナポリの、揚げピッツァだ!
・スーパーのカートを借りられる
・ペローニのビール1本
・ライター1本
・りんご1個


コーヒーに関するコメントが多く、
ほとんどが、「1ユーロ以上する!」と嘆くもの。
都市になれば値段は上がり、田舎では1ユーロで飲めるところもある。
だが、全体的に上昇しているのではないだろうか。

イタリア南部では、食べ物が目立ち、
「揚げピッツァ」や「小さなタルトのケーキ」が手に入るようで、
安くて美味しい、豊かな食文化のある地域だとつくづく感じる。

そして、半分は締めていたであろう、ネガティヴな意見。
「イタリアには何もない」や「悲しいな。イタリアで何が買えるのよ!」
などと一緒に、スラング語を書く人は少なくなかった。


では実際、スーパーに行って見てこよう!
ということで、いくつか食品部門で写真を撮った。


スーパーで実態調査!!



果物&野菜コーナー
イタリアでは、果物や野菜は量り売りが一般的。
欲しい分だけ袋に入れ、計りに乗せて、
商品のボタンを押せば、バーコードが出てくるシステム。

・オレンジ1kgで1,49ユーロ
・パイナップルは、100gが89セント。1つが1,600gだったら、1,24ユーロ。
・バナナは3〜4本で2ユーロ

・レタスを、一玉を購入 (比較として男性用のお箸を置いた)

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   丸々としたレタスは、1ユーロもしない、68セントで購入。

・ミックスのベビーリーフは125gで約1ユーロの安売り

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・人参は、1kgで95セント!頻繁に割引するので、食卓にもよく登場する。

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・有機栽培のジャガイモは、1kgで1,58ユーロの安売り
・ズッキーニは、500gで約1ユーロ
・キャベツ一玉1,5gは、2,52ユーロ
・ブロッコリー500gは、1,35ユーロ
・マッシュルーム500gは、安売りで98セントとお買い得

野菜や果物は、比較的安い。
季節外れのものや、有機栽培になると値段が少し高くなる。


冷蔵コーナー

・モッツァレッラ1つ100gはこの値段↓
 これは、乳糖フリーのもので、アレルギーのある方などに重宝される。
 普通のものだともっと安い75セントくらいで手に入る。

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・チーズは、全体的に2ユーロ前後から
 パルミジャーノやブッラータなどは少し高め

・ヨーグルト125g×2パックだと64セント
・低脂肪の牛乳も同じくらい安く買える

・ハムは120gで1,59ユーロ
・生ハムは100gで2,19ユーロと他のハムに比べて高い

どれも、素材のこだわりや乳糖フリーなど、
原材料や加工技術などで値が違ってくる。
豆乳素材やアーモンドミルクなどは年々安くなっているが、
2ユーロ以上はする。

・6個入り卵は1.29ユーロ


パスタ部門

イタリアの食事に欠かせないパスタは安い!!

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・スパゲッティは、500gで39セント。
 スーパーのオリジナルブランドなので安く手に入る。
・こだわりあるメーカーのものは、1ユーロ以上する。
 素材や味、歯応えなどで、それぞれにお気に入りのメーカーがある。
 それでも安い!

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・ラザーニャのパスタ250gで約1ユーロ

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ラザーニャは、スーパーのお惣菜で量り売りやパック入りがある。
3ユーロ前後だから、急いで食事を済ませたい人には重宝される。
だが、市販の味は、家庭のものより薄く絶賛するほどの美味しさではない。
だから、手間がかかっても家族のために丁寧に料理し味わうのがイタリア。


パスタの種類は多く、安く手に入る。
イタリアの軽減税率のおかげで、生活必需品は
他の食べ物よりも税率が4%と低く、政府から保護されている。

お米の種類も多く、料理によって使い分ける。
一番安いタイプのものでも、1kg 1,35ユーロだから、
パスタに比べると割高で税率も10%と高い。


せっかくなので、
気になるイタリアの軽減税率についての記事をどうぞ。
食品や物によって細かく指定されて、とても興味深い。


パン部門

パンもパスタ同様、税率が低く安く手に入る。
・250gのバケットは、79セントと、冒頭のフランスと変わらないと言える。
・下記のクラッカーも、500gでちょうど1ユーロ。
 おやつや前菜に使えて万能だから、常備する家庭も多い。

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調味料

・オリーブオイルのイタリア産なら、1Lが約5ユーロ
・植物油は、1Lで1,39ユーロとかなり安い

・塩は1kg、29セント
・砂糖は1kg、82セント
・ホワイトビネガーは1Lが69セント

・バルサミコ酢は、500mlで1,58 ユーロ
 高いバルサミコ酢なら、125mlで、5,87ユーロ
 どちらを買うか…頻繁に使うなら、安くても良いが、
 たまに食べるくらいなら良いものを買いたくなる。

・マヨネーズは、安売り中で、200mlちょうど1ユーロ

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 イタリアでは、日本ほどマヨネーズを使わない印象を受ける。
 やはり、オリーブオイルのみで十分美味しいからだろう。
 もしくは、隣国フランスの文化だからだろうか。
 温野菜やサラダにかけると、ロシアンサラダと呼び、またも異国の料理。
 夫は、白身魚にかけることはあるが、みんながそうするのかは知らない。
 意外にも、フライドポテトには、ケチャップよりマヨネーズが人気。



その他

・ピーナッツやくるみは500gで約2ユーロ
・小分けのナッツは、99セントコーナーで扱っているが、
 袋がダサく大きいので、量が少なく感じる。

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食の恩恵を忘れた人々

当たり前だが、1ユーロで手に入る食材はたくさんある。
野菜やパスタが安すぎるからか、
美味しい物が手頃な価格で手に入ること、
軽減税率のおかげで、保護された食材があることなど、
イタリアの人たちは、当然のことのように捉えているのだろう。


結論として、1ユーロで買えるものは、

「1kgのスパゲッティ」

これが、妥当なのではないだろうか。


イタリアらしく、安さを表現できるだろう。
エスプレッソコーヒーも入れて良いと思う。
バールで "入れてくれた" 一杯は、
おおよそこのくらいになるだろう。

この手の話は、イタリア人たちが、
外国の人に向けて説明する際に流暢になる話題。
我が国自慢をするなら、イタリアが何もないなんて
卑下することはないだろう。

堂々と、食品の安さを豪語して欲しい。


ちなみに、日本なら100円で買えるものは何だろう。
イタリアとは逆にありすぎて困るほど。
私は、香川県出身なので、

「うどん一玉」しか思いつかない。



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