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【イタリア】ネットに載っていないもの
昨日、「柔術」について触れました。
そして今日、その師範に会いにいきました。
とんでもないことばかりで驚きを抑えきれず、
その熱意のまま、今ここに書いています。
ネットに載っていない
なんでも簡単に調べられる世の中になり、考えることや思い出すことをせず、検索することが当たり前になりました。
今回、柔術の師範から翻訳の依頼を受け、一から勉強してみようと検索。
初めて、柔術は柔道の元となった武道であることを知りました。
では、どうして柔術より柔道が人気になったのか。
その理由は警察に関係があります。警視庁の試験の一つに柔道があります。
かつて、柔術と柔道が戦い、柔道が勝ったことで試験に選ばれ、競技人口が増えたようです。一方で柔術は下火になり、小さな規模で継承されていったということのようです。かつて、柔道を基にした柔術を外国でも普及したことにより、ブラジリアンやヨーロピアン柔術としてさらに世界へ広まりました。
師範に会う前に、流派について事前に調べたいと思い検索しました。しかし、思うような結果は出てきませんでした。
ただ紹介文があるのみで、詳しいことは全く分かりません。ウィキペディアにも赤文字になっているくらいクリックしても何も出てきませんでした。掴むものがなく、仕方なくそのまま会うことに。
師範は、大きな道場兼ジムを経営しています。
夏休みとあり、子どもたちで触れていました。共働きの親のために、ここで学びながらお昼過ぎまで預かっているようです。
施設内を見て回った後、事務所で話を聴きました。
師範は、日本のある流派から正式に受け継がれた技や教えをイタリアの子どもたちへと伝承しています。ですので、外国から派生したものではなく、日本の師匠から直々に任されています。
元々柔術は、戦国時代の名残として武士たちに親しまれたものだそうです。刀を置いた侍たちは、生き死にの戦いではなく、護身術や相撲、禅などを盛り込んで技を磨いたようです。
ところが、戦後にGHQにより武道を禁止されたことにより、一時衰退したということです。
ですが、全員が納得し一斉に辞めたとは考えられません。水面下で継承活動を行ない守り続けた人がいたから、現に、柔術や柔道が存在していると言えます。
というように、内密に行われてきた伝承活動は、今もその影を潜め、公にしない秘密があるようです。だから、ネットで検索しても出てこなかったということです。また、それを世に知らしめず、静々と継承しているそれこそが、師範の柔術だったのです。
巻物を翻訳せよ
ただのレストランの店員ですが、師範は賭けに出たと思います。日本人だからという理由だけで、仕事を依頼してきました。それが、
「この巻物を翻訳してください」
イタリアで巻物ってなんだろう。と軽く考えていましたが、木箱には、本当に日本語で書いてある巻物が六本入っていました。
古いものではなく、新たに書き換えられたものだと見受けられます。
そこには、技の名前や金言のような文章がありました。これを翻訳したいとのこと。師範曰く、持っているだけではただの紙になるので、そこに書いてある教訓である「教え」を知りたいようです。
実際に巻物を開いて見せてくれました。
そこに書かれてあるものは、当然のことながら、武道に触れてきたことのない私には理解不能です。しかし、日本人なら少なからずわかる、日本の精神や思考、美学、暗黙の了解や無言の教えは体得してきました。それを交えながらイタリア人に理解しやすいように言葉にして渡す作業をこれから行なっていく予定です。
当然のことながら門外不出。師範の師匠から直々に受け取ったものです。私が見て触れることも慄くほど貴重なものです。今も圧倒され、責務を全うできるのかと一抹の不安を抱えています。
師範とは、お客と店員の関係ですがもしかすると意味のある出会いだったのではないかということがありました。
この続きは長くなりそうなので明日紹介します。
日本人なら誰もが聞いたことのある歴史の話題が登場します。
私の趣味であり一つの課題が紐解かれようとしています。
ではまた明日。
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