見出し画像

【イタリア】田舎に初スタバ!キオスクなら退去簡単?

スターバックスコーヒーなんて誰が行くの?

イタリア人の多くが蔑むような存在です。

高い値段を払って、いろんな味をつけた、大量のコーヒーを飲むだなんて…

コーヒー本来の美味しい飲み方を知らない

イタリアからはそんな目線で "よそ者" の
カフェを見下しています。

しかしながら、スターバックスコーヒーの創業者は、
イタリアのコーヒー文化からヒントを得て、
現在のスタイルを確立しました。

世界で支持されているコーヒー文化が、
逆輸入の形でイタリア内に侵食しつつあります。


イタリアに到来

スタバがイタリアに入ってきたのは、5年前の2018年のこと。

まだまだ始まったばかり。


しかし、この5年間で店舗数はまだ数えるほどしかありませんでした。

北部の大都市であるミラノには集中しても、
他の地域に蜘蛛の子を散らすような勢いはなく、
本当に支持してもらえるのか、来客の見込みはあるのか、
慎重に店舗を出しているように見受けられます。

そして今後の予定では、年内に
36店舗まで増やす目標を立てているそうです。
それでも、少ないですよね。


そんな中、約16万人の小さな我が田舎町にできるんだから驚きです。


フィレンツェを含むこの地域は「トスカーナ州」というんですが、
州内で4店舗目。フィレンツェに3店舗できた後、
小さな街にできるのです。

隣街には、ピサの斜塔がある大観光地なのに、
そこではなくこんな田舎に…


半年ほど前に、スタバが街に来ると地元ニュースになりました。


この街では、有名なお店が来るらしいという
「噂」は耳にしますが、本当に入れるようになるまで
時間がかかるのがいつものこと。

大手スーパーの出店も、頓挫したり、再開したりと、
何年もかかり、その度に雇用はどうなっているんだと
あちらこちらから声が上がっていました。


だから、このスタバもすぐには完成しないだろうと。
ですが、意外にもあっさりできました。

というのも、近年、海沿いの地域で再開発が行われていたからです。



ついにオープン!

早々に建物が建ち、一階を商業施設にし、
2階以上が住宅という棟がいくつもできました。

一階のショッピングモール内にスタバが入ったんです。


お店の雰囲気はスタバらしさはほとんどなく、
フードコートの一部。どちらかというと、
「キオスク」のような簡易の店舗です。



オープン直前、イタリア人の同僚たちは、
「あんな高いコーヒー、この街で誰が飲むの?」
「外国人じゃない?」
「若者とか?でもお金ないか」

一人のスタッフが私に質問してきました。
「日本では当たり前にあるんだよね?行く?何飲むの?」



「たまに、気分を高めたい時や待ち合わせや、
休憩に行ってた。
夫は日本に行った時、飲むことより、美人を見たくてスタバに行ってたよ」
「もちろん、この街のスタバには行くよ!」

それでも、コーヒーに高い値段を払うことを
彼らは理解できないようです。


開店当日


中央の黒い物体が見えるでしょうか。
遠くから撮影したものです。


長蛇の列で諦めました。

関心がある人がいることが確認できました。
外国人もいましたが、どちらかというと、
オシャレな若者が目立ったように思います。

そして1ヶ月が過ぎた昨日、やっと行く機会に恵まれました。
人はほとんどおらず、待つこともありませんでした。


店員は二人大勢。
ドリンクメニューは少なく、カスタムするような雰囲気でもなさそう。
でも、抹茶味があったのは嬉しい。

ドルチェは、イタリアのBar: バールでも見かけるものから、
スタバらしい、マフィンやカラフルなドーナツ、
背の高いケーキなどあり、アメリカナイズされているのかどうか
いつか試したいと思います。


注文したのは…Oleato

Oleato: オリアートと日本では呼ぶようですね。
シチリア産のオリーブオイルが入った、コクのあるコーヒーでした。


バナナのパウンドケーキと共に食べました。
しっとりとして、バナナやナッツのアクセントが飽きさせませんでした。
大きめで腹持ちよくその後夕飯食べなかったくらい。

二つ合わせて合計で €8,50
もし、これが Bar なら、半額でしょうね。

席は、一応あるけれど仕切りがなくオープンなので、
行き交う人が見えるし見られる。
落ち着いた空間とは言えないので、
パソコンを持ってきて作業するのは違うかな。

この日は、新しくこの街にやってきた、
日本人女性と初めて出かけしました。
お互いの自己紹介で2時間ここで喋り続けました。

イタリアのほかの Bar ならあり得ませんが、
ここなら堂々とできるのはありがたい場所です。

この間に、人は訪れている様子でした。
満席ではなく、定期的に訪れて買ってどこかへ行く。
カップではなく、持ち帰り用の容器に入れるので、
動きやすさやもキオスクタイプならではだと思いました。


これから


ショッピングモール内には新たな店舗も増えて、
これからしばらくは人が何度となく足を運ぶと考えられます。

ここまで来るには大通りから少し歩かないといけないのですが、
新たな目的地として栄えれば成功でしょう。
ですが、高いコーヒーや、変わり映えしないお店ばかりだと、
空虚な建物になってスタバも撤退してしまう。

だから「キオスクなのか」と納得しました。
また他の場所で使いまわせる…

これからどのくらい続くのか。
定期的に通って観察していきます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?