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グローバル家族


うちの家族は、グローバルだ。

まず、私自身が日本人では無く、今から約35年前に韓国から留学で来た韓国人なのだ。その時は今と違って、自由に観光ができるような時代では無かったので、周りに韓国人があまり居なくて、早く日本の社会に溶け込もうと、外見は同じなのだから言葉さえ完璧な日本語を喋れば、変な目で見られたり、差別を感じなくて済むと思い、綺麗で完璧なイントネーションで喋るアナウンサーを真似て、一生懸命勉強してきた。

縁あって、その後日本の男性に見初められて結婚、出産で二人の息子を得た。厳密にいうと息子達は日本と韓国のハーフに違いないのだが、外見が同じなので、息子が学校で「ぼく、実はハーフなんだ。」と言ったら、「東洋人同士のハーフなんて、わかる訳ないだろう?ダサい!」と言われたそうだ。ごめんな息子よ。

その息子が嫁に迎えたのが、海外留学で同じクラスに居たロシア人のステラちゃんだ。昔から女の子によくモテた息子が、初めて自分から女の子の写真を送ってきて報告をするのだから、本気で好きになったんだなと思ってみたら、お人形さんのように可愛くて美人さんじゃねか!こりゃ惚れるな。

会って欲しいと言われ、韓国まで観光ツアーのつもりで年配の生徒さん達と面接に向かったら、22才の初々しいバービー人形が怖いおばさん達を前にして緊張してる姿を見たら、もう〜メロメロになってもうた。

普通の日本の若い女性だったら、一人で姑になる人と単独で会いに行けるだろうか、しかも大勢の怖いおばさん達を連れた所に面接に行くだけでもプレッシャーで気を失いそうだが、ステラは健気にも一生懸命気に入られようと、たどたどしい日本語と韓国語を混ぜながら話そうとしていた。

そのステラから昨日の夜電話がきた。熱が出て病院で調べたらコロナもインフルも全て陰性だそうで、ひとまず安心したが、「ママのオニオンスープが食べたいね、と亮と話しました。」だそうだ。それは、私がオニオンスープが飲みたいから、早う作って来い!という意味だ。

せっせとオニオンスープを作って、今から届けに行く。途中で美味しいイチゴや果物を少々買っていこうかな。

ステラもうちの家族になって、もう5年になる。来月で6年目になるから落ち着いた女性になってきた。元々新体操の選手であったステラなので、今は日本で新体操のコーチと審判の資格も取って、大会の審判も務めている。日本人も難しいと言う審判資格の試験って、ほとんど漢字で書かれていたので心配したが、なんとステラが昨年合格したのだ。うちの嫁、偉い!!

コロナになる前のギリギリの3年前の年末に、韓国で私と韓国の母やら家族と、ロシアからステラの家族がみんな集まって、年末年始を過ごした。

人数が多いので、一軒家を借りて5泊した。空港で通訳機をレンタルして、ロシアの家族との会話で活用した。プラスしてボディランゲージと言う素晴らしい言語手段があるでないか。通訳機を取り出す前に、大体目配りとジェスチャーとで何となく通じ合う。必要なことだけを伝えれば良いのだから、その人の本心やら何を考えているかなど不要な神経を使わなくて良い。

ふと、人ってそれで良いんだと言う気がする。コミュニケーションって何だろう。お互いに何が欲しいのか、どうして欲しいのかが分かって対応する事が出来れば良い問題で、そこから踏み込んで、相手の考えや思いを探っていく事で良からぬ推測や自分の都合で解釈していくのではないだろうか。それが人間関係を複雑にしていくような気がした。

ゴリラやオランウータンなど集団生活をしている動物だって、アイコンタクトや雄叫びの種類を読み解くだけでコミュニケーションを取っているのではないか。複雑になってしまった人間関係も、もっとシンプルになるべきだと思う。

一軒家で韓国人と、韓国と日本のハーフと、ロシア人達が5泊を楽しく過ごしたら、息子とステラとの子供が生まれたら幾つの血が混じる事になるかで盛り上がった。生まれてくる子供も大変だ!いつになるか分からんけど。

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