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良い子、良い人間

最近、オカシイな事件が立て続けに起きている。

一人で死ぬのが嫌で、赤の他人を道連れにしようと、無差別に人を殺してしまっている。肝心な自分は死んでいないのに。

なにそれ、と思ってしまうのは私だけだろうか。

理不尽もいい所で、通り掛かっただけなのに、または関係のない人なのに、運悪くターゲットにされて殺されるなんて、冗談じゃないよ。

私やら身内の者がそんな理不尽な死に方をされたなら、犯人のバカを法に代わってめった打ちにしてしまうだろうと思うほど腹が立つ。

しかも犯人たちの大半が、社会に何らかの不満を持って、または社会に対応できずに落ちこぼれて底辺の生活をしていたり、社会にとって何の役にも立たない人が多いような気がする。そんな者だちがターゲットにするのは、社会に貢献して弱い立場の人を助けて一生懸命に頑張っている人達なのだ。

大半の人が、人生思い通りにいかないから、あれこれ努力してみたり、頑張って少しでも状況を良くしようともがきながらも生きていく中で、こんなはずじゃなかった、何で俺だけこんな目に、、など不満の矢先を自分自身ではなく、誰かのせいにし始めた所で責任転嫁を使用するのだ。

自分は悪くない、親が、学校が、社会が、会社が、みんなが悪いのだ。

ばっかじゃね??

良く考えてみると、小さい頃は親の言う事を良く聞き、親の望む通りに動く子供は「良い子」とされた。

しかし自我が芽生え始めると、成長に伴って、親の望む事と自分が望むことへのギャップを感じたり、親の望みよりも自分の希望の方がより強くなっていく過程を成長期、あるいは反抗期と呼ぶのだけれど、この時に親と衝突する際に、親の言いつけを守ればあえて問題を作らないで済む。なんだかんだ反抗をすれば、言い張った事柄について後から咎められてしまうリスクを経験するのだ。

そこで、反発をしても自分の言い分を通して、上手くいかなかった場合でもその事について責任を取る人間になるのか、人に責められたり責任追求をされるのが怖かったり苦手だったりする人は、相手の言う事をその通りに行動して満足させる方法を取るのではないだろうか。

そうすれば、上手くいかなかった場合でも、誰々がそう言ったからと言っちゃえばいいのだ。あの人がそう言ったから、この人がそう言ったからその通りにしたまでで、私は悪くありませんよ感を全面に出して生きている人を大勢知っている。

そのような人達は、いつも自分は悪くないのだ。

良い子、良い人間は果たして「良い」のだろうか。

良い子、良い人間を演じ続けると、ストレスが溜まりに溜まって、いつかマグマの爆発のように行動として表れるのではないだろうか。

以前息子が理不尽な事件に巻き込まれた事がある。

電車に乗って、出入り口付近に立っていた所、近くにいた背広を着た同じ年頃の若者が、電車がホームに到着するためにゆっくりスピードを落とした時に、面識もないうちの息子の顔にいきなりパンチを喰らわせたのだ。

突然の事で殴られた頬をかばって相手を見たら、ちょうどドアーが空いて、その隙間から逃げたと言う。

小学生の頃からサッカーのクラブチームのエースだった息子が、その瞬発力で追っかけて、階段を登り改札口に向かっている犯人を捕まえたらしい。その犯人は、まさか息子が追っかけて来て捕まったことに驚いて、暴れ出して息子を殴って来たらしいが、息子は犯人の背広の裾を握ったまま殴られていたらしい。

喧嘩が弱いわけではなくて、殴られながらも息子は、もし自分が手を出して仕舞えば喧嘩になって事件性が無くなるので、犯人を逮捕させるためには殴られるしかないと思ったそうだ。

息子は大学生の時にコンビニで深夜のアルバイトをした経験があるのだが、たままた入った強盗を捕まえて警察に表彰状をもらった正義感の強い人間なので、どっさに後のことを考えたそうだ。

野次馬の通報で犯人は警察に連行されて、息子は救急車で運ばれて頬骨の骨折や打撲で2ヶ月の診断を受けた。怒りに狂いそうになる私を逆に息子がなだめて、その後刑罰を受けさせることで話は決まった。

しかし、それからと言うもの、犯人の弁護士から毎日犯人が書いたという反省文が届いた。私もなぜ息子とさほど年も違わない彼が、みた事もない赤の他人に暴力を働いたのかその理由を知りたがった。

息子を通じて聞いた話だが、刑事さんから、電車内での暴力は息子が初めてではなくて、お年寄りや女性、無差別に何人もの人に同じことをして来たらしい。いきなり殴られると、人はどっさにその場で崩れ落ちるか、しゃがみ込んで、身の上に起こったことを飲み込むのに時間が掛かってしまうので、逃げていく犯人を追っかけることなど出来なかったのだ。

それに味を占めて何度もやったらしいが、まさか息子のような人に捕まるとは、夢にも思わなかっただろう。

暴力の理由は簡単だった。「ただイライラしたから」だそうだ。

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