【短編小説】わたしたちのハッピー♡パレード
1、陽菜の決断
もうダメだ。帰りたい。
そもそもわたしは青色好きじゃないし。
この寒空の下で、ヒーターもない吹きさらしのテントで早くも3時間。お気に入りだったヒラヒラレースにミニスカートの衣装も、こんな状態じゃただの罰ゲームだ。
ダウンコートのポケットに両手を突っ込んだまま、震えながら小さく足踏みをする。散歩中のゴールデンレトリーバーの笑顔がうらやましくて、生まれ変わったら犬になるのもいいなぁ、なんて思う。
「もう、陽菜ってば! 聞いてる?」
通り過ぎる犬を眺めて