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広告クリエィティブ職は聖書もわかりやすく語れるのか?その69。

普段広告のクリエィティブ業をしつつ、プロテスタントの教会でお子様にお話をさせていただいています。その原稿を公開するシリーズ。今回はヨブ記です。神様とサタンのイタズラに付き合わされるヨブ。理不尽オブ理不尽とどう向き合うのか。大好きな箇所です。聖書ちょっと長いので途中飛ばしてもいいです。途中、あー、全部財産なくなるのねのところは特に。

ヨブ記1章1節から22節
1:ウツの地にヨブという人がいた。無垢な正しい人で、神を畏れ、悪を避けて生きていた。 2:七人の息子と三人の娘を持ち、 3:羊七千匹、らくだ三千頭、牛五百くびき、雌ろば五百頭の財産があり、使用人も非常に多かった。彼は東の国一番の富豪であった。 4:息子たちはそれぞれ順番に、自分の家で宴会の用意をし、三人の姉妹も招いて食事をすることにしていた。 5:この宴会が一巡りするごとに、ヨブは息子たちを呼び寄せて聖別し、朝早くから彼らの数に相当するいけにえをささげた。「息子たちが罪を犯し、心の中で神を呪ったかもしれない」と思ったからである。ヨブはいつもこのようにした。 6:ある日、主の前に神の使いたちが集まり、サタンも来た。 7:主はサタンに言われた。「お前はどこから来た。」「地上を巡回しておりました。ほうぼうを歩きまわっていました」とサタンは答えた。 8:主はサタンに言われた。「お前はわたしの僕ヨブに気づいたか。地上に彼ほどの者はいまい。無垢な正しい人で、神を畏れ、悪を避けて生きている。」 9:サタンは答えた。「ヨブが、利益もないのに神を敬うでしょうか。 10:あなたは彼とその一族、全財産を守っておられるではありませんか。彼の手の業をすべて祝福なさいます。お陰で、彼の家畜はその地に溢れるほどです。 11:ひとつこの辺で、御手を伸ばして彼の財産に触れてごらんなさい。面と向かってあなたを呪うにちがいありません。」 12:主はサタンに言われた。「それでは、彼のものを一切、お前のいいようにしてみるがよい。ただし彼には、手を出すな。」サタンは主のもとから出て行った。 13:ヨブの息子、娘が、長兄の家で宴会を開いていた日のことである。 14-15: ヨブのもとに、一人の召使いが報告に来た。「御報告いたします。わたしどもが、牛に畑を耕させ、その傍らでろばに草を食べさせておりますと、シェバ人が襲いかかり、略奪していきました。牧童たちは切り殺され、わたしひとりだけ逃げのびて参りました。」 16:彼が話し終らないうちに、また一人が来て言った。「御報告いたします。天から神の火が降って、羊も羊飼いも焼け死んでしまいました。わたしひとりだけ逃げのびて参りました。」 17:彼が話し終らないうちに、また一人来て言った。「御報告いたします。カルデア人が三部隊に分かれてらくだの群れを襲い、奪っていきました。牧童たちは切り殺され、わたしひとりだけ逃げのびて参りました。」 18:彼が話し終らないうちに、更にもう一人来て言った。「御報告いたします。御長男のお宅で、御子息、御息女の皆様が宴会を開いておられました。 19:すると、荒れ野の方から大風が来て四方から吹きつけ、家は倒れ、若い方々は死んでしまわれました。わたしひとりだけ逃げのびて参りました。」 20:ヨブは立ち上がり、衣を裂き、髪をそり落とし、地にひれ伏して言った。 21:「わたしは裸で母の胎を出た。裸でそこに帰ろう。主は与え、主は奪う。主の御名はほめたたえられよ。」 22:このような時にも、ヨブは神を非難することなく、罪を犯さなかった。

Copyright: 日本聖書協会


「訓練されていたヨブ」
 
<わたしたちにできる訓練>
みなさんは避難訓練をしたことがありますか?地震があったら机の下に、とか。火事があったら、こういうルートで避難しましょうね。ということを訓練するわけです。そして本当に災害があったときにはその通りにできると安全に避難できる、というわけです。
その避難訓練というのは、どんなことが起こるかなーということを予想してやります。そのことをシミュレーションといいます。
このへんだと南海トラフという地震があったらどーなるーってよくやっていますね。こうなったら、どうしよう、こうなったらこうしよう。と私たち人間は少しでも将来起こることに対して準備をして、その不安を減らそうとがんばっています。この世界は本当に何が起こるかわかりません。そんなこの世界に起こるさまざまな出来事をどう考えていけばいいのか、それに対していま私たちにできる訓練ってなんかあるのかな?というのが今日の聖書の箇所です。
 
<完璧なヨブ>
ヨブ記というのはいまから2800年ぐらい前に書かれたお話です。これは物語で智慧文学と呼ばれています。みなさんが新約聖書で読んでいるたとえ話みたいなものですね。イスラエル人のある場所にヨブさんという人が住んでいました。1節「無垢な正しい人で、神を畏れ、悪を避けて生きていた。」とあります。無垢というのはピュア、真っ白、素直、などいろんな意味がありますが、ちゃんとしてるということですね。そして神を畏れとありますが、神様のことを尊敬して、謙虚に生きていたと、さらに悪を避けていきていたと。悪いこともせずにちゃんと生きていたそうです。ちゃんと神様を信じていたほんとうに素晴らしい人だったんですね。
そして2節にはいかにヨブにどれだけ財産があったか、ということがかかれています。子供が10人いて、動物をたくさん飼っていて、使用人も多かったと。1番の富豪、大金持ちだったんですね。ヨブさん、神様を真面目に信じていて、めちゃくちゃお金持ちで、さらに、子供10人いますがその10人がなんか悪いことしてたらいけないから、ということで念には念を入れていけにえをささげて、お祈りをしていたそうです。もう隙がありません。完璧です。
 
<サタンのささやき>
そんなある日、神様の前に神様の使いが集合してきました。その中にサタンがいたんですね。サタンは悪魔とも呼ばれます。この世界にいて、罪を引き出す、罪をあらわにする、罪を見つけ出して、増幅する、そんな存在がサタンです。バットマンにおけるジョーカーみたいな。なのでイエス様が悪魔の誘惑をされるシーンもイエス様に罪が出てきそうな質問をしてイエス様を試していました。それと同じようにこのサタンはこの世の中にある罪を見つけ出して、見えるようにしたいしたいと思っています。そのサタンと神様のこのやりとりがとても面白いです。神さまがいいました。8節「お前はわたしの僕、ヨブに気づいたか。地上に彼ほどの者はいまい」と。神様はヨブさんのことをサタンに自慢してますね。うちのヨブすごいやろと。そしたらサタンは9節いきなりすごいこといいます。「ヨブが、利益もないのに神を敬うでしょうか?」と。ヨブさんがあなたを信じているのはいいことがあるからちゃいますか?ほらヨブさんめっちゃお金持ちじゃないですか、お金持ちだから、あなたを信じているんじゃないですか?と。サタンって賢いですよね。本当に難しい質問を神様にしてきます。恵まれているから感謝しているのであって、恵まれてなかったら神様のこと信じないですよ。と。これは非常に理性的、賢い考え方です。ギブアンドテイクという言葉があります。あげたぶん、もらうよ、ということです。これは人間同士の関係においてはとても普通の考え方なんですね。そしてこの難しい質問に対してサタンはものすごいことを言ってきます。11節「ひとつこのへんで、御手をのばして彼の財産にふれてごらんなさい。面と向かってあなたを呪うにちがいありません。」
サタンはちょっと試してみたらどうですか?と。利益がなかったら信じないんじゃないですか?と。そこで神様はヨブさんの財産をサタンの好きなようにしていいよと、言うんですね。でもヨブさんの命は奪わないようにと約束します。面白い約束ですよね。
 
<すべてを失うヨブ>
そしてそこからヨブさんの財産がもすごい勢いで無くなっていきます。まず牛とロバが別の民族に全部とられてしまいます。そして使用人は殺されてしまいます。そのあと天から火が降ってきて羊が全部やけちゃいます。そしてつぎは別の民族がまたきてらくだが全滅。そして最後には10人の子供たちが全員あつまって宴会していたらその建物が風で倒れて全員死んでしまうという本当にひどいことが次々と起こりました。一気にヨブさんの財産がなくなってしまったんですね。
さあ、そこでヨブさんは何をしたでしょうか?
財産がいっぱいあるから信じたんじゃないですか?というサタンの説がありましたが、もしそれが本当だったら、神様なにしてくれたんですか!もう信じません!って言うんでしょう。

<ヨブの言葉>
ヨブさんは20節「立ち上がり、衣を裂き、髪を剃り落とし、」とあります。これはめちゃくちゃ悲しい、感情的になっている様子を表しています。そりゃそうですよね。こんなことが立て続けにおこったら本当に悲しいと思います。そしてそこからです。ヨブさんは悲しんで、そして神様を呪ったでしょうか?そうじゃないんですね。20節地にひれふしていったとあります。神様に頭を下げてるんですね。すごいですね。そしていいました。21節「わたしは裸で母の胎を出た。裸でそこに帰ろう。主は与え、主は奪う。主の御名はほめたたえられよ」と。シンプルな言葉で神様とヨブさんの関係を表現していてすごいお祈りだと思います。ヨブさんは、自分の命は神様から与えられたものなんだから、神様が奪うよねと。裸で出てきたんだから、何にも持たずに、もう財産もゼロで、死にますよ。と言ってるんですね。だいじょうぶですよ。あなたの思う通りにしてください、と言っています。急に一気に財産がなくなったのにもかかわらず、こんなことが言えるヨブさん。神様がヨブを試していいよ、って言ったのも神様とヨブさんのいままでの関係、今日の話が始まるまでの無垢で正しい人で神を畏れていたヨブさんとの関係を神様は信じていたんですね。普段から財産があるから神様とヨブさんの関係がよかったわけではない、ということを神様は知っていたし、ヨブさんも財産で結ばれていた関係じゃないよなと普段から考えていたんだと思います。

<もしもの時のために訓練しておくこと>
今日のお話を聞いて、優等生ヨブさんってすごいな、というお話ではあるんですが、わたしたちとどう関係があるんでしょうか?私たちはここまでひどい出来事には会っていませんが、これからこんな予想外のことに出会うかもしれません。その時に試されるのは普段の生活、普段からわたしたちと神様はどういう関係なのかを考えていたかどうか。考えておかないと、こういう出来事が起こった時に神様との関係が壊れてしまうかもしれません。それはまるで避難訓練のようなもの。こんなことが起こったら私ならどうする?シミュレーションをしておく。ちゃんとそういう時にも私たちが神様とつながっていられるようにと聖書の話を聞いてお祈りしていく、ヨブさんはそれができていました。教会は何かあったときのために自分の心の避難訓練をするところなんです。そのことを覚えて神様とつながりつづけていきましょう。

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