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広告クリエィティブ職は聖書もわかりやすく語れるのか?その63。

普段広告のクリエィティブ業をしつつ、プロテスタントの教会でお子様にお話をさせていただいています。その原稿を公開するシリーズ。今日はナオミとルツの物語。外国でナオミという名前が多いのはここからですね。昔TBCで「ナオミよ〜」っていうCMありましたね。ナオミはユダヤ人、その息子の結婚相手である女性が2人登場します。そのふたりのうちのひとりがルツです。モアブの女性で、ユダヤ人からしたら外国人です。なのでナオミの故郷に帰る必要がないのに、なぜかルツはナオミの故郷、ユダヤについて行くと言ってききません。それは何故かがお話の中心です。聖書がかなり長いので黒くハイライトしたところだけ読んでいただいても結構です。

<ルツ記1章1節から18節>
1:士師が世を治めていたころ、飢饉が国を襲ったので、ある人が妻と二人の息子を連れて、ユダのベツレヘムからモアブの野に移り住んだ。 2:その人は名をエリメレク、妻はナオミ、二人の息子はマフロンとキルヨンといい、ユダのベツレヘム出身のエフラタ族の者であった。彼らはモアブの野に着き、そこに住んだ。 3:夫エリメレクは、ナオミと二人の息子を残して死んだ。 4:息子たちはその後、モアブの女を妻とした。一人はオルパ、もう一人はルツといった。十年ほどそこに暮らしたが、 5:マフロンとキルヨンの二人も死に、ナオミは夫と二人の息子に先立たれ、一人残された。 6:ナオミは、モアブの野を去って国に帰ることにし、嫁たちも従った。主がその民を顧み、食べ物をお与えになったということを彼女はモアブの野で聞いたのである。 7:ナオミは住み慣れた場所を後にし、二人の嫁もついて行った。故国ユダに帰る道すがら、 8:ナオミは二人の嫁に言った。「自分の里に帰りなさい。あなたたちは死んだ息子にもわたしにもよく尽くしてくれた。どうか主がそれに報い、あなたたちに慈しみを垂れてくださいますように。 9:どうか主がそれぞれに新しい嫁ぎ先を与え、あなたたちが安らぎを得られますように。」ナオミが二人に別れの口づけをすると、二人は声をあげて泣いて、 10:言った。「いいえ、御一緒にあなたの民のもとへ帰ります。」 11:ナオミは言った。「わたしの娘たちよ、帰りなさい。どうしてついて来るのですか。あなたたちの夫になるような子供がわたしの胎内にまだいるとでも思っているのですか。 12:わたしの娘たちよ、帰りなさい。わたしはもう年をとって、再婚などできはしません。たとえ、まだ望みがあると考えて、今夜にでもだれかのもとに嫁ぎ、子供を産んだとしても、 13:その子たちが大きくなるまであなたたちは待つつもりですか。それまで嫁がずに過ごすつもりですか。わたしの娘たちよ、それはいけません。あなたたちよりもわたしの方がはるかにつらいのです。主の御手がわたしに下されたのですから。」 14:二人はまた声をあげて泣いた。オルパはやがて、しゅうとめに別れの口づけをしたが、ルツはすがりついて離れなかった。 15:ナオミは言った。「あのとおり、あなたの相嫁は自分の民、自分の神のもとへ帰って行こうとしている。あなたも後を追って行きなさい。」 16:ルツは言った。「あなたを見捨て、あなたに背を向けて帰れなどと、そんなひどいことを強いないでください。わたしは、あなたの行かれる所に行き/お泊まりになる所に泊まります。あなたの民はわたしの民/あなたの神はわたしの神。 17:あなたの亡くなる所でわたしも死に/そこに葬られたいのです。死んでお別れするのならともかく、そのほかのことであなたを離れるようなことをしたなら、主よ、どうかわたしを幾重にも罰してください。」 18:同行の決意が固いのを見て、ナオミはルツを説き伏せることをやめた。

Copyright: 日本聖書協会

人と人との不思議なつながり
みなさんには学校の友達、塾の友達、習い事の友達、いろんな友達がいると思います。ものすごく仲の良い友達もいるかもしれないですし、そこまでの友達もいると思います。その友達って自分で選んだ友達でしょうか?学校のクラスは自分で選びましたか?塾のクラスは自分で選びましたか?そう考えると本当に偶然出会って、偶然が重なってその関係ができた、ということなんですよね。
特に今の時代はSNSなどが発達してますからよくもわるくもつながる数は多くなっているのかもしれませんね。
今日の聖書の箇所はとても不思議な人と人とのつながりを描いている箇所です。

アブラハムからダビデ、イエスキリストへのつながりの中のルツ
ルツ記という日曜学校ではなかなか取り上げないマニアックな箇所なんですが、ここはダビデさんのひいおじいちゃんぐらいの世代のお話です。
マタイによる福音書の最初のところに家系図があります。そこを開いてみましょう。新約聖書の1ページですね。この家系図はアブラハムというユダヤ人の最初の人からずーーーっとその子供その子供という感じで描かれている文章です。カタナカばっかりですね。これ全部人の名前なんですよ。これの最初のブロックに今日テーマになっているルツさんがいます。みつかりましたか?ありますね。5節「サルモンはラハブによってボアズを、ボアズはルツによってオベドを、オベドはエッサイを、」とあります。ここにルツさんの名前が入っています。このアブラハムさんからイエス様のつながりの中に女性が4人いるんですがそのうちの一人がルツさんです。聖書の中でも有名な女性の一人、そのルツさんのお話です。
 
残された血のつながりのない3人の女性
紀元前1200年から1050年ごろの出来事です。いまから3000年前のことですね。 その当時飢饉、たべものが何もない状態になってしまって、ベツレヘムというまち、聞いたことあります?そうイエス様が生まれたまちです。そこからモアブという地方に移住することになりました。そこはベツレヘムから東へ行ったところでユダヤ人の土地ではなく、外国人の住んでいる土地だったんですね。当時はこのモアブという土地はユダヤ人からしたらあんまり評判がやくなかった土地だったそうですが、食べるもののために仕方なく移住、引っ越ししたそうです。そこにひっこしたのが、エリメレクさんとその奥さんのナオミさんとその子供2人、マフロンさんとキルヨンさん。そこに引っ越したあと、ナオミさんの旦那さんのエリメレクさんが死んでしまって、ナオミお母さんと息子のふたり、マフロンさんとキルヨンさんが残されました。そのあとに、息子のふたりは、そのモアブという土地の、ユダヤ人からしたら外国人の女性と結婚しました。その2人の女性がひとりが、オルバさん、ひとりがルツさんです。そのあとなんと二人の子供、マフロンさんとキルヨンさんが両方なくなってしまって、女性3人になってしまいました。ナオミさんと、オルバさんと、ルツさん、3人ですね。この3人どういう関係でしょうか?

別れられない3人
2人ともナオミさんの子供の結婚相手ですから、直接血のつながりはないんですね。その不思議な3人の会話が今日の箇所のメインになってきます。
そこから6節です。ベツレヘム、元々いた土地にも食べ物がとれるようになってきたので3人でベツレヘムに戻ろうということになりました。3人でベツレヘムに向かっている途中にナオミさんが言いました。いや、やっぱり自分の土地、モアブにいたほうがいい、私についてくる必要ないよと、あなたたちは私にも息子にも本当によくしれくれましたと。ここでナオミさんがお祈りするんです。このお祈りがとても素敵です。神様、どうかこの2人の女性のいままでの働きに報いる、いいことがありますようにと、そして新しい男性と結婚できますようにと、そして平和にくらせるように、と。お祈りするんですね。そのナオミさんの感動的なお祈りがあって、そしてお別れのキスをしました。そうするとその2人は声をあげてないて、いや、いっしょにベツレヘム行きます!というんですね。それに対してナオミさんはさらに来なくて良いっていいます。それが11節です。

さらに別れようとするナオミ
ここから当時の習慣としていまからしたら不思議なやりとりがあります。男性が死んだらその兄弟と再婚するというのが当時の習慣だったそうで、そこでナオミさんがいいます、私に子供ができるとでも思っているんですか?と。これはわたしについてきても、わたしの子供はもう生まれないし、つまり死んだ子供の兄弟はできないんだから、もう私と別れて別の人と結婚しなさい、と言ってるんですね。いまでは考えられませんが、そういう習慣があったんですね。そこで最後にナオミさんがいいます。あなたたちよりもわたしのほうがつらいのです、主のみてが私に下されたのですからと。その状況は神様がきめたんだから、しょうがないんです、だからもう自分の国に帰っていいんです、ついてこなくていいよと。

さらに別れようとするナオミに対してルツの答えは?
そこまでいわれてオルバさんとルツさんのうちオルバさんは仕方ないとモアブという土地に残るとお別れのキスをして別れました。が、ルツさんは14節すがりついて離れなかったそうですね。せつないですねえ。とてもドラマティックです。そしてナオミさんはルツさんにさらに念を押していいますね。オルバさんは自分の民、自分の神の元に帰って行こうとしているよ。だからあなたも一緒にかえりなさいと。この自分の民、自分の神という言葉が大切です。自分の民族、自分の神様のいるところに帰りますということなんですね。あらためて言いますとナオミさんとオルバさんとルツさんは違う民族なので違う神様を神様としてたんですね。なのでここで戻るということは、違う神様をお祈りする人に戻るということなんです。このモアブに戻るか、ベツレヘムに行くかはどっちの神様を信じるかを選ぶことでもあったんですね。そしてナオミさんの最後の念押しに対してルツさんは答えます。わたしはあなたについていきます、ベツレヘムに一緒に行きますと。そしてその理由として16節「あなたの民は、わたしの民。あなたの神はわたしの神。」と答えました。ナオミさんの民族がわたしの民族です、ナオミさんの神様が私の神様です。と。つまりあなたの神様を私は信じますと言ったんですね。その覚悟でついていきますと。17節には死ぬまでついていきますと、それ以外の別れ方をしたら私を神様罰してくださいとお祈りしてまで、神に誓ってまでナオミさんについていくと言ったんです。それを聞いてナオミさんは折れてルツさん一緒にベツレヘム行こうとなったんです。

ナオミとルツは何でつながっていたのか?
この血のつながっていない、そして別についていかなくていいのに、ナオミさんにルツさんはついていくと。ついて行く必要がないとなんども伝えたのに、です。このナオミさんとルツさんはひとりの神様を信じるという点においてつながっていたんですね。ナオミさんの信じる姿を見て、一緒にいようとした。キリスト教を信じている人はナオミさんのように生きて、その役割を果たしたいなあと思っています。ナオミさんはルツさんを神様につなげて、そしてベツレヘムに一緒に向かいます。それが最初にマルコによる福音書でみたあの家系図につながっていくんですね。ルツさんはモアブの人だったのに、その系図に入ってくるということもとても面白いことです。純粋なユダヤ人だけでなくいろんな人がこの家系図に入っているということがイエスさまはユダヤ人だけでなく全ての民族のためにお生まれになったことを表しています。その神様のつくられた不思議な家系図のことを思いつつ来月のクリスマスを迎えられたらと思います。<おしまい>

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