歪んだ考え方に気づいた1冊
大学4年生だった2015年11月
今から5年前、私はタイ北部のチェンマイというところにマッサージ留学をしていました。(理由はのちほど)
留学中、観光の一つで「首長族村」へ行きました。
ガイドさん案内「首長族は普段、山の上にこもって生活をしています。NGOの活動のもと首長族村を再現しています。彼女たちは、ここで商いをし、出稼ぎが終わると山に戻ります。買って!と集ってきますが、あまり気にしないでください。」
案内のなか、村へ入っていくと笑顔で客引きをする彼女たちがいました。
可愛い表情で「100バーツ!100バーツ!(≒300円)」と寄ってくる女の子と、その母親。村の中には、親子が10組ほどいたかと思います。
貧乏学生でしたが首長族とお揃いのブレスレットや、お土産品をいくつか買いました。
村の中にある広場では、無邪気に楽しく遊んでいる子どもたちの姿も見れ、気持ちが穏やかになる風景もありました。
なんか、モヤモヤする...
少数民族との出会いは、かなりインパクトが大きく村へ行った時のことは鮮明に覚えています。同時に、小さい女の子たちの客引きの姿を見て、心がモヤモヤしました。
日本のような高所得な国では、教育レベルが高く、進路の選択肢は多い。
一方、低所得な国では、教育機関はなさそう、強制労働を強いられ進路の選択肢も少ないのではないか、と考えました。
なぜ私は、タイに留学していたかというと...
新卒で証券会社に行こう!と自分で就職先を決めましたが、離職率が高い業界なので、辞めた場合の別の選択肢として、タイマッサージを学びにチェンマイに来ていました。
留学中に出会った、首長族村の女の子たちは、まだ小学生くらいなのに出稼ぎ暮らし。
自分の暮らし方とは、かけ離れた環境で暮らしを目の当たりにして、これが世界で起きている格差なのか、と悲しくなりました。
感覚的に感じた「格差への葛藤」を抱えながら、社会人になりました。
2017年の夏、業務に追われながら働く毎日、転職について考えていました。
ふと首長族を思い出し、転職期間で首長族のような貧困な地域へボランティアに行こうと思い、説明会に行きました。
実際にボランティアに行った人の話を聞くと、「現場でのボランティアは、一時的なサポートになる場合が多く、物足りなさから数回行かれる人は多いですね」とのこと。
リアルな声を受け止め、自分は何のためにボランティアに行くのか明確にできなかったので行くのは辞めました。
「FACTFULNESS」で知った事実
2018年からはデザイン業務に励み、海外へ目を向けることは減っていましたが、尊敬している方からの課題図書で「FACTFULNESS」を読みました。
【イントロダクション一部抜粋】この本では、ドラマチックすぎる話を認識する術と、あなたのドラマチックな本能を抑える術を学べる。
引用にあった通り、私はこの本を読み終え、首長族に対して、悲観的でドラマチックに考えすぎだったと気付きました。
理由は、以下の事実を知ったからです。
私の選択 Q1:A 20% Q2:B 6年
正解は...
「え、そうなの・・・!」と感じた方は多いのではないでしょうか。
他にも、驚きのグラフが沢山紹介されていました。
勝手に「首長族や貧しい国では、教育を受ける環境は整っていない」と思っていましたが、世界で女子が学校に通う割合は90%を超えてきているのです。
実際に、首長族の教育環境は、どうなっているのでしょうか。
■事例①
高校までは村の教育施設、そのあと「稼ぎの良い仕事に就きたい」と村を離れ専門学校に進んだ女の子のお話
https://www.ganas.or.jp/20170925dream/
■事例②
17歳で、勉強を一生懸命したいから首輪をはずす女の子のお話
一部の情報ではありますが、首長族の女の子たちも教育は受けていますし、自分の意志で行動している様子がわかりました。
勝手に、彼女たちは、教育も受けられず客引きをして生きている、と勘違いをして5年が過ぎていたのか、と気づきました。
また首長族に会いたい
今回「FACTFULNESS」を読み、首長族に対して、悲観的でドラマチックに考えすぎだったと気付きました。
私は、直感が現実とはかけ離れていることに気づかず、無知なまま世界に対して「歪んだ見方」をしていたと思います。「事実に基づいた見方」が大切だと著者は述べています。
今後は、データや数値を自分なりに集めて考え、行動していこうと思う1冊でした!
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最後に今後の課題を書いて終わりとします。
数字上、世界は全体的に、生活レベルや教育環境は整ってきていますが、まだまだ暮らしの差は起きています。
SDGsでも下記のような項目が掲げられています。
引用:一般社団法人 イマココラボ SDGsとは?
これからの私の課題は、個人レベルでまず何が出来るのか見つけることです。
この投稿を書くなかで、首長族を調べていて疑問が湧きました。
首長族村は発展が進み、入館料は2倍に値上がりした事実、携帯を触っている首長族の記事もありました。
彼女たちの感情や幸福度は、変化しているのでしょうか。コロナが落ち着いたら、もう一度村へ行き、彼女たちに「好きな遊び」や「苦手な教科」「将来の夢」など、質問してみたいです!
前回は、見せかけの欲求(=商品の購入)に応じるだけでしたが、今度会えるときは、本心の欲求を聞いてみたい。
数値から考えられるアプローチ、リアルな生活をしている人たちの思いを受け止めた上でのアプローチ。2つの視点を持って、自分自身何ができるのか、答えを見つけたいと思っています。
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