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40歳前後

40歳。
この年齢で思い浮かべるのは、不惑だろう。
安室奈美恵さんは、40歳で引退をした。
今は、こっちの方を思い浮かべる人が多いかもしれない。



高校生の時に、漢文の授業で
「中国では親が死んだ時、公職から離れて2年間喪に服すのだ」
という話を先生がしていたのを聞いて、
(なんとまあ、長い間親のことを悲しんでいるんだねえ)
と思ったものだ。
しかし、それは多分違う。
親死ぬ年齢というのは40歳前後だったのだろう。
その時に、公職を離れて2年間喪に服すというのは、おそらく、今までの自分の人生を見つめ直し、これから残りの人生を考えるための時間、もう一度勉強し直すための時間として許されていた時間なのではないかと思う。



私の40歳前後といえば、大学院への派遣がある。主に自分のことだけを考えていればいい1年間は、とても幸せな1年間であった。今まで何をして来て、これから何をしようかと考えることができた時間であった。
安室さんは、40歳で引退という道を選んだ。
就職して25年。教師で言えば、50歳前後だと考えていい。
かつては、この辺りで管理職への道を選んだ人が増えた。
多分、担任としての仕事を引退し、管理職として新しく生き直すことを選んだのだと思う。
私は、結果的にこの辺りで中学校教員を引退し、大学の教員になった。そして、その後、父親にもなれた。
40歳は不惑。
いや、まだまだ惑うと思うのだが、一旦ここで仕切り直すこと。
それが、不惑、惑わずということなのではないかと思うのだ。



ユーミンのように引退せずに走り続ける人もいる。
(ちなみにユーミンの40歳前後の名曲は、「真夏の夜の夢」だと思う)
だが、40歳前後で、25年間働き続けて、一度、引退するというのは、
実は古来より、あることなのではないかと思うのだ。
若いうちには全くわからなかったことだが、
生きて行くと、色々とわかる。

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