女性の健康の増進と家庭の強化に関する「ジュネーブ合意宣言」
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女性の健康の増進と家庭の強化に関する「ジュネーブ合意宣言」

ikedam
ブラジル、エジプト、ハンガリー、インドネシア、ウガンダ、そしてアメリカ政府は、2020年10月22日、ワシントンD.C.で開かれたヴァーチャル会議を共同開催し、「ジュネーブ合意宣言」の調印式をおこなった(ジュネーブと名付けられたのは、リアルな「世界健康会議」がCOVID-19の影響により延期を決定する以前はジュネーブでの開催を予定していたからである)。この宣言は各国の連携をさらに強化しながら以下の4つの柱を打ち立てる。(1) 女性のよりよい健康(2)人間の生命の保護(3)基本的な社会の構成単位としての家庭の強化(4)国際政治の文脈において各国の主権を守ること。たとえば、堕胎に関する自国の法律を外圧を受けずに独自に作成することは、各国に認められるべき主権である。

われわれは、健康の領域に対して真の解決を見出すことが、加盟国を結びつける優先事項となるべきであると信じる。この宣言は、上記の目的を達成するための進歩を加速させる良い方向に向かう道標となる。 

われわれは、各国政府を代表する閣僚である。
最高水準の健康を女性が獲得する権利を拡張するために必要な進歩と挑戦について検討し、家庭および継続的に繁栄すべき社会の健康と強靭さにとって不可欠である女性の貢献を促進し、生命の権利の保護がもっとも重要で不可欠であると表明することを目的に開催された「2020世界健康会議」に参加するためにスイスのジュネーブに向かうが、世界的なCOVID-19によるパンデミックの影響でジュネーブに集合することは叶わなかったにもかかわらず、相互の協力によって多国間フォーラムを成り立たせることができたわれわれは、連帯のうちに、次のように宣言する。

1. 「すべての人は法の下に平等であり」(*1)、また「女性の人権は、あらゆる人権及び基本的自由の不可侵,不可欠かつ不可分な部分である」(*2) ことを再確認する。

2. 「あらゆる市民的および政治的権利を男女が平等に享受する権利」(*3) ならびに、経済、社会、そして文化的権利、また「権利、機会、リソースへのアクセスの平等、男性と女性による家事の責任の公平な分担、および男女の調和のとれた協力関係が、自分たち自身とその家族の幸福のために欠かせない」(*4) こと、そして「女性および女児は、質の高い教育、経済的リソース、政治参加にアクセスする権利を平等に享受できなければならないし、雇用、リーダーシップ、意思決定に関しては、男性および男児とあらゆる面で機会均等でなければならない」(*5) ことを強調する。

3. 固有の「尊厳および人間の価値」(*6) すなわち「人は誰もが固有の生きる権利を有する」(*7)こと、そして「女性が安全に妊娠と出産を迎えられるように、また男女に健康な子どもを得る最善の機会が与えられるように」(*8)努力することを再確認する。

4. 「どのような場合においても家族計画の手段として堕胎が奨励されるべきではない」(*9) ことを、すなわち「健康管理の一環として堕胎が関係するどのような方策あるいは改革も、その決定は一国の法的手続きに従った国あるいは地域のみに限定される」(*10) ことを強調する。子どもの利益の最大化原則に基づき「子どもは…産まれた後と同様に産まれる前からも特別な保護とケアを必要とする」(*11) こと、そして「特別な方策や補助の対象は、すべての子どもに及ぶべきである」(*12) ことを再確認する。

5. 「家庭は自然かつ基本的な社会の構成単位であり、社会および国家から保護される権利がある」(*13) こと、すなわち「養育期にある母と子どもには、特別なケアと補助を受ける権利があり」(*14)また「女性には家庭において欠くことのできない役割がある」(*15)こと、そして女性が「家庭の安定と社会の発展に貢献する」(*16)ものであることを再確認する。 

6.「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジは、健康と福祉の領域のみに関わるわけではない『持続可能な開発目標』の達成のために不可欠である」 (*17) ことを認識し、それとともに「健康とは、ただ重病や虚弱でなければいいというものではなく、身体的に、心理的に、そして社会福祉の支えにおいて完全な状態にあること」(*18) であり、「最善の健康を維持することよりも病気への対処に過度に重点を置く医療制度も同様に包括的なアプローチを阻害する」(*19)ものであり、また「一人の生涯の異なる段階ごとに異なるニーズ」(*20) があることを認識する。そうした認識のもとに、考えうる最良の健康の恩恵を享受し、人間のポテンシャルを最大限に発揮するために必要な情報と技能とケアを提供できる環境を整えながら、人生の全般にわたる最善の健康を力を合わせてサポートできるようにする。そして

7. 「世界人権宣言」に明記された人間の尊厳およびすべての権利と自由を大切に守りながら、「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成に向けて自国の道筋を決定するためには、国の社会的背景や優先課題に照らし合わせて、あらゆる階層にわたって国が中心となった取り組みをおこなうことや行政が主要な役割と責任を果たすことが重要である」(*21)ことを再確認する。

その上で、主権国家の代表であるわれわれは、相互の友情と敬意をもって、ともに以下の取組みをおこなうことを、ここに宣言する。

✔️ 政治、経済、そして公共の生活に関わるあらゆる階層において、女性がすべての人権と機会平等を余すところなく享受できることを保証する。

✔️ 女性が健康と自身を発展させる機会に、よりよく、安心してアクセスできるようにする。そこには性と生殖に関する健康が含まれるが、それはつねに最善の健康を、可能な限り最高水準の健康をもたらすものでなければならず、堕胎が含まれることはない。

✔️ どの国にもその法と政治と矛盾することのない計画や行動を導入する主権があることを長きにわたって国際社会が認めてきたことを鑑みるならば、国際社会に堕胎の権利というものは存在せず、どんな国際的な特権を有する国家であっても堕胎に対する財政的な支援が認められることはないということを再確認する。

✔️ 自国の健康管理システムを構築し、弱い立場にある女性と子どものニーズにこたえ、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジを前進させる健康と開発に関する計画の実現のためのリソースを導入する。

✔️ 自国内で、二国間で、または多国間フォーラムにおいて、女性と女児ならびに家族のための公共健康支援政策を前進させる。そこには、利用しやすい健康管理システムの構築とリソースの導入が含まれる。

✔️ 社会の基盤であり、健康と支え合いと労りの源泉である家庭の役割をサポートする。そして、

✔️ 一人一人でも強力だが、ともに集まればより強力になることを認識した上で、上記の普遍的な価値を実現するために、国連の制度を横断的に取り込んでいく。

(*1)  国連総会(1948年 パリ)「世界人権宣言」7章
(*2)  国連第4回世界女性会議(1995年 北京)「北京宣言及び行動綱領」9節
(*3)  国連総会(1966年 ニューヨーク)「市民的及び政治的権利に関する国際規約」3章
(*4)  脚注 国際人口開発会議(1994年 カイロ)「国際人口開発会議・行動計画」8節25および63
(*5)  国連総会(2015年 ニューヨーク) 「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」20節
(*6)  国連総会(1948年 パリ)「世界人権宣言」
(*7)  国連総会(1966年 ニューヨーク)「市民的及び政治的権利に関する国際規約」6章1
(*8)  脚注 国際人口開発会議(1994年 カイロ)「国際人口開発会議・行動計画」7節2
(*9)  脚注  8節25
(*10) 脚注
(*11) 国連総会(1959年 ニューヨーク)「児童の権利に関する宣言」前文
(*12) 国連総会(1966年 ニューヨーク)「経済的、社会的、文化的権利に関する国際規約」10章3
(*13)  国連総会(1948年 パリ)「世界人権宣言」16章3
(*14)  国連総会(1948年 パリ)「世界人権宣言」25章2
(*15)  国連第4回世界女性会議(1995年 北京)「北京宣言及び行動綱領」付記Ⅱ 29節
(*16) 脚注
(*17) 国連総会(2019年 ニューヨーク)「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジに関する主要国会議の政治宣言」5節
(*18) 世界健康会議(1946年 ニューヨーク) 「世界保健機構憲章」
(*19) 国連総会(2000年 ニューヨーク)「北京宣言及び行動綱領ための更なる行動とイニシアティブ」11節 
( *20) 国際連合経済社会理事会(1999年 ニューヨーク)「社会開発委員会:第33回部会報告書」1章(付録3節)「世界社会開発サミットの行動計画に関して」
( *21) 国連総会(2019年 ニューヨーク)「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジに関する主要国会議の政治宣言」6節

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英語原文
◎共同開催国をはじめ以下の32カ国がこの宣言に署名した。 
バーレーン
ベラルーシ
ベニン
ブラジル(共催国)
ブルキナファソ
カメルーン
コンゴ共和国
コンゴ民主共和国
ジプチ
エジプト(共催国)
エスワティニ
ガンビア
ハイチ
ハンガリー(共催国)
インドネシア(共催国)
イラク
ケニア
クウェート
リビア
ナウル
ニジェール
オマーン
パキスタン
ポーランド
サウジアラビア
セネガル
南スーダン
スーダン
ウガンダ(共催国)
アラブ首長国連邦
アメリカ合衆国(共催国)
ザンビア

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