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0メートルの旅を読んで思うこと

岡田 悠(著)

移動しないでも割となんでもいつでもスマホで見れるようになり、また移動しづらい状況下のため、旅をすることや移動することの価値について考えていた時に偶然出会いました。衝動買いしました。読みました。

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本の内容

海外編、国内編、近所編、家編と徐々に移動距離が0メートルになり、最後はエアロバイクでGooglemap上の日本を縦断する旅になります。その経験から旅とは何かが書かれています。行かないと(やってみないと)わからない現地(体験)の一次情報が面白おかしくまとめてあります。おもしろ旅行記であり、おもしろエッセイ集なので、さらっと一話づつ楽しく読めます。

筆者の思い(真面目な部分から抜粋)

旅とは日常から違う瞬間へと自分を連れていくことであり、日常に戻った際によりその日々が鮮明になることである。そのことから、予定も目的も固定概念も全て吹き飛ばしてどこかへ行こうとも、いま目の前にある0メートルの日常を愛することが大切であることがわかった。
移動距離によって旅の性質は変わりうる。それは事実であるが、距離に制約されることなく、旅への渇きを満たせたらいいのにと願いを込めて本書を書いた。どこかの誰かの0メートルの旅につながれば嬉しい。

読んでのまとめスケッチ

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読んでの感想

16の物語の中で印象に残った部分をスケッチで書いてみました。移動距離に関わらず、日常から離れている状況が印象に残りました。移動距離とは、日常から引き剥がされる感覚をさらに引き剥がす側に補正するものだとわかりました。旅の価値は、旅に感じる非日常感と移動距離との2次元上で表せる点と0地点との差であると考えました。
(スケッチ左中央です)
想像力でいつもと同じ景色からいつもと違う景色を創り、いつもと違う見方でいつもと違う受け取り方をすることで、距離が例え0メートルでも、非日常感が100あればその絶対値100に匹敵する旅となり得るのだと思います。

コロナ禍で否が応でも0メートルの日常と大切さは強く感じています。そして、移動制限がかかっている状況でも、近くで非日常を得るための手段は色々ある(古地図にしかない道で移動する、クーポンの法則性を見つけ出すなど)ことがこの本で教えてもらえます。
 私自身も、平日の公園で大きな輪っかでシャボン玉を作ったり、家の駐車場でいつもの夕飯後に線香花火をする、そのような非日常な体験によって私の日常とで差が生まれ、私にとっての0メートルの旅をすることができました。

少し遠くの大きな公園に行くような小学校の遠足は、今では大したことはありませんが、その当時はちょっとした旅でした。やはりその時の受け止め方なんだなと思いながら、「家に帰るまでが遠足です」というフレーズには、「家に帰ったときに日常の大切さを感じることも含めて遠足です」といった想いも込められていたのかもと思ったりしました。


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