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SNS時代の芸能事務所

現在わたしは、エンジニアとして働きつつも、ゆるーく芸能事務所に入ってる。
ゆるーくやっているから、「わたしってなんで芸能事務所に籍を置いているんだっけ」っていうことに思いを馳せることも徐々に少なくなっていき、所属してから14年ほど経過していたことに気づいてしまった……。

でも、その間にも芸能界を取り巻く環境は大きく変わった。インターネットのおかげで、芸能人が出るメディアの裾野もだいぶ広がったし、わたし自身もSNS経由で仕事がきたり、SNSありきの仕事が来るようになってきた。
なんかもう、どこからが芸能人でどこからが芸能人じゃないかの境界すらもう曖昧だ。

旧メディアに出るためには、芸能事務所のコネや営業が必要だったりするけど、コンテンツを自ら発信できるSNSというものがあれば、そんなものいらな……あれ、なんで芸能事務所に所属しているんだっけ。

芸能事務所って何してくれるの?

マネージャーがついてくれて、タレントの育成や管理、場合によっては世話、ギャラの経理処理、メディアへのコネクションを活かした営業、クライアントとの連絡・交渉とかしてくれる。

芸能事務所に所属していてどう?

長い歴史のある信用できそうな事務所であるという点においてはいい。
超ブラックな仕事が飛んできたりしないあたり、いいかんじにフィルターとして機能してるように思う。

クライアントとの交渉とか、何も考えずに仕事に集中できる環境はありがたい。

ただ、基本的には俳優事務所なので、タレントとして所属していても、効果的に営業が機能しなさそうだし、事務所に入っているから仕事が増えたみたいなのはあんまりなさそう。
演技ができると、たぶん相当に良い事務所なのだと思う。

おまけとして、先輩とか後輩がめっちゃ美しいので目の保養になる。

SNS時代に向けた芸能事務所

一言で言えばすべてが「不透明」なので、インターネット・SNS時代らしく、もっと透明性をあげるべきだと思う。

改善ポイント①: フロントオフィス業務とバックオフィス業務を分けてほしい

マネージャーに求められる能力が広範囲すぎる。せめて、フロントオフィス業務とバックオフィス業務を分けてほしい。

マネージャーの仕事をざっとあげるだけでも、営業・交渉・調整・連絡・予定管理・タレントのケア・タレントの教育等、とても広範囲。

新規の案件獲得の営業が上手い人も、実際の仕事の運用部分(各所の調整とかマメな連絡とか)が苦手だったりするし、現在活躍している人たちに対するケアで忙しくて、新人が放置され、有望な子がやめていったりするなんてこともザラ。
業務を分割して、それぞれの仕事をちゃんと適正のある人が担当してほしい。

改善ポイント②: タレントがマネージャーを評価するシステムがほしい

連絡が苦手なマネージャーをアサインされたとき、「池澤さんのマネージャーと連絡がつかないんですけど…」って連絡が来すぎて発狂するかと思った。

マネージャーのマネージャーをするタレントって何。

マネージャーの働きっぷりを一番わかってるのはわたしだ!!!!!!!評価させろ!!!!!!

改善ポイント③: 連絡先のアカウントはタレント個人に紐付けてほしい

マネージャーのメールアドレスは、配置換え・転職等、マネージャー自身の進退によってアドレスが死にがち。メアドが死ぬと、自ずと継続クライアントとの連絡が途絶えがち。

このシステムはマネージャー変わるのがリスクすぎなので、メールアドレス等の連絡窓口は所属したときから一定で、マネージャー間でそれを管理したり引き継いだりしてほしい。

改善ポイント④: ギャラの配分が適当なのやめてほしい

なんで個人と事務所のギャラ配分の比率が公開されてないのか分からない。

わたしは所属以来ずっと給料制できたけど、2年前くらいに「圧倒的に歩合制のほうがいいのでは」と気づいて、歩合制に変更。その際に、5対5にされそうだったところをねばって6対4です。一定にしてほしい〜。

もっというと、マネージャーのケアが必要な割合に応じて配分を分けてほしい。
現場でのケアいらない、リモートで連絡と交渉だけしてほしいタレントと、現場にマネージャーが来てケアしてくれないとダメなタレントのギャラ配分が一緒なのってどうなの。

改善ポイント⑤: 出世がマネージャー依存なのやめてほしい

タレントが類稀なるスペシャルな才能を持っていた場合は、どんなマネージャーがついてても出世するかもしれないけど、大抵はマネージャー運がめちゃめちゃ大事だったりする……。

「あの子、マネージャーが変わってめっちゃ売れてワロタw」が多すぎてすごい。けっこう相関性が見いだせるのは面白いけど、個人依存が激しすぎるから、営業専門のチームがいたほうがいいんじゃない??

あと、マネージャーの営業力の違いはもちろんだけど、クライアントは、タレント単体ではなく、タレントとマネージャーをひとつのチームとして見ているため、「タレントはいいんだけど、あそこのマネージャー連絡が遅いから今回はやめておくか〜」ってことがおきがち。

改善ポイント⑥: 外部から見ると、現実部分が全て不透明なので、わかりやすくしてほしい

わたしは中学生のころに東宝シンデレラのオーディションのポスターを見て応募して今に至るわけだけど、当時は夢については思いを馳せていたけど、現実については何も考えてなかった。

このインターネット時代に、給与形態とかキャリアパスとか実際どんな仕事をしていくのかとか、事前に内情が調べられないのはけっこう問題だと思う。

結論

個人的にはバックオフィス機能だけ提供してくれればそれでいいかもしれない………。

(ビジネス的なことはひとまず棚に上げておくと(無責任失礼))サポートを明確化して、タレント個人ごとに必要なサポートパッケージを契約するみたいにすると今っぽい。

〜完〜

いただいたサポートは次の企みのための資金として大切に使わせていただきます。ありがとうございます。