見出し画像

リスクを抱えずにはたらき方を変える「ゆるやかなキャリアチェンジ」のススメ

学生期間が終わると、わたしたちは社会に放り出される。その職業が向いているかもわからないのに、その職場に馴染めるかもわからないのに、とりあえず就活をして、前に進んでいかなければいけない。

そうしてたまたま得た職は、本当に自分に合っているのだろうか。胸を張って「最高!」と言える運が良い人は置いといて、働いてみなきゃわからないこともたくさんあるのだから、ちょっと失敗したかもと思ったら、もっと自由にキャリアチェンジをしてもよいはずだ。

本来、キャリアチェンジとは、違う業界や職種に転職することを指す。しかし、こうした大きなキャリアチェンジには、就活と同様のリスクがある。

副業やパラレルワーク、時短、リモートワークなど、さまざまな働き方が受け入れられるような社会になってきた今だからこそ、キャリアチェンジももうすこしゆるやかでいいんじゃないか。この記事はそんな「ゆるやかなキャリアチェンジ」の提案だ。

ゆるやかなキャリアチェンジとは

わたしの場合は、ずっとフリーランスで働いてきたということもあって、ゆるやかなキャリアチェンジがしやすい環境にあった。キャリアの変遷をまとめると以下のようになる。

画像1

転職はしていないが、結果として、俳優というファーストキャリアからソフトウェアエンジニアときどきタレントという、大きなキャリアチェンジをしたことになる。
今は、ソフトウェアエンジニアとして週4日働き、他の時間を収録や執筆のようなタレントやライターの仕事に充てている。飽きやすいがエンジニアリングが好きなわたしにとっては、ちょうどいい塩梅で仕事をさせてもらっている。

画像4

ゆるやかなキャリアチェンジとは、一念発起して違う業界・職種に転職するような従来のキャリアチェンジではなく、副業やパラレルワークを通じて、徐々にメインの職の軸を移していくタイプのキャリアチェンジだ。

最近、わたしのまわりでも、そうしたゆるやかなキャリアチェンジをしている人を見かけるようになった。YouTube をはじめたデザイナーの友人が、気付けば YouTuber としての仕事がメインになっていたり、大企業で営業をしていた友人が、学生時代から続けていたブログで独立して、今はオリジナル商品の企画・開発まで手掛けていたりする。

仕事をやめないキャリアチェンジの最大の強みは、最低限生きていける収入が確保できる点だ。
そのため、稼ぐことに力点を置かず、やりたいことをどう仕事に繋げるかを、実践しながら考えることができる。

自分のやりたい仕事や心地よい働き方を模索するのに、こうしたゆるやかなキャリアチェンジは向いているのかもしれない。

どうやってゆるやかなキャリアチェンジをするか?

とはいえ、そのゆるやかなキャリアチェンジとやらをするためには、何をするべきか。会社に所属しない状態で仕事はどこから湧いてくるのか。

以下はわたしがやりたい仕事を模索する中で見えてきた、やりたいことを仕事に繋げるちょっとしたコツである。

たくさん種をまいておく
興味のあることややりたいこと、できることを日頃から人に話しておくと、ときどき話が舞い込んでくることがある。

エンジニア業界にもLTによく参加する人がいるが、多くの人に「〇〇の人」「〇〇ができる人」と認知してもらうためには、コスパが良いのかもしれない。

やはり、その中でも「できること」は仕事につながりやすい。なので、できることは可視化しておいたほうがいい。わたしも社会人になりたての時分は特に、ポートフォリオ連載記事一覧等に助けられることが多かった。(最近どちらも更新できていないけど…!)

スクリーンショット 2020-01-06 22.21.00

コワーキングスペースを活用する
わたしが「フリーランスで仕事をしています」というと、「どうやって仕事をもらっているのか」とよく聞かれるが、だいたいの仕事は知り合いづてで流れてくる。
他の人の話を聞いてもやはり人伝で仕事を得ていることが多いので、フリーランスは自由だと言えども、なんだかんだ人の縁が大切だ。

コワーキングスペースは、集中して仕事をできるスペースとしての役割はもちろんだが、個人的には、自然に人の縁ができるという点に最も魅力を感じた。

大抵のコワーキングスペースは、スペース内でイベントが開催されることが多く、自然とコミュニティに溶け込める仕組みがある。

わたし自身も、DMM.make AKIBA という秋葉原にあるコワーキングスペースでよく作業をしている。気づけば今は週3〜4で働いているスタートアップの tsumug とのつながりも、コワーキングスペースのフリースペースで作業をしていたら「暇?忙しいから手伝って」と声をかけられたのがきっかけだ。

画像6

やりたいことと仕事を無理やり繋げる
「こういうチャレンジをしてみたい」と思ったとき、なんとかそれが仕事ならないかと模索してみると、意外と仕事に結びついてしまうこともある。

わたしの場合も、中国・深センに行きたいがために、ガジェット系媒体に直談判して記事の枠をもらって、取材にかこつけて行ったり。

中国企業で超短期インターンしてみたかったのでこれまた取材にかこつけてみたり。

ヘボコンに出てみたくて連載にしたり。

Botづくりを学んでみたくて連載にしたり。

自分からやりたいことを提案して仕事に繋がったことは、他にもここでは挙げきれないほどたくさんある。
仕事になってもならなくても、とりあえず打診してみることは無料なので、やらない手はない。

「今」の自分に適した仕事を考え続けること

ゆるやかなキャリアチェンジでは、最終的には「キャリアチェンジしない」という選択肢も取れる。

ふたつの職業を持っていること自体が強みに繋がることもある。例えば、YouTuber ののがちゃんは、デザイナーらしいおしゃれな動画がチャンネルの強みになっているし、わたし自身もエンジニアリングに理解のあるタレントとして仕事をいただくことがとても多い。

それに、キャリアを積み重ねていくなかで、仕事の適正が変わることもある。今は向いていると思える仕事でも、上司が変わったら、子供ができたら、病気をしてしまったら、歳を重ねたら、そう思えなくなってしまうかもしれない。

大切なのは、「今」の自分に適した仕事を見つけることだ。

自分の今の状況を知り、それに合わせて働き方をゆるやかに変えてゆくのは、心地よく働くことに繋がる。自分に適した仕事をし続けていくためには、社会から求められていることと自分のやりたいこと、自分にできることのバランスを時折省みては、変わり続けていくことが必要なのかもしれない。

画像3

この文章は、freee×note の「 #はたらくを自由に 」コンテストの参考作品として主催者の依頼により書いたものです。
#はたらくを自由に #PR

いただいたサポートは次の企みのための資金として大切に使わせていただきます。ありがとうございます。