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【1,356文字】コミュニティ施策は有形と無形を意識しないと空振りするかも

 コミュニティには、有形と無形があるのではないかと思いました。有形といのは、名前の付いたコミュニティということです。無形というのは、その逆。界隈のコミュニティです。

有形コミュニティ

 名前をつける行為(naming)というのは、対象物の存在の輪郭をハッキリすることです。コミュニティに名前が付くと、所属か非所属かという概念が現れます。
 この強みは、帰属意識が芽生えることです。「私は〜に所属したことで人生がこうなったよ」というナラティブ(物語)が生まれます。コミュニティ担当者は、この所属ナラティブを狙った施策を打つことができます。
 一方で弱点もあります。1つは離脱難易度です。所属者はこっそりフェードアウトできません。辞める儀式が必要です。もし仮に所属したけど価値観が合わなければ抜けたいと思うのは当然ですし、それはネガティブなことではありません。その人は価値観の合うコミュニティを新たに見つける旅に出るだけです。しかし、辞めづらい雰囲気があると体験が悪くなります。また出た人が戻ってきたいと思っても、再所属しづらい雰囲気も生まれます。そこで「体験所属」「カムバック」「卒業」というポジティブで終わらせる施策はよく使われます。
 もう1つの弱みは、脆弱性です。形があるから壊れます。有形コミュニティには帰属性が生まれるため、規範が生成されていきます。しかし、解釈がズレると、お互いが保身のために正しさの議論が生まれ、負のバトルに繋がることがあります。対策は、そうならない絶対的な規則か統率者を設けることです。ただし、それらとも折り合いが付かない場合はネガティブな離脱が発生します。場合によっては崩壊します。

無形コミュニティ

 無形コミュニティは逆です。それは界隈コミュニティです。〜さん界隈にいる人と表現されます。「私は〜さんと出会って人生がこうなったよ」というナラティブ(物語)が生まれます。コミュニティ担当者は、この人物ナラティブを狙った施策を打つことができます。
 強みと弱みは逆になります。明確な所属もなく、帰属意識は芽生えません。また界隈なのか微妙なラインに立つ人物も出てきます。そのため、団体行動として何か目標を持って成し遂げる体験は作りづらいと思います。
 出入り儀式も不要です。勝手にフェードアウトしても問題ありません。そして形もないので壊れません。意見が対立しても覇権争いする必要はなく、お互いが勝手に距離を取るでしょう。
 またふわっとした集まりで規則や義務は生まれづらいため、有形よりもアジリティ(俊敏性)とフレキシビリティ(柔軟性)を持って施策が打てるはずです。自由さや気楽さを意識した施策が当たる思います。一方で、中心人物の登場頻度が減るとコミュニティは停滞します。つまり、中心人物の寿命がコミュニティの寿命です。脆弱性をカバーする施策は不要だが、中心人物のモチベーション施策が大事になってきます。なお有形は中心人物ではなくコミュニティが主体になるので、中心人物を入れ替えて存続させることで半永久的な寿命を持つことが可能だと思います。(よしえさんのリプで刺激され本段落を追記)

ということで

どっちをトライしているのかコミュニティ担当者は意識しないと、施策は空振りするのではないかというブログでした。


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