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多汗症です

どうも、多汗症です。

母親より受け継ぎし多汗症。
高貴な血筋の多汗症。

だからと言って、めでたくはないです。


多汗症とは、読んで字のごとく、多く汗をかく症状のことです。捻りもない。

私はこの症状に、小さい頃から本当にほんと〜〜〜〜〜〜〜に悩まされています。

多汗と聞いて、どれくらいの汗の量を想像しますか。

………。

ぬるいね。
解像度が全く持って低いよ。

しっとり湿るくらいじゃないの。
汗の粒ができて腕を伝うんだよ。
スマホの画面にも、PCのキーボードにも水溜りができるんだよ。
出直してこい。

これだから世間様は。
多汗症に対しての認知度も理解度も低すぎる。

ということで、最後まで読んでちゃんとした理解を得てください。
私怨がこもってて、すみませんっす。



私が多汗症を自覚したのは、小学生の時です。随分と遡ります。

当時私はピアノを習っていて、小学校の音楽朝会でも伴奏をしたりしていました。

ピアノを弾いていると、嫌に指が滑るんです。鍵盤には水滴が乗っていて、そこで初めて自分が手汗をかいていることに気付きました。
発表会とか朝会での話だと思うでしょ?
いいえ、ピアノの先生宅でのレッスンの話です。

この時は自分が多汗症だとは知りません。適度な緊張感と、力の入った指先が、汗を出しているだけだと思いましたし、ピアノの先生からも、同じようなことを言われました。

次に困ったのが宿題です。
漢字の練習をしていると、右手首を置いていた部分が濡れているんです。せっかく書いた字も滲みます。
プリントなんか最悪です。濡れすぎて穴が空くんですもん。自分の右手首が穴を開けたプリントを乾かしていたら、母が乾いた笑いをこぼしました。上手いことせんでええねん。

「その手汗、ママの遺伝だ」

イデン?

遺伝でした。ママのせいです。
本当に嫌なとこばっか受け継ぎます。
劣等な優性遺伝子です。

ここで、自分の手汗が母譲りの多汗症だということを知りました。


自覚をすると症状が悪化するというのは風邪と一緒でしょうか。
ここから、多汗症は酷くなる一方です。
挙句の果てに母から「私よりも酷い」と言われました。

こういうのはさ〜、「私より身長が高くなって。ほろろ。」とか言われるシーンじゃないですか。
汗腺が成長してどうするんですか。
全然嬉しくないんですケド。

身長は母を追い越す前に止まりました。平均よりも低い私の身体に、母は今でもチーズを与え続けています。多分ね、もう伸びない。


多汗症を自覚して、年々酷くなる手汗を握りしめて、私は生きています。
一時はコンプレックスでした。

急な握手イベントは最悪です。
「では近くの人と手を繋いで」
とか言われてごらんなさい。
その途端に、たとえかいていなかったとしても手汗が滲んでくるんです。

仮にさらさらの状態で繋いだとしても
「今日そんなに酷くないじゃん」
と思った瞬間にドッと手汗をかくんです。
こういう運命(さだめ)です。

先程書いた、人前でピアノを発表する時は、手汗が嫌な働きをしてくれます。
緊張で手汗をかいて、その手汗が指先で冷えるんです。でも緊張してるからもっと手汗をかいて、それが冷えて。
指先は凍るように冷たいのに、手汗が止まらないという、人体の不思議を観察できるんです。本当に困るんでやめてください。


手汗をかくのは、何も、暑いとき・緊張しているときに限りません。
冬だろうが、家でスマホをいじっていようが、否応なしにかきます。
本やスマホを持っているときには、手のひらの汗が腕の方へ伝ってきますからね。

何かを持つときにも、何かを書くときにも、ハンカチ必須です。
雪の女王よろしく手袋を嵌めれば良いのかもしれませんが、生地がしっかりしていないと、手袋も浸水して染みてきます。汚ぇな。

私自身や家族は、それを見慣れているので何も言いませんが、友達に説明するのが大変です。

誰かに手元を見られているとき、手汗は大丈夫かなとか、誰かに物を渡すとき、手汗ついてないかなとか、神経を研ぎ澄ませます。疲れます。

さらに、手汗を見られたときには
「汗すごいね」
と高確率で言われます。

もう、してるよ!その下り!今までの人生で何回もやった!自覚してるし、指摘されるのハズいんだけど!?!?

と思いますが、相手にとっては私が初めての手汗モンスターです。
「そうなの、私手汗酷いんだよね」
と乾いた笑みを浮かべて返します。
さっきから笑声しか乾かないの、なんででしょう。

そんな手汗も、役立つことがあります。
なんだって〜?
レジ袋を開けるときです。
あれ開けるの、難しいですよね。

そういうとき、親からレジ袋開け係に任命されます。腕、いや、手汗の見せ所です。
はいよ、任せな!

…………。
こういうときに限って、手汗かかないんですよね。
砂漠の如き乾き具合。
な!ん!で!!!!

また乾いた笑声がこぼれます。
今くらいは湿っててほしかった。



そしてさらなる問題。
汗が酷いのは、手だけではありません。
足もです。

足の裏、めっちゃ汗かくんです。
足の裏にゴミが引っ付くレベル。そこらのコロコロよりゴミを引っ付かせます。役立ったことは無いです。
これは、まだ可愛い方。

酷いと自分の足汗によって、フローリングが突如スケート場へと変わります。
汗で滑るんです。
床や階段でコケそうになったのも、一度や二度じゃありません。普通に危ない。

ですので、四六中、靴下を着用しています。
例で挙げたの手袋のように、すぐに湿ってくるので一日に数回靴下を変えます。
靴下だけ、回転率が良いです。

母は家の中で靴下を履く習慣がなく、スリッパを履いていたので、妹(叔母さん)から
『シメシメスリッパ』
と言われていたそうです。
親子を経て、湿る被害物が、スリッパから靴下に変わりました。

同様に、夏場にサンダルが履けません。汗で濡れて歩くたびに、きゅっきゅっ言うから。
小さい子が履く靴と一緒です。
私が迷子になったら見つけやすいですね。

嫌なことを思い出しました。
私が一番嫌だったの、体育の授業です。
鉄棒とか、マット運動とか。
お察しいただけました?
滑るんですよ。

一人だけ技が出来なかったらどうしよう、じゃないんです。一人だけ手汗で滑って吹っ飛んだらどうしよう、なんです。成績の前に怪我の心配をしてました。

身体測定で、裸足になるじゃないですか。
あれも恥ずかしかったです。
私が歩いた部分が、足跡として濡れるんです。
クラスメイトに、「なんかここ濡れてる」と言われたこともあります。
ごめん、それ私の汗……。

そしてもう一つ。
顔面です。
顔面にも汗かくの!
顔面の汗はどうやったって隠せないじゃないですか。
朝、頑張ってメイクしても、歩いて最寄り駅に着いたらドロドロです。萎える。

それだけならまだしも、人前での発表では、鼻の頭と人中に汗が浮かびます。
照明でそこだけキラキラしてたりするのかな。ハイライトみたいに鼻が高く見えたりして。
ても、嬉しくありません。ちゃんと恥ずかしいです。
焦って乱暴に汗を拭うと、上唇のリップグロスも取れます。どう転んだって、見苦しいです。

マスクをしていても、汗によってマスクが皮膚に引っ付いてきます。

なんだかね。生きづらいです。
息もしづらい。



私の多汗症は、こんなもんです。
人によって、もっと軽症だったり重症だったりします。

皮膚科に相談したりしましたが、完治する方法は確立しておらず、手術を施したとて他の部位が汗っかきになる副作用があるそうです。
私はこの多汗から逃れられないのです。

もう受け入れます。大丈夫です。
共に生きていこうね。


もし皆さんの周りに汗っかきの人がいたら、指摘しないでやってください。
また、誰かが神妙な顔をして汗っかきであることを告白してきたときには、そんじょそこらの汗っかきと一緒にしないでください。
きっとその人は、あなたが思う数倍汗をかきます。
洗ってきたばっか?くらい手が濡れてます。舐めないでください。
舐めたらきっと、しょっぱいです。


画面が濡れてきたので、今日は終わります。
ちなみに、手汗のせいで、スマホ起動時の指紋認証が反応しません。

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