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ボーカリスト槇原敬之に学ぶJ-POPの秀逸曲#5 「Rain」

 私はこの曲を知らなかった。
 槇原のオリジナル曲と言われれば、そのまま信じていただろう。
 検索すると、秦基博(はた・もとひろ)が出て来た。

 私は秦基博をよく知らない。
 名前の字面だけは、見たことあるな、という程度だ。
 新海誠の『言の葉の庭』(2013年)のエンディングテーマだったのか。
 私はそのアニメ映画を視たことがあるのに、この曲はスルーしていた。
 しかし、ここで終わらなかった。
 秦基博のもカバー曲で、オリジナルは大江千里だったのだ。

 1988年の作品(作詞・作曲:大江千里)。
 大江千里はビジュアル的に〝歌う矢崎滋〟だと思っていたが、なかなか個性的な曲を作る。
 女々しい男を唄ってもヒットすることを証明してみせたのは、大江が先駆ではなかったか(そういえば槇原の初期の路線も同質だったかもしれない。「もう恋なんてしない」(1992年)など)。

 3つのバージョンのどれがもっともよいか。
 私は秦基博をとりたい。
 曲に対して声が、どうしようもなくマッチしていると思うからだ。
 評価の新しいパターンができてしまった。
 2-④「別のカバー曲の方が優れている」
 カバー曲の探索にはこういう展開もある。

(次回に続く)

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