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「好き」のつまみぐいで生きていく #未来のためにできること

「大きくなったら服のデザイナーになりたい」
10歳の時に学校の宿題で書いた「将来の夢」がテーマの作文の冒頭文だ。
これに対して親が一言書き添えるところまでが宿題だったのだが、母のコメントは「夢を応援しているよ」といった内容だった。

時は20年余り過ぎ、30歳を過ぎた現在。
私は2回の転職を経て、しがない零細企業で事務員として働いている。
大人になり就職が現実味を帯びるとともに、母は公務員や大手企業を薦めるばかりだった。
デザイナーの夢などとうの昔に捨て去っていたこともあり、親の期待に沿うべく20代の間は手堅い企業に勤めた。
いずれの企業も安定はしていたが、
「この仕事での経験って将来私の人生に何か良いことをもたらしてくれるのか?」
自問の日々が続き、30歳を目前に控えた年に転職先も見つけぬまま退職した。

無職になって間もなく見つけた、行きつけの飲食店の事務アルバイトの求人募集。
次の就職先が見つかるまでの繋ぎのつもりで始めたこの仕事が転機だった。
初めて自分の「好き」を決め手に選んだ職場では、一生無縁だと思っていた「仕事が楽しい」という経験を得て、そのまま社員になり現在3年が経とうとしている。

もっと「好き」に正直に生きていいのだ。
好きで取り組んだことが実を結び、喜びや新しい「好き」との出会いに繋がる。
そんなサイクルを一生続けていきたい!

週末だけ洋菓子屋でアルバイトをしたり、興味のあったwebデザインの勉強を始めたり、webサイトのライター求人に応募したり。
30代に入り、自分の「好き」にまっすぐに動くようになった。
「結局何になりたいの?」「広く浅く手を付ける三日坊主タイプなの?」と嘲る人もいると思う。
答えは「そうです、私はこれから一生夢がころころと替わる、ふわふわした人間です。」
勿論取り組んでも成果の出ないことだってある。
それでも「好き」への継続的な挑戦は、ひょんなことから思いがけない素敵な出会いに繋がるのだ。
そんなワクワクがひそむ未来のために、今「好き」に挑戦しないなんてもったいなさすぎる!

あれやこれやと「好き」が移り替わってもいい、うねうねふらふらするって実はそこまで悪くない。
「ピザ屋の彼女になってみたい」なんて椎名林檎みたいな大胆な夢を見るのも楽しそう。

今日、明日、1年後、もっと先、息絶えるまで。
持続的なより良い人生のために、今日も私は「好き」のつまみぐいしながら生きていく。

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