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「母原病」って知ってる?

長いです(^_^;)

まとまりありません。

若い方々は知らないよね。

1979年、久徳重盛氏が出版した著書のタイトルで、〜母親の育児下手が子どもに様々な病気・問題をひき起こしている〜と書かれていたのですが、当時ベストセラーとなり賛否両論社会問題にもなりました。

久徳氏は1997年に父原病も出版、さらに世の中には夫原病なるものまで出てきました。

ちなみに精神科医として紹介されていますが、もともとは小児喘息を専門に診ていた方ですが、不登校児童やひきこもりなども診ていました。

息子さんが2人いて、先代のクリニックを引き継いでいましたが、もともとの久徳クリニックは閉院となり、2020年4月〜当事務所すぐ近くに久徳医院が開院され、アレルギー科や小児科や心療内科を標榜しています。

 
ここまでは前振りでして……

 近年「毒親」というのが出回っていますが、これは1989年にアメリカの医療コンサルタントだったスーザンフォワード氏が出版した著書「毒になる親」が原点と言われています。

そのなかで、毒親とは「子どもの人生を支配し、子どもに害悪を及ぼす親」とされています。

信田さよ子氏は2008年に「母が重くてたまらない」、同年斉藤環氏は「母は娘の人生を支配する」、水島広子氏は2018年に「毒親の正体」を出版、毒親ブームともなりました。

これらは、日本で1980年代後半から1990年代にブームとなったアダルトチルドレンムーブメントの再燃のようでもありますが、アダルトチルドレンは自己規定と自尊心回復の問題ですが、毒親は他罰的な概念として広がり、どちらかというと「母原病」に近いと感じています。

さらに最近は親ガチャ、子ガチャ、家族ガチャなんて言われるようにもなっていますね(^_^;)

まぁ、その……、誤解を怖れずに言いますと、親というのは多かれ少なかれ「親という病」に冒されているものです(^_^;)

特に「お母さんという病」はなかなかの病ですね(^_^;)

お母さんという病の最大の問題はバウンダリーの曖昧さ(自分の問題と子どもの問題の区別ができない)と、それによる子どもへの強大な無意識的な期待と支配と言えます。

とはいえ、「お母さんという病」の片棒をかついでいるのが「お父さんという病」なんですが、これは鶏と卵みたいなんだよね。

また、夫婦関係の問題が親子関係に持ち込まれ、夫婦間葛藤の処理を子どもとの関係のなかで解消しようとしてしまう……とか、自分の劣等感や失敗を子どもを利用して埋め合わせようとしてしまう……なんてことはあたりまえにたくさんあることですね。

そうそう、親自身が自分の親との関係(養育環境)で未処理な問題が、自分の子どもとの関係に持ち込まれるということもあります。

 何にしろ、子どもにしたら迷惑千万なことですけど、子どもってのはこういうなかで逞しく育っていくんだね(^_^;)

実は親の支配性というのは複雜怪奇で巧妙で不可解で強力なのです。

 家族の抱える問題が表向きわかりやすく父親の問題(DV、アルコールや薬物やギャンブルや女性問題、働かない、借金他)であるとき、陰に隠れている厄介な問題が大変な苦労をし不幸でかわいそうな存在であるお母さんであることは珍しくありません(逆もあります)

多くは「子どものために、私がしっかりしなくちゃ……」というのが間違いのもとになっています(他にも様々な要因が絡まっています)

親の持つ過剰な責任感と罪悪感が判断を狂わせ、間違った行動に走らせます(これもあたりまえに起こることです)

また、親の偏った特性や価値観なども大きな影響を与えます。これは家族内だけの独特な謎のルールや役割となり、そこで育つ子どもに大きな影響を与えます。

親というものは、子どもに対し少なからず疚しさや罪悪感を持っていますが、そもそも子育てなんてものは間違えるものだし、子どもから「オヤっ?」と思われるくらいが調度良いし、例えば思春期の子どもに「クソババぁ、死ね!」とか「育て方間違えたオマエらのせいだ」と言われるようになったら、それは極めて順調ということです(^_^;)


子どもは親を困らせながら育っていくものです。

「困らせる」言動はパラドキシカルメッセージといわれ、そこにはボクを見てと、SOSと、バカヤローというメッセージが含まれています。

親には困ってもらわないと困るわけです(^_^;)

ま、いずれにせよ親の思うようにはならないものです。

子どもは親から漏れ出る、言葉とは裏腹のオーラ(表情やしぐさや声のトーンなど)を読みとり、そのダブルバインド(矛盾した二重拘束)に混乱し不安になりながら、自分がどうすべきか……というマインドリーディング(顔色をうかがうなど)を身につけていきます。

親というのは子どもに対し圧倒的な力を持っていて、厄介なのはほとんどの親が子どもに対し「自分が正しい」という誤った信念を押し付けてしまうのです。

 子どもの仕事は親を困らせながらちゃんと子どもをやる(わがまま言ったり、泣いたりわめいたり、駄々こねたり、甘えたり、拗ねたり……)ことなのですが、親の都合の良いような「おりこうさん」を求められ、子どもをすることに制約や禁止が多いと、子どもは思春期以後大人になってもやってこれなかった子どもをやって(不登校、ひきこもり、非行、自傷、食べ吐き、薬物問題、病気、他様々な問題)周囲を困らせます。

しかし、私たちはそういう人々に対しさらに「おりこう」を求めて、よってたかって治療だ更生だと言い出しますが、うまくいくはずがありません。

 
家族というのは絆とか愛とかではなく、ちょっとした配慮と思いやりが大切なんだね(お前が言うなって!?)

 親ってのは、そこそこご機嫌よくちょっと頼りなくいるというのがベターです。

 家ってのは安心してちょっとダメでいられるのがベターです。

 くれぐれも、ちゃんとした親なんて目指してはいけません(^_^;)

 

 

 

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