ドローンで起業

ドローンを活用して起業をしたい、というご相談があるので、自分用メモ。
例えば自動車運転免許を取得した人が、運転が大好きだから運転を仕事にしたいと考えたとします。仕事としては旅客輸送や貨物運送を選ぶかも知れません。そこにはすでに競合他社がいます。しかも運転を生業としたいだけなら、運送会社やタクシー会社に就職すれば目的は達成できてしまいます。自分が起業して取り組む意義や優位性を考える必要があります。

さてドローンです。ドローンは大きなニーズがあるが、すでに形成されている市場においての技術的な置き換えが大半。例えば橋梁や大型設備の点検はこれまでも生業としている事業者がおり、彼らもドローンの活用は進めています。彼らと顧客獲得競争をする必要があり、参入しようとする市場が大きくなるほど競争が激しくなります。ドローンを飛ばせるだけでは競争に勝つのは困難です。なぜなら彼らは点検業務に必要なノウハウを既に持っているのですから。彼らと渡り合うだけの業界知識があるのか、これまでの自分のやってきた事を振り返ってみて下さい。

またドローン自体がまだまだ性能が向上しています。今後、自律飛行能力が充分に向上すると、ドローン操縦者のニーズはひと段落し、操縦よりも自律飛行管理能力が求められるようになる可能性もあります。さらにドローンに関わる法整備はまだこれからです。先取りしようとして取り組んだ事業活動がルールの変更により出来なくなる可能性もあります。

中小企業基盤整備機構が業種別開業ガイド(J-net21)に記載したドローン起業の損益イメージ(https://j-net21.smrj.go.jp/startup/guide/service/20201124.html)では売上2,250万円、営業利益122万円です。これでは食べていけません。2020年の古い例ですし、鵜呑みにする事はありませんが。

ドローンに限らず、起業をされる方は、なぜ自分がそれを事業とすれば成功できるのか、内部環境・外部環境を客観的に整理してみましょう。






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