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夏の伯備線 Vol.1

大学生最後の夏、何かやり残したことはないかと考えた。
「夏の風景とかキレイに写してみたいなぁ」
先日、そこそこの値段のカメラを買い、被写体に飢えていた私は、好きな鉄道と夏の風景を合わせて撮ってみたいと思い立った。
そこで、被写体を探しに西へと向かった。

今回撮りに行くのは、岡山と出雲市を結ぶ特急列車「やくも号」。2年前の20歳の誕生日に、倒木による運転見合わせに遭い、2時間以上車内に閉じ込められたという、私にとって思い出深い列車である。

……

今回は青春18きっぷを利用し、普通列車で移動する予定である。何せ時間がかかるので、京都駅を朝5時に出発しなければならない。果たして起きられるのだろうか。

案の定、寝坊した。新幹線で追いかけることにした。旅行前日は、神経が高ぶって寝付けないのは、小学生の頃から変わらない。

それにしても、豪華な客室である。随所に木目調があしらわれ、普通車にも関わらず、2+2列の座席配置となっている。

新幹線「さくら号」で、岡山へ急ぐ。

岡山駅で本来乗るはずの列車に追いついた。すぐさま黄色い電車に飛び乗る。

岡山県の山あい、伯備線備中川面駅に到着した。この付近に撮影地がある。

この日は、全国的な猛暑。この近辺も気温38℃を観測していたようだ。
撮影ポイントには、何人かの鉄道ファンがカメラを構えていた。挨拶をして入れていただく。

踏切の音が鳴った。本日の主役、「やくも号」の登場である。

太陽が雲に隠れてしまった…。
そして、貫通路と電連を装備した先頭車…。クモハ381形500番台という改造車なのだが、「ダサかっこいい」を具現化したような顔つきである。

普通列車もやって来る。元マリンライナーの213系である。

今度のやくもはまずまず。太陽も雲から顔を出してくれた。ほぼオリジナルの381系である。
振り子装置で車体を傾けながらカーブを抜けてくる姿がカッコいい。

お昼過ぎ、次の撮影地へと向かう。
それにしても伯備線には変わった読み方の駅名が多い。

美袋、石蟹……。読めるはずがない。
なお、この先に「足立」駅があるが、これは忠実に「あしだち」と読むそうだ。

途中の新見で腹ごしらえ。駅を出てすぐの「きくや食堂」さんで「そば定食」をいただく。

食堂のテレビでは、終戦記念日のニュースを差し置いて、猛暑日がトップニュースとなっていた。地元浜松が39度を記録したのもここで知った。

……
(Vol.2へと続く)

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