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「丹後の海」に乗車

昨日、京丹後に行く用事があり、その帰りに「丹後の海」という特急列車に乗ってきた。実は、京都に住んでから早3年、ずーっと気になっていた列車だった。

私は、京都市の西部、JR嵯峨野線沿線に住んでいる。毎日、高架線の上を通勤電車や「きのさき号」のような特急電車が走っていく様を目にするのだが、ごくたまに変わった列車が走っていくことがある。

ディーゼルエンジンを唸らせて走る、紺色の列車...。毎回目の前を素通りするのを眺めているだけで、一度も乗ったことがなかったのである。

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それが今回乗車した、京都丹後鉄道KTR8000形である。愛称は、「丹後の海」で、主に京都と天橋立・舞鶴の間を走るディーゼル特急である。

もともと1996年に「タンゴディスカバリー」としてデビューし、2015年にリニューアルし、「丹後の海」となった。リニューアルのデザインを担当したのは水戸岡鋭治氏、JR九州の観光列車などで実績を上げているデザイナーである。水戸岡氏の作品をいくつかご紹介する。

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こちらは、特急列車。フランスの高速列車を思わせる外観である。

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これは普通列車の一角。彼のデザインの特徴に、木材の利用が挙げられる。

このように、水戸岡さんは鉄道車両の既成観念を崩す車両を送り出してきた。「丹後の海」の内外装もこれらに似ている。※リニューアル前の姿についてはこちらを参照されたい。

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こちらが「丹後の海」の座席である。随所に見られる木目調と奇抜なシートモケットが特徴的。丹後地方の名産品「丹後ちりめん」っぽい模様から、ヒョウ柄っぽいものもある。木材は難燃性の高いものが使用されているそうだ。

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青っぽいモケットのシートもある。

この車両のディーゼルカーなので、窓側の足元に配管が通っている。各座席肘掛けの部分にドリンクホルダー、前の座席に木製のインアームテーブルも装備されている。シート生地は柔らかめ。

少し気になったのはリクライニングの角度が浅いところと、背ずりの部分が凸凹していてホールド感に欠けるところだろうか。せっかく頭の部分にピローが装備されているのに、御利益が薄い気がした。

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夜になるとまた雰囲気が変わる。暖色系の照明を用いているのが効いているのだろう。京都行きの特急に乗っていることを忘れさせる「非日常」な内装である。「丹後の海」は、乗った瞬間に京丹後・若狭湾なのである。

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これだけ見たらどこかのカフェのよう。なお、車内販売の営業はない。

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車窓に見慣れた街が流れていく。非日常の列車から眺める日常の風景は、少々滑稽に見える。

乗った瞬間、京丹後・若狭湾。「海の京都」へ向かう際には、バスや普通の特急ではなく、「丹後の海」を利用されてみてはいかがだろうか。運行情報はこちらを参照されたい。

※若狭湾に行った記録に関しては写真が出揃い次第、お伝えしたい。

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