夏の伯備線 Vol.2
さて、新見で腹ごしらえを済ませ、さらに北へ向かう。次の目的地は鳥取県上石見(かみいわみ)駅である。
この愛くるしい顔をした黄色い電車は、伯備線の"主"である。実はこの列車、裏表で顔が異なる。
先ほどの食パンのような顔とは正反対に、彫りの深い顔である。こちらが本来の姿なのである。
伯備線の新見以北の普通列車は本数が少ない。時間帯によって4時間の間隔が空くこともある。
この布原駅は、普通列車でも通過してしまう小さな駅である。(芸備線直通列車のみ停車)
新郷駅を過ぎると、分水嶺を越え、高梁川とはお別れ。日本海へと注ぐ、日野川水系が旅のお供となる。
鳥取県最初の駅、上石見(かみいわみ)駅に到着した。伯耆(ほうき)国なのに上"石見"である。駅にはお好み焼き屋さんが併設されている。
駅の目の前には、旅館らしき建築。営業中なのかな?これは期待が持てる。
彼の名は、日南町の公式キャラクター「オッサンショウオ」。素っ裸のおじさんに見えた人は私だけではないはず。
伯備線の貨物列車は、伯耆大山にある製紙工場から紙を輸送している。この日のコンテナはなんとたったの6つ…。何両も繋いでいるイメージがあったので拍子抜けしてしまった。
パノラマグリーン車を先頭に、出雲市行きの「やくも」がやってきた。
この辺り一帯には、田園風景が広がっている。人間が野山を切り拓いて作った、里山である。
こんな景色を「良いなぁ」と感じてしまうのは、日本人の性だろうか。家々の屋根には赤い石州瓦が葺かれている。
1日2.5往復のみのディーゼル単行。
場所を変えて撮影。R300のキツい曲線も、振り子特急は難なく通過していく。
だいぶ日差しも和らいできた。一日中、陽に照らされた皮膚はすっかり火照っている。
夏らしい画を撮ることができた1日だった。何より、久々に鉄道と向き合うことができた。
やはり私は、鉄道が大好きなようだ。
…最後に終電を逃さなければ完璧な1日だったな。
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