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「そんな格好してる方が悪い」 について

韓国の人気DJが触られた事件、「そんな格好してる方が悪い」「自分から触られにいってる」「どんな格好しようと触る方がいけない」。 
と色んな意見が出ています。

この類の話は、昔からあります。
そして、必ずどちらが悪いかが論争になります。

「どんな状況であっても触る方が悪いけど、触られたくなかったらそういう格好しない方がいいよね」

これがベストの回答に思えますが、そうじゃないんですよね。

「触られたくなければ、そういう格好をしない方がいいよね」が、
一般論になってしまうと、じゃあそう言う格好をしてる人は触られる事を許容してるんですね となってしまうのです。
女性専用車両に乗ってない人は、痴漢許容なんですね、と同じ理論です。

だから、「どんな状況(格好)でも、触る方がいけない」とだけしか言えません。


しかし、これが最終結論になったところで、何の意味もありません。
どんな理由があっても泥棒はいけないよね と言った所で、泥棒を抑止できないのと同じです。

泥棒はいけないのでやめましょう、と言う対策はないのです。盗まれない様にする事が対策なのです。

そして、対策に、誰が悪いのかという概念を持ち込んでも意味がありません。

信号が青になって渡ろうとした時、車が来る気配があったから念の為一旦止まりました。別の人は、悪いのは信号無視した車の方なのだから自分が止まる必要はない、と言って横断してひかれました。車が悪いのは百も承知だけど、自分の身を守るためには譲歩するのが当然なわけです。

理論と現実をいっしょにしてはいけないのです。
正論で現実を解決する事はできないのです。

悪いのは泥棒の方なんだから、なんで私が防犯対策しなければいけないの?
悪いのは痴漢なんだから、なんで私が服装を改めなければいけないの?
上は「なんか変な事言ってる」と思われるのに、下は「そうだね」って言わないと世間から批判を受けるのが現実です。

だから、この問題は永遠に解けない様な気がします。
ただ、防犯の基本は、被害側が対策せざるを得ないという現実だけは頭にいれておくべきです。 正論では防ぎきれません。

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