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ハクチョウ

白鳥はどこから来て、どこへ向かうのか。
春から秋にかけてシベリアで生活し、冬は温暖な日本に飛来する。
もうすぐ日本での滞在も終わりを迎え、また飛び立っていく。
たまに空を飛んでいく白鳥の集団を見かけるが、いつも鳴いている。
だからすぐに白鳥だと気づく。

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この間、子どもたちと白鳥が飛来している川へ出かけた。
そこでは河川敷の袂で餌を捕まえたり、休んでいる白鳥が数十羽いた。
人も河川敷まで降りて白鳥から1m程度まで近づくことができた。
白鳥の餌を買って、子どもたちはそれを白鳥に振る舞った。
ただ、人間に慣れているせいか、餌に近づいてくる白鳥はいない。
人から与えられた餌よりも、自分で川に首を突っ込んで獲得する餌の方が数倍美味しいのだろう。
しばらく見ていると、白鳥は休むときに自分の体の上に首を乗せて目を閉じることに気づいた。
なんと器用なことか。
きっと餌を捕まえるために首が長く、休む時もその大事な首をしっかりと安定した体の上に乗せられるようになっているのだろう。
進化という過程の中で都合の良いように変わっていったのだ。
そうこうしているうちに買った餌も無くなったので帰ることにした。
この間に飛び立った白鳥はいなかった。

これからハクチョウは日本を飛び立ち、シベリアに向かう。
何千キロも離れたところへ向かうのだ。
その国は隣国に対して大きな不安をぶつけている。
とても冷たいことをしている。
世界がみんな仲良くできれば良いのに。
そんなことを思いつつもこの場にいてできることはない。
無事にハクチョウがその国まで渡れることを願う。
また来年も日本に飛来できるように。

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