ソシャゲ姉妹

「エアコン壊れたー」
片手にスマホを持った汗だくの女の子がシャツを脱ぎ捨て言った。
「お金無いよーーいっちゃん」
こちらも片手にスマホを持ちながら、麦茶をごくごくの女の子が言った。
「どうすんのーしもー。今月フリオくんのために８万突っ込んだばかりなのに、、」

現在38℃。猛烈な暑さとソシャゲのイベントに二人の姉妹が闘っていた。
姉は霜月、妹は愛美。

「しもは今回あんま課金してないよね。お金出してよー」
しもは麦茶を取りに行った。
「やめとけって言ったのに。限定フリオは確率すごい低いじゃん。しかも確保できず」
クシャクシャなシャツに着替えながら
「それを言うなしもーーーーーー！！！！」
大声でボロボロな家が崩れそうだ。
しもは麦茶をいっちゃんに出した。
「まあ、カリオが出ただけでも。イベ無双じゃん。暑いのはー、、、我慢」
いっちゃんは麦茶を一気飲みし
「エアコンは忘れる。課金じゃーーーーー」

パン工場でもらったパンだけの夕食。
「フリオくん出たから何でもおいしい！！！！！」
しもはフーーーーッとタバコを吹かした。