見出し画像

涙は飾りじゃないのなら

家に帰ってきて、汗でベタつく服を脱いでいたら、ふと懐かしい歌が頭に浮かんだ。懐かしいと言っても、自分はその世代じゃないから、当時の人気は知らないけれども、よく昔に流行った歌を流すような番組で流れていた。その歌詞の一節で、涙を真珠に例えている。

人魚の涙と言う名を持っているのだが、海で涙を流しても、同じ水分でどうやって固まっているのだろう? 水と油のように、分子間引力によって集まり、固まるのだろうか。それとも人魚の涙は、固形物として出てくるのだろうか。あの大きさとして出てくるなら、涙腺からは無理だと思う(人魚の顔面が、人間と同じと想定するならば)

祖母が私に残してくれた真珠のネックレスを思うならば、あの大きさだと鼻の穴が最適な大きさだと思う。と言う事は、真珠は涙ではなく、人魚の鼻から出てきた鼻垢なのではないだろうか。人間だと、副鼻腔炎で白い鼻水が出る。それが固まって真珠と呼ばれるようになっ────違う、そうじゃない。そんな夢のない話をしたいわけではない。

もし私の涙が、こぼれ落ちた後に真珠に変化するとしたら、おそらく泣ける動画を大量に漁って大量の真珠を生産し、販売するだろう。食べるものや、その日の体調によって真珠の質が変わるとするならば、日々健康的な生活を送り、最高品質の真珠を生み出すべく規則正しい生活をする。真珠の涙が、私の生活の糧になる。

ただ、一気に売りに出してしまうと、値崩れするおそれがあるので、高品質な真珠をタイミングよく販売しなければならない。しかし私にその才能があるかと言えば、ない。なので、信頼できる宝石商を探し、高品質な真珠を定期的に卸すと言う契約をして、お互いWin-Winな関係に持っていきたい。なんせ、私は普通にご飯を食べて、安心して眠れる家があって、調子が悪ければ病院に行ける、そんな生活でいい。元々ブランド物にも興味がないし、酒もタバコもしない。免許がないから車にも興味がない。趣味と言ったら、なんでか大量に買ってしまうトイレットペーパーと、ティッシュ。贅沢な物も食べない。と言うか、アレルギーで食べられない物がたくさんあるから、外食はできるだけしたくない。食事もあまり取らないので、母に付けられたあだ名が「省エネ小デブ」(でも甲状腺の薬飲むようになったから、小デブは解消される筈……!と言うか、既に1月に比べて10キロ落ちてる)

流れる涙が、私の稼ぎ方。そんな妄想をしつつ、真珠の価格を調べてみた。真珠は経年劣化しやすく、買取価格は低いそうだ。つまり、私はどれだけの涙を流せばいいのだろう? いくら泣けるネタが色々とあったとしても、同じネタで泣き続けられるか?  真珠の涙で生計を立てるのは、難しいのか?


所で、エルフの流す涙って、ルビーになるんじゃなかったっけ?



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?