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遠軽-いわき海星 2013年センバツ1回戦
遠軽(えんがる)町は、北海道の北東部にある人口18,000人ほど(2023年1月末現在、甲子園出場時は22,000人)の町。北見市のお隣です。
高校野球も強く、夏は2005・06年に北北海道大会で準優勝しています。
そして2011年も決勝まで勝ち上がってきました。相手は甲子園出場の本命と言われている強豪・白樺学園。前評判では、遠軽のほうが下です。
あと1勝で夢の甲子園ではありますが、佐藤貴之監督は気持ちが緩んでは勝てないと思い、「甲子園」を禁句にして目の前の試合に集中するよう呼びかけました。
試合はエース左腕・古越友章が連投の疲れからか球威も制球力も欠き、2回途中で降板するなど、0-5で遠軽が敗れています。
悔しさを乗り越えて、翌2012年も北北海道大会決勝まで勝ち上がってきました。相手はやはり甲子園出場の本命と言われている強豪・旭川工。前評判では、遠軽のほうが下です。
決勝戦の前日、前年の反省から佐藤監督は一転して、甲子園について大いに語り合うよう呼びかけました。
「何日目がいい」
「第何試合がいい」
楽しく語り合って甲子園のイメージを膨らませて試合に臨みましたが、1-2で遠軽が敗れています。
この試合では2点を追う9回裏に連打で無死1、2塁のチャンスを作りました。
バント嫌いの佐藤監督は打たせたかったのですが、以前からバントを使うよう選手たちから意見が多数出ていたこともあり、ここは選手の要望に応じる形で送りバントで1死2、3塁とランナーを進めています。
9番東海林航の犠牲フライで1点を返しますが、反撃はそれで終わってしまいました。
惜しくも甲子園初出場を逃した佐藤監督は、
「願いはなかなかかなわないものですね」
とガックリした表情で報道陣の問いかけに答えています。
夏休みには監督と選手たちで何度もミーティングを行い、こういう結論に至りました。
「秋は全道大会で優勝して甲子園に出場する」
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