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駒大苫小牧-青森山田 2006年夏の甲子園3回戦

57年ぶりの甲子園夏連覇という大偉業を成し遂げた駒大苫小牧は、その後1年にわたって試練に苦しめられます。
その試練を乗り越え、再び甲子園までやって来ました。それだけでも素晴らしいことですが、今回もまた快進撃を見せてくれます。

甲子園に入ってからのエース・田中将大は胃腸炎に苦しみ、初戦の2回戦、南陽工(山口)戦では14三振を奪って3失点完投したものの、被安打7に与四球6。
165球を要しており、私が見た中では1、2を争うくらい絶不調モードでした。

3回戦では田中の先発を回避し、背番号13・3年生左腕の岡田雅寛を送り込みます。
左のスリークォーターから130キロ台中盤の直球に、スライダー・カーブも制球良く投げ込んでくる投手です。
岡田は前年夏の甲子園ではベンチ入りするも出番なし。国体で3試合、神宮で2試合の公式戦登板経験がありますが、実は甲子園初マウンドでした。

田中の疲労や体調を考慮したのはもちろんですが、香田誉士史監督にはもうひとつの狙いがありました。
それは、田中ありきのチームからの脱却です。

前チームでも甲子園優勝に貢献した田中は、新チームではキャプテンを務めますが、あまりにも田中に注目が集まりすぎた上に、試合でも田中に依存する度合いが高くなってしまいました。
そこを是正すべく、夏の南北海道大会終了後にキャプテンを田中から本間篤史に交代し、そして甲子園3回戦ではとうとう田中を先発から外すという荒療治に打って出たのです。
結果はどう出るでしょうか?

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