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帯広大谷-福井商 2013年夏の甲子園1回戦

北北海道大会決勝は、帯広大谷-旭川南!

時効だから書いちゃいますが、この組み合わせになったときは「これは甲子園では大敗かな・・・」と思ったものです。
準決勝では旭川南が帯広三条を、帯広大谷が旭川龍谷を破っています。
旭川龍谷は、プロ注目左腕・大橋寛章と本格派右腕・佐藤涼磨を擁するチームで、甲子園でもそこそこやれたんじゃないかと思っています。
帯広三条にはプロ注目とまでは言えないものの、小気味良い投球を見せてくれる好投手・森川快刀がいました。

ところが、高校野球は大人たちの計算通りにいかないのが魅力のひとつ。
旭川南は3年生左腕・辻本響が1人で投げ抜くチームですが、とても甲子園で通用するとは思えませんし、野手にもこれといったストロングポイントが見出せません。
帯広大谷は打線がまずまずなのですが、投手陣に決め手がなく、甲子園では2ケタ失点しそうな気配が漂います。

「甲子園で勝つ」ということだけを考えると、たいへん都合の悪い決勝戦です。
しかし、それはそれで良いのです。力のないチームが知恵を振り絞って、強豪に立ち向かう姿もまた美しいもの。

強豪県だと甲子園で初戦敗退でもしようものなら「ふざけんな」となりそうなところですが、北海道民は初戦敗退の試合を楽しむすべを身につけています。そうでなきゃ、甲子園なんて見られないんですよ 笑
前述の通り、ここ数年の北北海道勢は前評判の高い高校ばかりが甲子園に出場していましたが、たまにはこういうのも悪くないでしょう。

決勝は4-3で帯広大谷が勝利し、甲子園初出場を決めました。
帯広大谷は、この旭川南戦を応援するために飛行機で応援に駆け付けた杉浦稔大(当時国学院大のエース、現日本ハム)を擁した2009年のほうが前評判が高かったですが、この2013年は10番手くらいの評価でした。
主将を務める杉浦大斗は、彼の弟です。今大会の開会式では選手宣誓も務めました。
さらに捕手の権藤智希は、権藤博(元横浜ベイスターズ監督)氏の親戚に当たります。父と権藤博氏がいとこという関係です。

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