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【Youtubeに解説動画もあります!】東海大学医学部 物理 2022年度 大問1


□東海大学医学部 物理 2022年度大問1講評

解説動画はこちら!

単元は「力学」です。力のモーメントに対する正しい理解が必要なことと、数学の「三角関数」を用いた図形的性質に着目して解くべき問題です!
(難易度としては難しめなので、(5)ははじめから飛ばすべき、状況によって行き詰まったら大問2以降を解くことを強く勧めます!)
基準となる解答時間は15分。力学を得点源に合格点を超える点数を取りたい生徒は20分かけていいと考えていますが、計算量も非常に多いため、後回しで解くようにしていくといいでしょう。

問題を解く上でのポイント

①図形の性質を使いこなすこと

(1)の計算から、かなり複雑な図形の計算が登場します。重要なことは、「距離を水平方向の距離」にしてモーメントで計算すること。こうすることで、向心方向に垂直な力に直さなくて済むので、計算が楽になります!

大問1(1)計算

②重心の捉え方

正三角形ABCの、Aの位置に質量2mの質点、BとCの位置に質量mの質点があるため、重心はちょうど、「BCの垂直二等分線上」に存在するはずです。
その直線上の重心を考えると、BCの垂直二等分線とBCの交点をDとするとき、
「Dに質量2m」があると捉えて考えることができるため、重心はADの中点になることが分かります。これを用いると、図形的に解決しますね!

大問1(2)重心の位置

③「安定する」とは?(少しずらしてもつりあいの状態を中心とする単振動をする状態とは?)

結論から言えば、「重心が支点より鉛直下向き」にあれば「安定する」状態になります。この状態になることを実際の解答時間で精査して解くことができるかが勝負の分かれ目です。

大問1(3)(4)「安定する」状態

④(5)の計算

基本的には「飛ばしていい」問題。とはいえ、物理的なセンスを磨く上では試験時間内に解くことができなくても「こう読み取れるのか!」という気づきが重要ですので、こちらの解説をぜひ読んでください!
図の中で、Oが支点である。質点をAC上に加える場合、「現在の重心」とのモーメントのつり合いで考えることから、直線OG上にも存在しないとならず、結果、直線ACと直線OGの交点に質量を追加していくべきであることがわかる。

大問1(5)の計算

その他のポイント

解説を細かくは行っていない動画ですので、そのほか注意点をこちらに載せます。

・「つり合い」と「安定する」の違いの詳細

問題にも記載があったが、「安定する」は微小変化を行うと、つり合いの状態を中心として単振動を行うことができる。ただ「つり合い」はそうではない。たとえば「広げた手のひらの上に傘を立てて、何秒持たせられるか?」の遊びは、力を釣り合わせようとするものの、一度倒れたら立たないはずであり、このような状態は(傘も手のひらも動いていない状態では)「つり合い」ではあるが、「安定する」とは言えない状態である。

・(4)代入すると分母が0?!

(4)では、(1)で求めた$${\tan \theta}$$の式に質量をそれぞれ代入すると、分母が0となってしまう。それは「定義できない$${\tan \theta}$$の値が存在してしまうからである」から、「逆にその時の値になるべきではないか?」と考えが至れば答えが出てくるものである。計算結果としてあり得ないものになってしまったとしても、こうではないか?と逆にヒントを得て解けるようになっておきましょう!


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