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沼津に「聖地移住」2カ月 所感とギャップの話 【今日スペースやります】

23日で沼津に「聖地移住」してからはや2カ月となりました。

三十路を迎えた妻子持ちラブライバーの一大決断(https://note.com/iju_numazu1122/n/n33ee474673e7)は序盤戦が始まったばかりですが、移住を今後考えている方、特に子育てしている人、カップルなんかにも見てもらえると嬉しいかなという所感と実際に生活してみたギャップの話になります。

スペースの宣伝(3月23日)


23日、件の聖地移住スペースにゲスト参加します。割と好き勝手言うつもり(おいw)なので、ぜひご視聴ください!


◆いろいろあるけど圧倒的に幸せ◆

結論から言えば、沼津に移住していろいろトラブルもあったけど本当に良かったと思います。幸せです。

記者時代、というか人生30年生きてきた関西も好きなのですが、ラブライブ!サンシャイン‼に限らず沼津の変化する街並み、食、自然、どれをとっても僕にはやはり魅力的で、オタ活も困らないので、本当に毎日いろいろ楽しいです。

辛いことがあった時、ふと見上げたら真っ白に染まった富士の山見るじゃないですか。何か本当に気持ちが落ち着くんですよね。長井崎から見た内浦の湾。美しいんですよね。

そんなこんなで隣の芝生は青く見える状態もあったかもしれませんが、移住は今のところ間違いじゃなかったなと確信をもって言えます。では、次の章からは移住してみてわかったこと、良かったなと思った点から話していきます。ちょっと魅力についてはこれが抜けてるぞーってのがあるかもしれないけど、許してください(笑)


◆移住してわかった 沼津はいいぞ◆

①非日常が意外と続く

よく聖地移住で言われるのが、「非日常から日常に変わる」という言葉。聖地巡礼という非日常空間を楽しむところから通勤や通学の日常になり、その安心感を楽しむ一方新鮮さや非日常性は失われるという話です。

ただ、これだけいろいろなところが染まっている街は他にないんですよね。日本ツッツウラウラムッシュムラムラどこ行っても。正直毎日が発見なので、めちゃくちゃ楽しいです。4月からは仕事も本格的に動くので、まあ日常は強まりますが、それでも、聖地化がここまで進んでいると非日常の発見の日々は続くと思います。

②富士山は意外と飽きない

「富士山は2カ月で飽きるよ」「富士山は3日で…」。地元の人というか転勤族の人なんかだとこういう表現をしてくることもあると思います。まあそのうち確かに見慣れるとは思うのですが、意外と見ていて飽きないんですよね、日本一のツンデレ山。

あーたまーをくーもーのうーえにーだーしー♪で知られる富士山、やはり雪化粧は魅力なのですが、少しずつ季節ごとや天候ごとに変化していく様も楽しく、ちょっと育児やもろもろで疲れた時に見上げると立派に立ってやがるんですよね。何か燃えてくるものがありまして。日本人として奮い立たされるものが富士山にあるのでしょう。なんだかんだいまだに富士山見てると楽しいです。見方も沼津市内だけでもいろいろありますしね。

③スーパーも意外と色々楽しめる

全国で最もスーパー激戦区なのは、大阪です。本当に安くていいものが揃います。沼津はスーパーは選ばなければあるという程度の回答を役所に移住相談したときはもらっていたので、どうなんだろうという不安もありました。でもこれが一番杞憂に終わり、良い意味でギャップがあったかなと思います。

車社会なので、車の利用が大前提ですが、それでも南北に多士済々。農産物水産物の産地でもあるため、地物も多く、品質が高い中で各スーパーがしのぎを削っていますので、魅力的な品が多いなと感じます。あと奥さん、安心してください、(店によっては24時間)あいていますよ。

④海鮮、お茶、果物、そしてビールとジン、ちょっとお金を出せば100倍になって返ってくる。

沼津港で水揚げされた新鮮な海の幸ややたら市販品にしてはうまい「ぬまっちゃ」、みかんやいちご…この辺は安定なのですが、静岡東部は全国屈指のクラフトビール激戦区で巡礼時代からほぼ聖地というよりそれ楽しみに来ていました(笑)。レイジーマスターのクラフトジンもフレーバーが挑戦的でめっちゃ好きなんですよね。

全部ちょっと高いです。けど満足度は値段の100倍です。沼津のグルメも似た感じです。安くはないけどちょっと出したらめっちゃうまい。同じ半島の和歌山に住んでいたころも似たような魅力はあったなあと思いつつ、クラフトビールの強みは唯一無二になりつつあります。

⑤首都圏が程よく近く推し事できる

これはイベント系オタクとしては必須条件、都会が近いという強みを沼津はぎりぎり味わえます。今月末のµ’sのイベントもギリギリ終電で帰れますし。

日帰りで東京に行けますから、どうしても推し活したいなというとき、意外と気軽に行けるのはオタクにとってありがたいですね。旅程が組みやすくなります。

⑥なんだかんだめちゃくちゃ人が温かい土地柄

これは特に子育てをしている人にとっては言えると思いますが、子供つれて歩いていると、みんなニコニコしているし、おばさま方中心に話しかけてくれるし、スーパーで困ってるときちょっと助けてくれるし、本当に温かい街だなと思います。

大阪は大阪でキッツい奴もいるけど、懐深くまで入る人情の街でそれはそれで好きなのですが、沼津の人は一見つっけんどんに見えても実はいろいろ考えてくれていることが多いなという印象ですね。田舎は割とそういうところも多い気はしますが、関西が懐に入ってき過ぎなんですよね(笑)。

前住んでいた樟葉は子連れだらけでしたが、こちらは子供の数も多いわけではないので、子供、特に小さい子を見る大人の表情が柔らかいし優しいし、子供生まれてくれてよかったなあと思えますね。

保育園の先生も融通利かせてくれるし優しいし、人は本当に素晴らしい街です。

結果的に子連れ移住したから地元の人話す機会も増えているので、その点は我が子に感謝です。

⑦住んでから生み育てるには環境も充実

少し奥歯に物が挟まったような表現ですが、理由は後述。実際に住む前は結構隣町の長泉町が子育て先進地域的な言われ方をしていたのですが、正直今となっては東部の自治体はどこもほぼ同列で子育て世帯に手厚い制度があります。

医療費タダ(フリーライドするから僕は500円とった方がいいと思う)は当然ありますし、サンウェルぬまづや子育て支援センター「ぽっぽ」を筆頭に子供を遊ばせる場所や一時預かりの施設を沼津は市営で充実させています。

ただ、僕は前者を「沼住クエスト」で教えてもらいました(笑)。物や制度はあるのにソフト面や広報面がちゃんとしていない、使われないというのは沼津市っぽい感じですね。

ちゃんとリサーチをすれば、子供が楽しめる場所や預ける場所なども意外とありますし利用できるくらいには空いていたりするので、積極的に利用することをお勧めしたいですね。

あと、育休を取ると沼津の保育所は翌月末までに職場復帰をするタイミングで入園できます。つまり、育休明けの慣れ保育は制度上めっちゃ楽です!保育園見つからんけど…

これは枚方市は糞みたいな制度で当月しかダメという他市に後れを取っていたので、沼津に来て一番ありがたい制度だなと思っています。

⑧案外地方だけど地方的な縛りはない

「郷に入っては郷に従え」。これは地方移住の鉄則とされますが、特に慣習的なものに関しては文句ばっかり言うなよという話だというのがこれの主な意味と理解しています。その点僕は駅北側に住んでいるのもあるのかもしれませんが、この地独特のルールというのはあまりないですね。

ゴミ分別の沼津方式における負担も賃貸住まいだと特に大きくは影響はないです。正直もうちょっと地元縛りがあった方が、コミュニティに参加できるので、その点は少し悩ましいところともいえます。

⑨商店街、リノベ系、民間中心に意外と元気な地方都市

沼津の商店街、それなりに元気です。地方都市に行くと、とくに中核市レベルだと寂れてなんぼというところが一般的になりつつありますが、沼津の商店街は元気なところも多く、やる気がある商店街はやる気があります(進次郎⁉)。リノベーションまちづくりも進んでいて、遊休不動産の活用や新規店舗も少しずつ動いているし、元々産業誘致で意外と社会的にも重要な企業が進出していたりします。流出している面も少しありますが、革新市政的なものももう懲りたでしょうし、ごみ処理場も新設予定ですし、障壁は減りつつあるのかなと思います。

ただ、転勤族転入層へのアプローチが弱いというか、もう少し市としてラブライブゴリ押ししてもいいと思う面もありますね、駅北の産業集積地の企業には「ラブライブ?なんか流行ってるらしいねふーん」で終わっちゃっているところもあり、駅北企業、まちづくり系の団体、駅南中心の商店街の連動というところもあまり見られないので、そこは市がもっと主体的に動くべきかなと思っています。鉄は熱いうちに打てという話です。

 

メンバー数に合わせて9つ良い点挙げてみました。聖地移住に限らず、子育て移住を考える上でも少しは参考になるのではないかなと思います。

次はちょっと思ってたよりも大変だなという所を何点かピックアップします。

 

◆正直懐事情厳しいぬまづ暮らし◆

小見出しド直球だな(笑)。それでは列挙していきます。

①大阪より安い賃金、高い光熱費

賃金についてはまあ皆さん移住する上で同等水準を求めることはさすがにないと思いますので、そら低いやろという話なのですが光熱費が高いです。

なぜならば、ガスは一部除きLPが主流で原油高を問答無用で価格転嫁しており賃貸によっては業者も完全に固定で殿様商売状態。電気は富士川以東はまさかの中部電力ではなく東京電力なので反原発の亡霊に苦しめられいまだに高い。それに比して水は琵琶湖(淀川)と柿田川の違い、そんなに値段変わらず。結果的にガスのおかげで1万円近く高いです…。

光熱費はまあガスは少し高いけど全体的には安くなるんじゃないですかねえ…みたいなことを役所で言われて鵜呑みにしていたのが僕です(笑)。住む前に覚悟したかったなあ…役所は少し外部人材入れた方がいいとつくづく思います。

②不動産仲介、不動産管理も殿様商売

これはまあ地方あるあるなのですが、不動産仲介も地元の特定業者が強く、そのうえ土地をやたら特定の業者が管理していて融通が利きません。値段や賃貸管理含めて。沼津は曲がりなりにも東海道の要所ですし多少はましなのかなと思っていたのですが、そこは残念ながら田舎です。

一人暮らしはまあいろいろ条件下げて下げる方法もありますが、家族で借りるとなると、正直物価や賃金に比べて不動産相場は割高です。うちは今13万(会社補助は半額あり)なのですが、樟葉だと10万でいろいろまとまってそろった物件があったので、意外とコスパ変わらなくて驚いています。

仲介料もとくに安くないし、値段交渉も貸主圧倒的有利。管理会社は18時まで(笑)。何かあったら詰みます。

家自体はとても良いので、ここしかないなあと思ったのですが、不動産仲介は各社「ぬまづ暮らしオススメ隊」に入って役所のお墨付きを得ている割に、移住者への特段のサービスもありません。この制度はあえて取り繕わずに言うと、一刻も早く変えないと無料でお墨付きをいくらでも与えるトンデモ制度になっています。

③「待機児童ゼロ」のからくり、子連れ移住への対応は微妙

まず園見学から驚きました。公立園は園見学がまともにできません。まだコロナ対応を引きずって外から眺めます(笑)。園庭解放という曜日が決まっているものにしか行けないので、それは外から移住する身はなかなかそれに合わせてはいけないので運ゲーです。

加えて猛烈に2~3月に市の当該部署ともめ倒したので、その事はあえて割愛しますが、基本的に保育所が偏在していて、希望する保育所にはなかなか入れません。

その上で、普通の夫婦が子連れ移住してくると育休加点なし、生活保護やひとり親加点もなしで保育所戦争に負け続けます。

そして役所は平気で複数応募を促してきますが、これも通える範囲にできるだけ絞らないと本当にえらい目に遭います。

待機施設への進出を決めると、その時点ですべて希望変えれないので、3月4月連チャン慣れ保育という仕事すんなモードを役所が平気で生み出してきます。

で、4月に微妙に遠いところでも行かざるを得なくなり、移住者は往々にして転職も地元にするので、てんやわんやです。

沼津に住んでから子供を生むのはそれなりに猶予があるのですが、移住と共にとなると、正直ハードモードでした。

あと意外と市の広報はスリムで、子供関係の行事とか市の施設のものでもそこまで載っていません。親同士のつながりもどうやって作っていくかは保育所に正式に入ってから考えるしかない面も大きいですね。

何かと子連れ移住していて思うのは、沼津市の子育て施策は制度が立派で細かなサービスに欠ける、穴が多いことでしょうか。はっきり言って、これは失望しました。

 ④地元産業は理系圧倒的優位

ここはうちは奥さんが理系でよくわかったのですが、特に産業構造的な問題から理系人材が圧倒的に求められているし、そうなると多くの女性はまあ都会出るよね~という感じでなかなか難しい問題があります。

文系の就職先限られているので、そこは本当にかなり定住しようとなると考えものです。IT系も元からやってりゃいいのですが、そうもいかないし…。

まあ僕は結論何とかなったのでよかったですが。

⑤沼津方式は意外と普通…もビン月1回はさすがに無茶

ゴミの分別が厳しいとのイメージ先行する沼津市。ぬまづの宝にも選ばれたゴミの分別方式「沼津方式」ですが、いわば昭和の革新市政とその後の事なかれ市政のツケで中間処理場の先送りのため、ごみの分別の必要を迫られて生まれました。隣人の沼津在住60年のおばあちゃんが普通にゴミの分別が厳しすぎると苦言を呈していました(笑)。

そもそも寡聞にして評価する声を聞きませんが…ぬまづの宝最大のミステリーです。

とはいえ、実際は分別はもう各地でよくやっていますからね、資源ごみ以外はそこまで苦労しません。安心してください。

資源ごみは面倒です。缶やペットボトルもいちいち分けてゴミ箱作ってられないので、現場で分ける派です。ただ特に月1なのに、街中に回収ボックスがなく絶対に捨てないと1カ月持ち越しになるビンゴミは解せません。とりあえずできるだけビンゴミ作らないようにしましょう。

有料で回収業者に出すしかないとか、どんな利権だよと(笑)。

ちょっといい飲み物もビンでやられると後が面倒になるんですよね、これのせいで。

⑥ミルク派ママは街中が大変

これは巡礼時にちょくちょく抱えていた問題でしたので、ふと入れてみました。

沼津は全体として授乳スポットが限られます。とくにお湯が利用でたり離乳食が食べられたりという商業施設に入っているような立派なものは今ではららぽーと沼津くらいです。

住むうえでは家でやればいいやという話なのですが、観光港化している沼津港にもきっちりしたものはなく、駅南は駅前の「ぽっぽ」でお湯を貸し出してもらうくらいしか方法がないんですよね。夏場とかは本当に辛い。百貨店がないことのデメリットはこういうところに出てくるのだなと思います。

ある意味飲食店などでお湯やレンチンを可能にしてもらえた理、そういった店を市がまとめたりしてPRするのは一策でしょう。

土日にららぽーと行って大混雑で疲れ切ってミルクも離乳食も…となると地獄絵図ですからね、早くイオンできないかな…イオン嫌いだけどイオン好きになるよ僕。

⑦帰属意識低いのは一部市民だけじゃなく市も?

最後はまあ別に移住者個々人に影響は直接的にないと思いますが、基本的に東京志向で帰属意識が低い人が少なくない街だなと思います。

移住者からすると沼津の魅力っていろいろあるわけじゃないですか。でも、何もない、富士山は飽きる、深海だけ、めぼしいものがないとか沼津に住む人(転入で移り住んできた人がメインかな?)が言うのはさみしいしそれが街のイメージを落とすことにもなります。

沼津市の職員が地元に移ってきた人に窓口から何からもっと沼津は「○○というところがあってよいですよ~」とさりげなくでいいので、PRしてほしいんですよね。市長だけでじゃなく市職員はある種よそ者から見ればスポークスマンなので、そこの意識は一般の市民よりも持っておく必要があると思います。

あと、田舎の役所だから否定はしないけど、東部の人間を新卒で入れて外を知ることなく年功序列でというやり方が顕著なので、いろいろ値打ちこいて動きが遅い面があるんですよね。

別にその人たち中心でいいから、もっと中途人材、民間人材で沼津が好きな人を市外県外から取り入れていかないと、頑張ってる民間の足を引っ張りかねないなと危惧しています。

◆ぬまづ暮らしはいいぞ◆

さて、いろいろと書きましたが、実際生活してみると、「移住したいと思ったら移住した方がいいよ」と思いました。楽しいです本当に。毎日いろいろあって疲れるけど移住に後悔はないです。特に自分以外にも責任を持たないといけない立場になる前に行くのが現状ではベストかなと思います。

ただ、家族移住はまだ沼津市としても考慮できていないことが多いと思うので、これから変わっていくことを願っています。

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