【4.1.4】「セルフマネジメント」の多くの誤解!(So many misconceptions!)

※ティール組織の著者Frederic Laloux によるINSIGHTS FOR THE JOURNEYの日本語訳の個人的なメモを公開しています。
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■元のURL
https://thejourney.reinventingorganizations.com/414.html

■翻訳メモ
残念ながら、あなたが「セルフマネジメント」について話をしても、それを聞いたほとんどの人が間違った認識で話を始めてしまいます。「セルフマネジメント」を目指す場合、その旅には多くの学び直しが必要だということこそが重要なのですが、なかなかそういう話にはなってこないようです。「セルフマネジメント」のことを聞いても、ほとんどの人は正しく理解していないということです。わざわざ強調する必要があるほどに、「セルフマネジメント」を誤って捉えたばっかりに、スタートで方向を間違った組織を、私は数多く見てきました。そういう組織も、数カ月後に、その誤解に気づくのですが、その時点から引き返すと、かなりの痛みが伴うことになります。「セルフマネジメント」を、なぜ間違ったイメージでとらえてしまうのか、私にとってはとても興味深いことです。誤解して捉えてしまうこと自体、そこには根源的な合理性が潜んでいるように思うからです。

私たちは皆、程度の差こそあれ、幼少期に何年にもわたって、教師に権力が集まった学校制度に苦しんできたはずです。そして、その仕組みは、組織における上司といった支配的な仕組みとも共通しています。その苦しみに対して、私たちは、楽しくないというイメージを持ちながらも、他よりはまし、と思い対処してきたに違いないのです。そういった窮屈な制度に代わるものがあるとしたら、人間は皆、利己的で怠惰であるといった、「蠅の王」を読んだことがある人ならわかると思いますが、つまり、それはカオスの状態のことです。なので、カオスの状態よりもまし、ということで、すでに機能している制度を受け入れてしまうのです。

1960年代から70年代にかけて、古い権威主義的なシステムに反抗した人たちの最初の波があったことは事実ですが、「セルフマネジメント」の誤解を防ぐという文脈では、結果的に、何の役にも立ちませんでした。彼らはただ何もかも捨ててしまっただけで、結局、うまくいかず、カオスを生み出しただけでした。彼らは、「セルフマネジメント」とは、単にすべての構造を取り去ればいいと誤解していたのです。そして、実際には、彼らの活動の跡に沿って新しい構造ができ、結局は、構造が置き換わっただけになりました。1960年代から70年代のヒッピーたちの活動を通して、好きではないが機能している権威システムを選ぶか、明らかに機能していないカオスの状態を選ぶか、私たちの選択肢は、それらの二択であるという考えが強化されてしまったのです。

「セルフマネジメント」とは何かという誤解は1つだけではありません。それらは数多くあります。私はこの後、私が見た最も重要な6つの誤解について話すために、6本のビデオを撮影する予定です。というのも、「セルフマネジメント」に向けた旅の最初の段階において、こうした誤解を知った上で話し続けることが、皆さんの重要な役割の1つだと思うからです。

ひとつ確実に言えることは、あなたが組織内で「セルフマネジメント」について話すと、必ず、多くの人が間違ったイメージを抱くということです。そこで、「セルフマネジメント」とは何か、「セルフマネジメント」でないものは何か、何度も語り続け、こうした誤解を解いていくことこそが重要です。つまり、それを可能にするのが、「セルフマネジメントとは何か?」という、次回から紹介する内容なのです。それを見た後は、その6つをポスターにして会議室の壁に貼りだすのもいいかもしれませんね。掲示物は、繰り返し見ることができるので定着させるにはとても役に立つアイテムです。会議の中で、我々は誤解に陥っているかもしれない、というような意見が出るなど期待ができます。要は、あなただけでなく、「セルフマネジメント」に関係するすべての人がその取り組みに加わらなければなりません。それができれば、他の多くの組織で見られるような、何を目指しているのかを見失い、半年や1年後に本当につらい再出発調整をすることもなく、正しい方向を向いてスタートを切ることができるようになるのです。

ということで、次のビデオでは、このような誤解の数々についてお話します。


■お願い
動画の最後にもあるとおり、この取り組みはすべてギフトエコノミーによって成り立っています。
この取り組みを支援されたい方は、以下のリンクからLalouxへのご支援をお願い致します。
https://thejourney.reinventingorganizations.com/in-the-gift.html

■翻訳メモの全体の目次
https://note.mu/enflow/n/n51b86f9d3e39?magazine_key=m3eeb37d63ed1

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