【4.2.2】「セルフマネジメント」という言葉を使う?(Use the term "self-management"?)

※ティール組織の著者Frederic Laloux によるINSIGHTS FOR THE JOURNEYの日本語訳の個人的なメモを公開しています。
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■元のURL
https://thejourney.reinventingorganizations.com/422.html

■翻訳メモ
前回のビデオでは、「セルフマネジメント」でどこまで行きたいか、そして、その準備ができているか、という質問をしました。今回は、「セルフマネジメント」に向かうスタートを、今、まさに切ろうとしている状況だという想定で話を進めていきます。すると、次は、それについて、組織のメンバーにどのように話をするかということが問題になってきます。というのも、私は、その言葉の使用を禁止した例を聞いたことがあります。「セルフマネジメント」以外にも、「自己組織化」、「フラットな組織」、「ボスレス組織」などが禁止ワードに含まれたそうです。聞くところによると、彼らが「セルフマネジメント」を始めようとした時、社員の間では、多くの恐れや誤解、そして失望がまき起こりました。また、それらが原因で抵抗勢力との間に軋轢も生じました。そして、彼らは、そのような状況を生み出したのは、それらの単語を使ったせいだと結論付けました。彼らの組織は、かなり大きな組織であったがために、それらの言葉を使って、発表も大規模にしなければならなかったという理由はありました。「セルフマネジメント」はすべての層にまで行き届くことで初めて機能するものです。それゆえ、そこに至るまでの個人の変化は、長い時間待たなければならない場合があります。実際に多く人は、自らが勝手に妄想を膨らまし、そして、それに失望してしまうものです。

特定の名前を呼ばないというこの考えには、確かに共感できる部分があります。次に、実際にそれを実行すると、どのようになるか検証していきましょう。

仮に、名称や単語を出さなくとも、あなたはその中身について触れる必要があります。あなたが心に留めている「目的地」について、何らかの方法で、また、いずれかのタイミングで組織のメンバーには話さなくてはなりません。その答えは、常に、コンセプトに沿ったストーリーを話すということです。つまり、私が言いたいのは、なぜ「セルフマネジメント」に行きたいのか、できる限りずっと、あなたが話し続けることが必要です。それらは、すなわち、それが組織の目的をどのようにサポートしているか、それはあなた自身の世界観とどのように一致しているか、組織のメンバーにとっての最善の方法とどのように一致しているか、組織の持つストーリーとどのように一致しているか、といった事柄になります。それらは一度言ったら良いというものではなく、毎回言い続けなければなりません。

そうは言っても効率も重要ですから、どこかの時点で、シンプルに「セルフマネジメント」という言葉を口に出してください。そうでないと、管理することが目的でくどくど話していると思われたら、あなたのことを嫌いになる人が出てきてしまいます。そうなる前に、たまには、マネジメントから外れて、あなた自身のストーリーを語ってください。そのストーリーを語る時に、「セルフマネジメント」という言葉を出すのが有効なのです。

常に、こういったストーリーは話し続ける必要があります。そして、それは、簡単に済まそうとすると、おそらく半分も伝わらないものでもあります。そこで、組織を自己組織化して、あなた以外の周りの人も話せるようにしていけばよいのです。それができればあなたが話す量も半分で済みます。つまり、これは、チームのための決定に参加できる力を皆が持ったことを意味します。特定のターゲットに対して、トップダウンを課す必要がなくなったということです。

そんなトップダウンを避ける方法として、私たちはかつて、長い時間を要する承認メカニズムに頼ってきました。それというのも、1よりも100といった、より多くの知性をよりどころとした方がより納得感を得られる決定に到達できるからです。つまり、「セルフマネジメント」という言葉の代わりに、背後にある理由を示唆する、もっと簡単な言葉で説明する方法があるのです。「私たちはシステムを変えることで、誰もが強力になれる」と私が話せば、その言葉に反論するのは非常に困難だと思います。ゆえに、「セルフマネジメント」という言葉に頼らずとも、可能な限り、コンセプトに沿ったストーリーを語ることが重要なのです。例え、そのストーリーは完璧でなくてもいいのです。名前を呼ぶことによる恐怖や失望といった落とし穴を避けることが可能になると思います。

■お願い
動画の最後にもあるとおり、この取り組みはすべてギフトエコノミーによって成り立っています。
この取り組みを支援されたい方は、以下のリンクからLalouxへのご支援をお願い致します。
https://thejourney.reinventingorganizations.com/in-the-gift.html

■翻訳メモの全体の目次
https://note.mu/enflow/n/n51b86f9d3e39?magazine_key=m3eeb37d63ed1

最後まで読んでいただいて、どうもありがとうございました。