【4.3.5】責任の所在と担当窓口について(If a team is accountable, who do I call?)

※ティール組織の著者Frederic Laloux によるINSIGHTS FOR THE JOURNEYの日本語訳の個人的なメモを公開しています。
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■元のURL
https://thejourney.reinventingorganizations.com/435.html

■翻訳メモ
今回は、具体的な質問に答える短い動画です。もしチーム全体が責任を負うのであれば、つまり、たった一人の責任者がいないのであれば、だれが窓口を担当するのかという問題です。

「セルフマネジメント」に向かおうとしていた、ある大きな組織で、リーダーが進むべき方向を示し、メンバーに招待状を渡した際、矛盾したメッセージを発してしまったことがありました。中国担当やマーケティング担当など、特定の人にダイレクトに報告できる権限を与えてしまったのです。このような状況で、どうやってメンバー全員に、「オーナーシップ」を持てと言えるのでしょうか。チームリーダーがいない状況で、誰が責任を負いたいと思うでしょうか。

とはいえ、「セルフマネジメント」においても、対外的な窓口担当は必要です。マーケティングや中国でのオペレーションについて問い合わせをしたいとき、誰に聞けばよいかというものです。当然会社の中も、直接、結果にコミットする人は必要です。エキサイティングなプロジェクトが進行中だという良い結果でも、商品がクレームになっているといった悪い結果でも、どんな結果に対してもダイレクトに責任を感じる人のことです。もし、チームに5人や10人といったメンバーがいるなら、マネージャーの「役割」を分散したように、窓口担当もひとつの「役割」になります。セルフマネジメントチームでは、皆がなんらかの、目的にそった「役割」を担うからです。

それは、特定の人がチームの他のメンバーを、権力をもって支配しているという意味ではありません。また、チームの結果に対して、個人が単独で「責任」を負うということもありません。そこにあるのは、ただ担当者としての「役割」です。「役割」と「権力」とを区別することは、「セルフマネジメント」が機能するためにとても重要なことです。

顧客など、外部の人向けには担当者がつきますが、担当の役割は窓口に過ぎず、すべてはチームが「責任」を負います。そうでなければ、皆は、「セルフマネジメント」を捨て、ヒエラルキーの階層を復活させたいと思うに違いありません。そうならないための秘訣は、ローテーションにあります。つまり、窓口などの「役割」は定期的に交代していくということです。6ヵ月や1年ごとに、担当窓口の「役割」を回していきます。

デリケートな話題を扱う会合には窓口担当の人、1人では出席しないと決めてもいいでしょう。特にチームの仕事に不満を持っている人と会う時は、1人ではなく、必ず3~4人のチームメンバーと一緒に参加するという具合にです。そこで何が起ころうと、参加メンバーは皆、心理的オーナーシップを持っているから対処できるということです。そういう集団交渉を一つの「役割」としてしまうこともできます。外部の人は、チームの窓口の人、1人とコンタクトしたがるものです。しかし、複数名で当たることで、チームの真の説明責任が果たせるようにもなります。


■お願い
動画の最後にもあるとおり、この取り組みはすべてギフトエコノミーによって成り立っています。
この取り組みを支援されたい方は、以下のリンクからLalouxへのご支援をお願い致します。
https://thejourney.reinventingorganizations.com/in-the-gift.html

■翻訳メモの全体の目次
https://note.mu/enflow/n/n51b86f9d3e39?magazine_key=m3eeb37d63ed1

最後まで読んでいただいて、どうもありがとうございました。