【3.11】 旅の前にティール組織を見学すべき?(Visiting other Teal companies before you start?)

※ティール組織の著者Frederic Laloux によるINSIGHTS FOR THE JOURNEYの日本語訳の個人的なメモを公開しています。(サイトにある日本語対訳に句読点等をつけ、読みやすいように、一部、接尾語や接続語などを足し、加工したものです)
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■元のURL
https://thejourney.reinventingorganizations.com/311.html

■翻訳メモ
“他のティール組織を訪問したいです”、“ヒントや学びが得られるはずです”、“似た規模や業界の組織を訪問できませんか?”など、リーダーたちから何度も次のような質問を受けました。だいたい私の答えは不評です。“それはできない”と答えるからです。

いま他の組織を訪ねるのはやめましょう。変革の旅に役立たないと強く感じるからです。理由は次のようなものです。自分たちの組織は何かを変えるべきであると自覚している組織は多いです。しかし変革への準備ができていない。そんな時に見学しても役に立ちません。そんな状態で他の組織を見学するとできない理由ばかりに目がいくからです。“わが社は事情が違う”、“業界が違うから難しい”、“わが社は分野も違うし業務内容も違う”、“規模が違う”など。

変革への一歩を踏み出す準備ができてない場合、見学しても役に立ちません。不安や疑念を強めるばかりです。そういう背景があるため、たくさんの訪問を受けてきた企業、たとえばセムコやモーニング・スター、そしてFAVIやゴアなどは、とても多くの訪問を受けながらも訪問に来た組織のうちひとつとして変化を遂げた組織はないと言います。なので私はこう伝えます。“見学は時期尚早だと思うので、次のトピックを深く考えてみてください”。これまでの動画で語ったトピックです。“変革の動機は?”、“いまの組織運営で自分の良心に反する部分は?”、“どうやって目的地を決める?”、動機や良心については1-2や1-3の動画で目的地については1-6で語りました。個人やグループであるいはコーチと見て、こうした問いへの考えを深めましょう。その過程でいつか自分の何かが変わり、扉が開いて準備が整うのです。

準備を整えるもう1つの方法は小さなことの積み重ねです。ひとつ前の動画で紹介したような工夫ある小さな行動を実践することで勇気や理解が育まれ変革の準備が整うのです。しかし私の経験からすると準備前に見学しても役に立ちません。とはいえ2つの場合においては他の組織の見学がとても役に立ちます。

1つ目は旅に熱心に取り組み半年や2年が経過している場合です。その場合は仲間と意見を交換する貴重な場となります。面白いことにこうした組織は見学先を相談する際に決して同じ規模や業界の組織にこだわりません。違う業界の組織からも進んで学ぼうとします。NGOも営利企業や病院から学ぶ長く取り組んでいる組織は具体的な慣行ではなく変革を続けていくためのインスピレーションを求めているのです。見学した慣行はそのまま使えずとも自社に合わせて改良することができます。

見学が効果を発揮する2つ目の場合は労働組合の人たちと一緒に見学をするか"下位階層"の人たちと見学する場合です。現場の作業員たちが他の組織を訪問するのです。それを実践する組織は多く、しかも経営陣は同行しません。現場や組合の人間による訪問の手配は手伝いますが同行はしない。でも訪問は効果的です。現場同士が交流し意見を聞く機会になります。考えの押し付けではなく実際に目で見て自主経営や全体性を知るのです。すると多くの人はやる気になります。だからもしリーダーから見て現場が準備できておらず信頼や理解が不足していたら見学を企画することはとても効果的でしょう。

■翻訳メモの全体の目次
https://note.mu/enflow/n/n51b86f9d3e39?magazine_key=m3eeb37d63ed1

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