グリーが資本金を1億円に減らす理由から考える日本経済が停滞した理由

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

それでは早速こちらの資料をご覧ください。

グリー株式会社は資本金の額を22億円以上減資して1億円としている事が分かります。
この減資とは資本金を資本剰余金というものに振り替えるものです、何を言っているか分からない方も多いと思いますが結論だけ言うと会計上の数字をいじるだけの話で会社運営上に影響のあるものではありません。

それではなぜ減資を行うのでしょうか?

減資を行う際の理由は大きく2つあります。
まず一つ目が配当や自己株買いなどの株主還元を行うためです、企業は資金があればいくらでも株主還元をしていいわけではありません。

例えば勝手に会社のお金を全部配当に出されて会社が倒産してしまったら、そこにお金を貸していた銀行や取引先が困ってしまいますよね。

なのでそういった利害関係者を守るための一定のルールがあるのですが、減資を行うとそのルール上配当に出せる金額が増えるという訳です。

しかしグリーは非常に財務状況が良好で株主還元をするのに困っているような状況ではありません。

ではなぜ減資をするのかというともう一つの方の理由にあります。

それは中小企業になれるという事です。
実は税務上で大企業と中小企業とを分けているものには資本金の額という基準があり、1億円以下になると中小企業に分類されます。

グリーは東証1部上場企業でありながら税務上は中小企業となるんですね。

でもなんで中小企業になりたいの?って思いますよね、だって大企業の方がなんかよさそうです。

では何故かとか言うと、中小企業に分類されると税務上得する仕組みになっているから中小企業になりたいのです。
詳しい内容は説明しませんがこちらにまとまっていましたので興味ある方はご覧ください。

つまり税務上得をするから今回グリーは減資したと考えられます。

そして今回なぜこの減資について書いたのかというと、実はこの中小企業への優遇措置が日本の経済成長を停滞させてきたとも考えられるためです。

ここ最近では新型コロナによって多くの中小企業がダメージを受けたことで、そこへの支援策が良しとされる空気がありました。

しかし個人的にはそれは必ずしも良いことではないと考えています。

日本は労働生産性が低いと言われていますが、その理由の1つに中小企業が多すぎるという事が上げられます。
例えば企業数が多すぎてデジタル化を進める人材がいない企業が多い事や、生産性を上げる資産やサービスへの投資余力のない企業が多いなどの問題が出てしまう訳です。

また、中小企業はオーナー社長がやっている事が多いので節税に躍起になり、意図的に利益を出さない企業が多いので労働生産性が下がるということも出てきます。

なので、企業の規模が大きくなるにつれて基本的には労働生産性が上がっていきます。

そしてそういった状況を生み出している1つの要因に、中小企業が税務上優遇されるため事業の拡大をしようとしない企業が増えてしまった事があります。

雇用を失うのは避ける必要がありますが、個人的にはそれに必要なのは雇用の流動性であり、会社という箱を守る事ではないと考えています。

なので、こういった優遇措置も見直して適切な統廃合が起こっていく環境を作った方が日本経済的にはいいのではないかと思いこんな記事を書いてみました。

今回はそれだけです!!

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