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「ただ華があるだけじゃない」IJK OMOTESANDOは、スタッフファーストで日本一の美容室を創る


「華のある集団が、目の前の人に思いやりを持ち、とことん真面目に美容師をする」

そのこだわりを貫き続けた美容室が、IJK OMOTESANDOです。

2016年、代表の芝原 俊輔がオープンさせたIJK OMOTESANDOは、店長に釼持 恵梨香、副店長に川井 美緒を迎え、今や社員12人の美容室へと成長しました。

2019年には店舗を拡張移転し、2店舗目として同じく表参道に「Bar Lm.」をオープン。「一業態一店舗」という美容業界に留まらない経営方針は、業界内外ともに注目していただいています。

IJK OMOTESANDO の公式noteの第一弾では、IJK OMOTESANDOを率いる3人による対談をお届けします。なぜIJKは新しい挑戦をし続けられるのか、美容室を運営する上で大切にしていることを聞いていきます。

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芝原 俊輔(しばはら・しゅんすけ)/ IJK オーナー
20歳で美容学校を卒業後、表参道のサロンに就職。stylist、Topstylist、Directorと最年少で昇格。24歳の時に美技カップヘアカットコンテスト優勝・優勝賞金でロンドンのヴィダルサスーンに短期留学する。
25歳で表参道にIJK OMOTESANDOをOPEN。28歳で拡張移転し、現在の50坪の大型サロンに成長。
2週間後に青山学院大学の裏手、渋谷2丁目の交差点にBAR Lm.をOPEN。有名シェフとのコラボや有名店から取り寄せた素材を使った「料理が美味しい深夜食堂BAR」としてTwitterで人気を集める。数々の有名人や経営者も来店する2店舗を経営する若手オーナー。
釼持 恵梨香(けんもつ・えりか) / 店長
青山学院大学卒業後に美容師になるという異色の経歴の美容師。都内1店舗を経て2017年4月IJK OMOTESANDOに入社。髪質改善縮毛矯正のほか、メイク・ヘアセット・メンズカットを得意とする。幅広い技術と丁寧な施術、気さくな人柄や共感性の高さから老若男女問わず人気を集める。2018年に店長に抜擢、2020年5月に結婚。
川井 美緒(かわい・みお) / 副店長
地元・茨城の美容室でキャリアを積み上京、2018年1月にIJK OMOTESANDO 入社。マンツーマンの営業スタイルで入社3ヶ月で130万円、5ヶ月で150万円、7ヶ月で170万円の指名売り上げと記録更新し続け、2019年12月には420万円を超えた、名実ともにIJKのエース。小顔矯正からランジェリーや下着のフィッティングまで、トータルビューティを提供出来る美容師として活躍。年間1500名以上を指名で担当し、顧客の中には著名人やインフルエンサーも多い。2019年に副店長に就任。


「任せられるから挑戦できる」オーナーを支える2人の幹部

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3人で臨むのは初めてのインタビュー。最初はこんな面持ちでした。

ーオーナーの芝原さん、店長の釼持さん、副店長の川井さん。現在IJK は3人でどのように運営されているんですか?

芝原:IJK groupでは美容室とバーを1店舗ずつ経営していますが、会社の経営方針はほとんど僕一人で決めています。その代わり、美容室についてはほとんど2人に任せていますね。

ー「一業種一店舗」を掲げ、どんどん新しいチャレンジを続ける芝原さんのもと、店長・副店長のお2人はどのように働かれているんですか?

釼持:芝さんは、リーダーとして会社を引っ張っていく人。私は芝さんとスタッフの間にいる潤滑油のような存在だと思っています。シンボルは芝さんなので、「芝さんの目指す形にはどうしたら近づけるのか」をスタッフに伝え、スタッフ一人ひとりが夢を実現できるように、芝さんにも届けます。双方と話をして、実現に向けた道筋を作っていく役割ですね。

ー経営者と店長、どちらもスタッフを率いていく存在でありながら、スタッフさんたちは、戸惑わずについていけそうですね。

芝原:エリカは事務作業的な細かいことも、毎日欠かさずやってくれています。管理職としてお店に関する仕事をきっちりこなすって、すごく大変なんですよ。彼女に任せていると、レジのお金一つ狂わない。

ー当たり前のことをちゃんとやり遂げるって、実は難しいことですよね。

芝原:そうなんですよね。ミオは、うちの売上の象徴です。ランジェリー美容師・小顔矯正という僕とは全く違う強みを持ち、アシスタントが介入しないマンツーマンの接客で1ヶ月に410万円売り上げた美容師なんて、なかなかいないですよ。天才です。

釼持:絶対的なエースですね。

川井:お店に関してはエリカさんが完璧に整えてくれるので、私にできることは売上を上げて、引っ張っていくことだなと思っていて。

芝原:圧倒的に売上がある人がいるわけで、後輩たちは彼女から学ぶべきことがたくさんある。入店したての時はお客様に意識が向きすぎて後輩と衝突もしていましたけど、最近では教育も上手になって、面白いなぁと思いながら見ています(笑)

川井:売上は芝さんにつないでいただいたご縁がたくさんあるので、満足してもらえるように頑張っています。教育に関しては、エリカさんを見習いながら学びました。ありがたい環境です。

ーこの2人を店長・副店長にするというのは、ずっと考えていらしたことですか?

芝原:IJKは広告費を使った集客をしないので、一人ひとりがSNSでファンを作っていかないと売上を取り続けられないんです。一定の売上を超えたら人間性も伴っていると考えて、役職に付けようと思っていました。

お店や会社が大きくなればなるほど、経営者がいないと回らない環境はよくない。いつまでも僕が現場から離れられなかったら、会社の成長はないんですよね。

2人には、厳しくしすぎたところもあると思います。でもおかげで今、美容室を任せられる。僕は経営者として、会社の未来に注力できるんです。

「美容師を辞めよう」諦めかけた先にたどり着いた場所

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ー釼持さんと川井さんが芝原さんと出会ったきっかけを教えてください。

釼持:出会いは、芝さんのお客さんだった友人の紹介でした。「すごい美容師さんがいるから、会ってみない?」と、食事する機会を作ってくれて。

ー初めて会ったときの印象は、いかがでしたか?

釼持表参道という美容師の聖地で結果を出している人は、こんなに熱いのかと圧倒されました。8店舗あるチェーン店でそれなりに結果は出ていたものの、忙しい分流れ作業のように感じてしまっていたんです。まさか「一緒に働きたい」なんて言えなかったので、誘っていただいたときは本当にびっくりしました。めちゃめちゃ軽いテンションでしたけど…(笑)。

川井:私の時も、「うち、どう?」くらいだったと思います(笑)。私が働いていたのは地元・茨城の美容室で、ショッピングモールに入っている地域密着型のサロンでした。「自分がやりたいことは、実現できないかも」と感じつつも、地方にいても挑戦できることを示したくて、美容師のオンラインサロンに入り勉強していた時に、講師をしていた芝さんと出会ったんです。

ーやりたいことが実現できないというのは、どういう状況だったのですか?

川井:外見と内面の両方から整えられる美容師になりたくて、特に私はランジェリーが好きなので日々のファッションにも取り入れ、SNSでも発信していたんです。結構際どいファッションをしていたので、とうとう「その服装はちょっと…」と、止められてしまって。東京への憧れはずっと持っていたものの、決めきれなかった時に「やりたいならやればいいじゃん」とアドバイスをいただいて。

芝原:そうだっけ? あんまり覚えていない…(笑)。

川井:何をモヤモヤしていたんだろうって、茨城に帰ったその足で職場に行き、退職したいと伝えました。どこで働こうか探している時にまたお会いして、「うち、どう?」と、さらっと。芝さんは会社が大事で、スタッフが超大事という人です。「お客様にとっても会社にとっても良いことであれば、やりたいことをやっていいよ」と、そんなこと言ってくれる美容室、ないですからね。お世話になることにしました。

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ー芝原さんは、なぜお2人に声をかけられたのですか?

芝原:「華がある子がいい」とは思っていましたけど、加えてすごく真面目だったんですよね。 IJKの始まりは僕とアシスタントひとりだけの、ほぼフリーランスのような形でした。アシスタントの子は1年後にアメリカに行くことが決まっていたので、「彼の後に誰を雇おうかな」と考えて思い浮かんだのが、まずエリカですね。

彼女の技術までは知らなかったけれど、食事をした後に、髪を切りに来てくれたんです。食事のお礼を売上で返そうと思ったのか、僕との出会いに対して何か自分にできることを探せるような、「律儀な子だな」と思いました。

ー相手を想える人間性が、魅力だったんですね。

芝原:ミオを雇った時は、親友に言わせると僕かなり不安がっていたようなんですよね…(笑)。SNSを見ても世界観がしっかりしているし、人の目を気にせず、好きなものに突き進める子って超強いんですよ。ただ、うちにいてそのキャラクターを活かしきれなかったとしたら、僕のせいなので。

釼持:やばいやつが入ってきたと思いましたもん(笑)すっごく可愛いんだけど、凡人には理解できないというか…。だから、ひたすらいじる日々が始まりましたね(笑)。

川井:受け入れてもらえたことが、何よりでした(笑)

芝原:僕の仕事は、スタッフに売上を上げてもらい、彼らの所得を上げることです。その子の将来に、売上が上がるビジョンが見えるかどうかというのは絶対です。今となってはこの2人がIJKを引っ張ってくれているわけですから、自分の感覚を信じてよかったと思っています。

釼持:郊外で美容師をやっていた自分には、転職する自信、ましてや表参道で働くなんて思ってもみなかったんです。「もう美容師は辞めようかな」と思っていました。

そんな自分に可能性を見出してくれた人が、芝さんです。表参道の超有名店で活躍して、若くして独立したすごい人が、自分に声をかけてくれた。怖かったけど、挑戦してみようと踏み出せた一歩でした。


なぜIJKは、こんなにも愛していただけるのか

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ー2019年4月〜5月末で開催しているクラウドファンディングでは、コロナの影響で売上の下がったIJK groupを救うべく、1ヶ月で1100万円以上の支援が集まりましたよね。IJKがここまで愛されるのは、なぜだと思いますか?

芝原:目標としていた300万円をたった1日で達成し、自分たちでも「ここまで大事に思っていただけるお店になっていたのか」と、震える想いでした。スタッフを雇う時、僕はまず「華があるかどうか」ビジュアル面を大事にしてきました。なぜなら、美容室を作るのではなく、IJKというブランドを作る意識でいるからです。

ブランドとは憧れに近くて、正直どれだけ技術がうまくても、彼女たちほどのファンはつかないんです。そこには人間性が絶対的に必要で、華がある人たちがものすごく細かいことに気を配り、真面目に美容師として生きている。そこがうちの魅力です。

終礼では、ただ業務報告をするだけではなくて、「今日あのお客様にお茶が出ていなかったけど、なんで? 誰が出すべきだった?」と、そこまで話し合います。「お前のせいだ」と犯人探しをしたいわけではなく、「自分が担当する仕事の責任」をそれぞれが持つことで、同じ事は起きなくなるじゃないですか。それは全て、お客様のためになる。

ビジュアルがよくても、チャラチャラしている美容師はたくさんいます。かっこいい人たちが「自分のためにここまでしてくれるのか」というほど細かい心遣いをするから、IJK という集団を、好いてくれていると思うんですよね。

僕の一番の願いは「美容師を純粋に楽しんでほしい」ということ。僕が一番、スタッフのことが大好きだから、仕事を楽しみ、お金を稼げて、休みもあって、人間らしい生活を送ってもらいたい。そのために何ができるかしか考えていません。

ー「スタッフファースト」と呼ばれる由縁ですね。

芝原:スタッフ同士の仲がよくて、人生が充実していそうな美容師のところに、お客さんは通いたいじゃないですか。

お客様の為を思うなら、スタッフファーストでないと意味がない。うちには全員喫煙禁止という厳しいルールもありますが、このサロンが好きで、スタッフが好きで、お客様を大事に想うスタッフばかりだから、お客さんのためにできることは、小さいことでも貫けるんです。

稼ぎ続けられる環境をつくること、あとは、気をつけているつもりではありますが、老害にならないこと。もしそうなった暁には、僕は身を引きます。あと10年ぐらい頑張って、美容室1店舗で10億売りたい。このメンバーであれば、夢ではないと思っています。

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コロナの影響で大打撃の2店舗。美容室とBARを守っていきたい![※終了しました] 

5月末を持って、IJK groupのクラウドファンディングを終了致しました。15,361,155円にものぼるご支援、またたくさんの温かいご声援をいただき、スタッフ一同言葉にならない感動と感謝を感じております。誠にありがとうございました!リターンでしっかりと、お返しをしていきます。今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます!

IJK OMOTESANDO
住所:東京都渋谷区神宮前5-46-16 IL CENTRO CERENO 2階
電話番号:03-6438-9882
定休日:毎週月・火定休日(月曜日が祝日の週は火水休み)
HP:http://ijk-hair.com/

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執筆:柴田 佐世子
編集:柴山由香
撮影:池田実加
バナーデザイン:小野寺美穂

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