見出し画像

海外組日本人選手の評価:2022-2023シーズン冬の移籍市場

2022カタールW杯が異例の冬開催となったことも影響したのか、2022-2023シーズン冬の移籍市場は前年と比べても盛り上がったとは思えません。
話題性としては、W杯で優勝したアルゼンチン代表からエンソ・フェルナンデス選手がポルトガル1部のベンフィカからイングランド・プレミアリーグのチェルシーへ完全移籍したことくらいでしょうか。

準優勝となったフランス代表からフランクフルトに所属するコロ・ムアニ選手とボルシアMGに所属するマルクス・テュラムの移籍に向けて他クラブから獲得交渉開始の記事が出ましたが、どちらも実現せず残留となっています。

3位になったクロアチア代表でライプツィヒに所属するヨシュク・グバルディオル選手とディナモ・ザグレブに所属するがドミニク・リヴァコヴィッチ選手が、移籍市場の目玉として注目されていましたが、どちらも今冬の移籍は実現せず残留。

同じクロアチア代表では、ヨシプ・ユラノビッチ選手がスコットランド・プレミアリーグのセルティックからドイツ・ブンデスリーガのウニオン・ベルリンへステップアップ移籍を果たしていますが、W杯特需は今回の移籍市場ではそこまで影響が無かったようです。

あまり活発では無かった冬の移籍市場において、日本人選手の動きも夏に比べれば少なかったですが、Jリーグ組の海外移籍も当たり前と感じる時代になってきています。

Jリーグから海外リーグへ

一時期はベルギーへの移籍がほとんどでしたが、最近ではポルトガルとスコットランドへの移籍が増えています。といっても完全移籍は稀でレンタル移籍が中心で、欧州5大リーグへ直接移籍出来る日本人選手は僅かしかおらず、若手の場合はトップチームではなくセカンドチームへの合流がほとんどです。

海外移籍がゴールではなく新たなスタートになりますが、Jリーグで実績を作った選手、各世代の日本代表経験がある選手は移籍後、途中出場からでもチャンスを掴みつつあります。

まだ移籍後が成立して約1ヶ月しか経過していないので、コンディション調整が難しいのか、チームに適応するのに時間がかかっているのか、未だに出場機会に恵まれていない選手もいます。海外組日本人選手が結果を残してきた実績はありますが、日本人が活躍出来ると思われている海外リーグでも全員が全員成功出来るとは限らないのが現実です。

海外組日本人選手の評価

海外組日本人選手の移籍成立は2件と寂しいものでした。カタールW杯で評価を上げた日本人選手もいたのは間違いありませんが、今シーズン夏の移籍市場で新しいクラブに移籍したばかりという事情もあったかもしれませんね。

驚いたのは原口元気選手の移籍です。ドイツ・ブンデスリーガで上位争いをしているウニオン・ベルリンから残留争いをしているシュトゥットガルトへの移籍。確かにウニオン・ベルリン在籍時はプレー時間が限られていたので、移籍が実現した背景としてプレー時間を求めてのことだったのかもしれません。
シュトゥットガルトに合流してからはスタメンを勝ち取り、2月だけでリーグ戦4試合に先発出場し1アシストと結果を残しているので、まずまずの再スタートを切っています。

原大智選手はスペイン2部のアラベスからベルギー1部のシントトロイデンへ再びレンタル移籍が成立。2021-2022シーズンもレンタルでシントトロイデンへ加入し、28試合に出場して8ゴール2アシストと結果を出していたこともあって再レンタルとなったと考えられます。
しかし、アラベスでは今季リーグ戦に15試合出場するも1ゴールのみで、出場時間が430分程度と出場機会に恵まれていなかったためゲーム感が不足しているのか、シントトロイデンに合流後5試合に出場し1アシストとやや物足りない印象を受けています。

あとがき

資金力の乏しい海外クラブが日本人選手を獲得する理由は、マーケティングでの部分が大きく、広告収入、ユニフォームやグッズでの収益が見込めるからという噂話も良く耳にします。

海外移籍はプレースタイルがチームにフィットするなどのサッカーに関することではなく、ビジネスとしての見方を強める必要があるのかもしれません。

海外クラブが本当に日本人選手を獲得を熱望し、希望通りの選手と契約を結ぶことが出来たのかどうかは、移籍加入後の試合を見れば一目瞭然です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?