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景色とお酒といい時間。


ザザーっと波の音が聞こえる。

コロンっと瓶の蓋がテーブルに落ちるが
特にそちらは気にしてない。


景色、というものに
心惹かれる人は

おそらく物事を深く考え、

自分でその価値を見出すことの
できる人なのだろうな、と思う。

旅行のいい思い出が
自分の部屋で呑んでいる
あの時と同じ地ビールから流れ込んでくる。

波の音、景色、地ビール


この三位一体に恐ろしく
価値を感じた淡路島の海辺。

景色がビールを

ビールが波の音を

波の音が景色を。


お互いがお互いを引き立てあって

魅力が何倍にも
膨れ上がる。




そもそも価値なんてその人が決めるもので


今飲んでいる
ビールにも深く深く意味を
感じる。


目の前の
窓の外。

日の落ちた暗い景色から聞こえる
15分に一回の電車の声。

煩わしさと愛着の入り混じった

なんとも言えない

僕だけの放課後のチャイム。


ゴーー!
ドコンドコン!

と家の前の線路を
また
電車が走る。


窓から窓へ

気持ちいい風が入る。


なんともない部屋からの景色も、


この山や川にも、

価値を感じれば
意味を為す。



別に詩人みたいに言葉にできなくても

写真家みたいに綺麗に写真が撮れなくても


“なんかいいなぁ“

そう思えるだけで

人生楽しくなる。


電車から降りて歩くいつもの道も


出勤中の車の中も


家の近くのコンビニへの道も


ほろっと笑顔が溢れる。



今日はビールが旨い。

風が気持ちいいからだ。


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