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雨に生まれたので

 先日27歳の誕生日を迎えました。もうこの歳になると歳を重ねた事実以上のものが無いような気がしています。益体もないことをいうと、歳とりましたツイートで、こんなにもたくさんの人に祝ってもらえてこの1年も頑張ってたんだなぁと自分の承認欲求を満たす日みたいになっています。

 というわけで6月に生まれたわけなのですが、6月ってあんまりいいイメージある月じゃないですよね。梅雨でじめっとしてるし、祝日が唯一ない月だし、旬な食べ物も特に思いつかなくないですか?でもそんな月に生まれたわけで、言ってみれば地元故郷なわけですから流石に好きになってやらんとなとは常々思うわけです。その一方で年がら年中ご飯はおいしいし、別に高校出てからは自分の責任で好きなだけ休めるな~って気付いてしまったわけで。ということは、あとは梅雨を愛せれば6月を愛せてしまうのです。
 そんな梅雨時の6月に私が生まれたのは日本海側北陸の福井県でした。最近知ったのですが北陸3県って日本で晴れが少ない件トップ3なんですってね。言われれば確かに雨が降っていなければそれは晴れたカウントだった記憶がありますし、大学生のときに福岡にいた時は一面に広がる青空に感動を覚えてばかりだったような気がします。梅雨時のどんよりした空気感は日常。プラマイゼロ。
 そして今日も雨でしたが、コンクリートジャングルのグレーと曇り空のグレーって妙に映えませんか。あっ、なんかいいなと通勤途中に思ったのです。思い返すとその感動の源泉は間違いなく新海誠作品でした。言の葉の庭で描かれた雨と緑、雨と藤のコントラスト。天気の子で描かれた雑多な都市部と雨。世界はこうも美しかったのかと彼の作品を通して見る世界はこうも美しかったのかと自分のものの見え方を良い方に更新してくれる気がします。
 あと、彼の作品の雨の日って物語が動く日であることが多いじゃないですか。出会いだったり告白だったり再会だったり。現実に夢見がちボーイなので、雨の日はワクワクするようになりました。雨の中、いつもと違う場所にいったら何か新しいことが始まるようなそんなワクワク。

 だから故郷を思い出させてくれて、自分の凝り固まった価値観を洗い流してくれて、何かいい予感を感じさせてくれる雨の日をたくさん作ってくれる梅雨が嫌いになれないんだなぁ。だから最近気候変動の影響か梅雨がないような年もあって、こんな素敵な期間を奪わないでくれ!ってなります。渇きの夏、実りの秋へつながる屈伸の時間だし。というか、そもそも1年のうち1ヶ月も気分が下がる月があるの死ぬほどもったいないなと思います。幸せで楽しい時間は1フレームでも長いほうがいいので。
 そういうわけで6月っていいし、なんでも考え方で楽しくなるよねって話でした。そもそも自分が生まれた月なのでそれだけで幸せなんですけど。

 最後にこれは余談なんですが、生まれる時母のお腹の中で死ぬほど粘ったそうです。誕生日が1日変わるくらい。迷惑な話ですね。だから水に満ちてるところが肌にあってるのかなぁとも思いました。というわけでお風呂入ってきます。


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