オンライン授業への道 4歩目
棟と棟の間やアクセスポイントの整備など,校内での通信環境については導入当初に気に掛ける部分なのですが,インターネットに抜ける回線は様々な制約が多く,すぐに増強ということにはなりにくい部分です。理由としては次のようなものがありそうです。
・そもそも,インターネット回線を増やす方法が分からない。
・教育委員会等のセンターに繋がっている関係上,増やすことができない。
・回線を増やせば,その分コストがかかってしまう。
本校においても,学内の通信はそこそこ耐えうるようにしていましたが,インターネットの回線は家庭用の光回線と同レベルのものが1本引いてあるだけでした。幸い,周りに大きな事業所がある地域ではないので,足を引っ張られることはなかったのですが,収容数によってはスピードが出ない場合もあり,しかも時間帯や曜日によっても変わる「水物」なので,大変厄介です。他校の事例があまり参考にならない部分です。普段から,どの程度のスピードが出ているとか,どのようなときにスピードが落ちる,といったことを観察しておくことが大切です。
英語の4技能試験が始まるということもあり,「オンライン英会話」なる授業支援サービスが勃興してきました。私自身は英語教員ではないので詳細は分かりかねるのですが,複数の会社が同様のサービスを提供しているようです。聞くところによると,時差があまりない国と接続しているケースが多いようです。
本校でもその流れに沿い,オンライン英会話をはじめることになりました。オンライン英会話はクラス人数が35名だった場合,35:35の通信が同時に走ることを意味します。加えて,他クラスでも同じ授業が同じ時間帯に展開された場合,×クラス数,という通信になるわけです。これにはかなり頭を悩ませました。講座は1回あたり○分で○円,というような契約になっており,通信障害は大きな影響を及ぼします。何度も関係業者さんと折衝を重ね,できる限り障害が発生しないような設定を見いださなければなりません。
・各APに接続する端末数は適切か?
・授業前の回線速度はどのくらいか?
・授業中の回線速度はどのくらいか?
・ボトルネックがあるとすれば,それはどこか?
・ボトルネックになる部分の設定は適切か?
・端末の設定で見直すべき箇所はないか?
専門的になりすぎると,正しい情報を伝えられなくなる恐れがあるので,場合によっては業者さん間で話をしてもらう必要もありますし,実際にその授業のときに現地へ赴いてもらって,状況を把握する必要もあります。数台の通信確認では問題がなくても,35人が接続すると問題勃発,ということが起こりうるからです。スケジュールを早めに把握し,各方面と調整を付けるのが学校内でのシステム管理者の大切な役割です。
まとめ
学校でできる限りのことをやったとしても,きちんと要求通りの通信できるかどうかは別問題であるのがインターネットの世界です。冗長化や次善の策を普段から練っておくことも大切なことです。
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