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オンライン授業への道 3歩目

2010年代の初めの頃から,各教室への無線LANアクセスポイント(以下AP)設置工事を始めていきました。教室建屋の構造が複雑故,次のような設計としました。

・棟と棟の間は1Gの光ファイバーで接続(建築当初から入っていたものを流用)
・各フロアから教室間は1GのEthernetで接続(新規に配線工事)
・PoEで各教室のAPへ給電
・各教室2台のAPを設置

最近では1教室に1台で50台以上の端末からの通信をさばく性能を有するAPが各社から出ていますが,本校が敷設し始めた頃はまだそのような性能を有するAPはありませんでした。本校では,1APあたりの接続端末数の上限を20台として設定し,それ以上はもう1台のAPにつながるような設計としました。とはいえ,最初からこのような最適な設定が見つかったわけではありません。幾多となく起こる障害を業者さんとともに分析しながら,設定を変えては様子を見て,の連続です。


とくに負荷が掛かる通信を頻繁に行う授業においては,担当の先生と密に連携をとり,都合がつけば管理者が赴いて状況の把握につとめる必要があります。業者さんに設定変更をお願いするにしても,ただ単に「つながらない」という情報ではどの設定を変えるかの判断がつかないことも起こりえます。システム管理者が授業担当者との通訳となり,いち早く授業担当者が思い描く授業ができる環境構築をしないと,どんどん使う人が減っていきます。

ネットワークが繋がることは当たり前ではなく,システム管理者の日々のメンテナンスや業者さんの技術の上に成り立っています。しかし授業担当者や生徒は「繋がってナンボ」であることがほとんどです。システム管理者としては忸怩たる思いをすることも多々ありますが,安定してつながらないネットワークでは,ICT機器を使ってみようかと思う気持ちが削がれるのも事実です。安定した通信ができるよう,日頃から授業担当者の要望に耳を傾け,運用で回避できることと,できないことを切り分け,できないことは業者さんに相談する体制づくりが大切です。

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