見出し画像

貸しスタジオでのバンド練習のやりかた

バンド初心者の方へのテキストです。いまさら聞けない貸しスタジオでのバンド練習のやりかたというお話。

※10年くらい前に運営してたサイトに乗せてたテキストのバックアップがあったので、noteで復活させてみましたシリーズ。これにてストック切れです。

貸しスタジオのシステムをあらかじめ予習して、予約や練習でとまどわないように…というお話です。

バンドを組んだら当然、全員で集まって練習します。回数で言えばライブなどよりも定期的な練習がバンド活動のメインとなります。ひとりでも演奏は楽しいですが、みんなで演奏するというのが本当に楽しいものです。

大金持ちで家に防音設備があるとか、タダで使える練習室があるなんて人は滅多にいないでしょうから、貸しスタジオを借りて練習することになります。

貸しスタジオのシステム

音楽練習スタジオはたくさんありますから、ネットで検索してメンバーの集まりやすい地域で探してみましょう。予約は電話で行う場合が多いです。1回の練習で2~3時間予約するのが一般的です。集中力、体力の面を考えてもそのくらいがいいとこだと思います。

また、人気のスタジオは早めに予約を取らないと部屋が埋まってしまいます。スケジュールは前倒しで組み、早め早めに予約しましょう。1週間前とかだと遅いです。人気のスタジオであればあるほど、できれば3週前くらいがいいですね。

電話で予約するのが昔は一般的でしたけど、最近ではネットで予約できちゃうスタジオも多いです。

料金はスタジオによってまちまちですが、大体1時間1,500円~3,000くらいで、その他オプションがあった場合(※)追加料金という感じです。
※マイクの追加、アンプの追加、楽器を借りるなど

バンドを組んで初スタジオなんていう場合、ちょっと緊張するかもしれませんけど、最近は不景気でスタジオも大変なんでしょう。スタッフの対応も親切になりましたからその点安心です。

スタジオの使い心地(音が聴こえやすい、聴こえづらい、機材の良し悪しなど)は実際に行ってみないとわからない部分が多いです。使ってみた感触と料金、立地などを考慮に入れてお気に入りのスタジオを作ってしまうと楽です。というか自然と行きつけのスタジオは決まってきますけどね。

貸しスタジオでの注意点

スタジオへ行くと壁や機材に張り紙があり、使用上の注意が細かく書いてある場合が多いです。万一機材を破損したりしたら大変ですからね。その注意を守っていれば概ね大丈夫ですがここでは念のため、予習の意味で気をつける事をチェックしてみます。

演奏中は扉開閉禁止
スタジオの扉は二重扉になっています。さらに扉にはゴッツいハンドルがついていますから、両方の扉をしっかりハンドルを下げて閉めて防音しないといけません。誰かが音を出している間は扉開閉厳禁です。近隣に住宅や会社などがある場合もありますから、スタジオやその周辺に多大な迷惑をかけることになりかねません。

アンプを飛ばしちゃったら大変!
ギターやベースのアンプはデリケートな機械です。雑に扱うと破損の恐れがあるので注意しましょう。正しくない使い方で破損してしまったら、最悪弁償となってしまいかねません。シールドの抜き差し、電源のオンオフの際にはツマミをゼロにしてください。そうしないと「ブツッ!」と大きな音がして、この瞬間運が悪いとアンプが飛んでしまいます。

真空管アンプの使用手順
特に真空管アンプは、必ず正しい手順で使用しましょう。
[電源を入れる]
1.ツマミを全部左一杯、ゼロにする
2.電源をオンにして2~3分待つ
3.スタンバイスイッチを入れる(電源、スタンバイの順番注意!)

[電源を落とす]
1.スタンバイスイッチをオフにして2~3分待つ
2.ツマミを全部左一杯、ゼロにする
3.電源スイッチを落とす

真空管アンプは熱を持ちます。温まった状態で衝撃を与えると非常に壊れやすいので注意してください。

ミキサーの取り扱い
ミキサーもアンプと同様、電源オンオフ、シールド抜き差しの際にはフェーダー(ボリューム)を下げてゼロにしてから行なってください。それを怠るとアンプと同様、ミキサーから繋がっているスピーカーやミキサー本体を破損する恐れがあります。

フェーダーっていうのはこういうの

時間厳守
遅刻は料金を損するだけですが、練習終了時間の厳守に気をつけてください。次の時間のバンドに迷惑をかけます。

スタジオによっては予約時間終了の5分前終了などと決まっている場合もあります。時刻を気にして練習し、片付けの時間も逆算して余裕を持って上がれるように注意してください。オーバーしてしまうと最悪、料金がかかる場合もあります。

元に戻して帰る
スタジオの中にはマイクスタンドやドラムセット、アンプ、譜面台などが備え付けられています。練習が終わったら機材やシールドなど、スタジオ備え付けのものは全て元通りに戻して片付けて帰るようにしてください。

マイクシールドなどスタジオから借りたケーブルは8の字巻きで巻いたりすると、なかなか通だね!と感心されるかもしれません。8の字巻きのやりかたはこちらのサイトに詳しく載ってました。

…と、こうしてあげていくと「スタジオって何か面倒くさいな」と感じる方もいるかもしれません。しかし、最初に書いた通り重要な注意点は張り紙がしてありますし、わからない事はスタッフさんに声をかければ教えてくれますから安心してください。

もちろんアンプの使い方がわからない、音が出ないなど困った事があった場合も気軽にスタッフさんに頼っちゃいましょう。わからないまま適当に使って機材を壊してしまったら大変ですしね。スタジオに初心者が来るなんてザラな事ですから、スタッフさんも慣れたもので快く対応してくれると思います。

スタジオセッティング

正しいセッティングについてのお話です。

ようやくバンドが集まりスタジオに入ってさあ練習だと盛り上がるところですが、スタジオ練習の前に必ず行うルーティンがあります。これは毎回の事なので習慣にしてしまいましょうね。

【楽器のチューニング】
まずは当然ですが、楽器のチューニングです。ギター・ベースなど音程のある楽器は、それぞれの楽器の中でも、楽器同士お互いでも合っていないといけません(当たり前ですね)。

ドラムも毎回自分の好みのピッチにチューニングするよう心がけましょう。ちなみにドラムのチューニングは、チューニングキーっていう道具を使って、対角線のボルト同士を締めていきます。一筆書きで星マークを書くような順番で行います。

締め具合のチェックはボルトの近所を軽く叩いて鳴る音のピッチがバラバラにならないように、均等に合わせます。

【バランス調整】
全員の楽器の音、声がバランス良く聞こえるように調整します。ついつい自分の音を聴きたくて大きくしてしまいがちですが、小さめから聴こえづらかったら少し大きくするという手順で調整するようにしましょう。

バンド演奏というのは、お互いの音をしっかり聴きながらというのが非常に大切な事です。マジです。

音量調整で聴きやすくならなかったら、アンプやモニタースピーカーの向きを変えてみてください。全員が全員の音をしっかり聴き分けられるように調整しましょう。

2人以上がマイクを使う場合は、当然ですがひとりひとり声のデカさが違うわけですから、それを補正するように調整しましょう。

※スタジオによっては音が回ってしまって聴きづらい場合があります。これは建物の問題で、あまりひどい場合はスタジオを変える事をお勧めします。今時のスタジオは十分に配慮されているところがほとんですが、たまにひどいスタジオがあるので注意しましょう。

【ハウリング対策】
私のバンドもそうですが、コーラスを多用するバンドなどでマイクを多く使う場合特に発生しやすいのがハウリングです。ちなみにバンド用語(?)でハウンリングが起こることを「ハウる」と言います。通っぽいので明日から使いましょう。

ハウリングというのは、朝礼の校長先生のお話の時に「みなさんお早うございまピィ~ヒュー!」というアレです。

ハウリングは簡単に言うと、スピーカーから出た音をマイクが拾い、マイクが拾ったという事はスピーカーから音がまた出てきて、その音をまたマイクが拾ってというループが原因になっています。フィードバックという現象です。
※ギターのフィードバックは意図的に効果として使いますね。

ですから、スピーカーとマイクが向かい合う、またはそれに近い方向になっているとハウりやすくなります。また、マイクのゲイン(入力レベル、Sence)が強すぎるとこれもまたハウる原因になります。

ハウりがあまりに強烈だと、機材を破損してしまう恐れもあります。ミキサーの音量は小さめからハウりがない事を確認しつつ徐々に上げていくようにしましょう。

これでセッティングはOKです。セッティングの目的は全員が全員の音をしっかり聴きながら演奏するためだと考えましょう。

その他もろもろ

【忘れ物に注意】
練習終了後、次のバンドにスタジオを明け渡さないといけないと思うあまり、ついつい慌ててしまって忘れ物しがちです。ピックくらいのもんだったら別にいいんですが、私はコンパクトエフェクタを忘れたことがあります。

それほど高価な品ではありませんでしたが、廃番になっていてもう入手できないものだったので悔しいこと悔しいこと。スタジオの人に聞いてみたんですが見つかりませんでした。くれぐれも忘れ物には注意するのが良き。

【録音しとくと役立つし楽しい】
スタジオ練習した場合、ちゅ演奏を録音しておくと良いです。スマホアプリで、周囲の音を録音できるやつが色々ありますから。スタジオに簡易的な録音機材がある場合もありますが、スマホでじゅうぶんです。

練習中は演奏に夢中で、テンポが速くなったり遅くなったりとか、色んな問題が発生していても気づきにくいんです。それを後から客観的に聞けるというのは、演奏の向上に役立ちます。また、単なる思い出として聞いてもけっこう面白いもんですし。

【個人練習】
バンド単位での練習はもちろんですが、一人でもスタジオは借りられます。個人練習だと値段も安い場合は多いです。ドラム担当の人なんかは、家でセットを叩いて練習とはなかなかいきませんから、個人練習を利用する人は多いです。

ただ、個人練習は当日予約のみとか、ちょっとシステムが違う場合が多いです。スタジオ的には予約が埋まらなかった時間帯を安く貸して少しでも売り上げにしようということだと思います。

ちなみに2人まで個人練習扱いでOKとか、スタジオによってルールは色々です。

【穴場スタジオ】
一般的な貸しスタジオとは別に、地域の公民館とかにもドラムスセットやアンプ、ミキサーなど一通りそろっていて、しかも普通のスタジオよりもかなり安く借りられる場所があったりします。

もし行ける範囲にあるようだったら利用してみてください。ただし、公民館とかだとその市区内在住が条件とか、制約がある場合も。

・・・というわけで、昔やってたサイトのバックアップから拾ったお役立ちテキストシリーズはこれでストック切れとなりました。当時それなりに一生懸命作って、いやらしい話けっこう儲かったサイト(笑)から引っ張ったテキストなんで、初心者の人にはけっこう役立つんじゃないかと自負しています。えっへん。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?