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いかにしてギターを弾けるようになったのか~その3

少し前に投稿して、ある程度読んでもらえたテキストのシリーズのその3、番外編的な話です。番外編だけど、具体的な話が多くなってて面白いと思いますよ。

そもそも私のレベルで「ギターが弾ける」と言えるのか知りませんし、技術も理論もバッチリちり足の人からするとちゃんちゃらおかしいかもしれませんが、少なくとも35年間ギターを楽しんでいるんですから、初心者の人とかには少しは役立つテキストのシリーズだと自負しています。


好きな曲、弾きたい曲を弾く

これは前の2つのテキストから一貫して書いてますが、とにかく好きな曲、弾きたい曲を弾こうと試みることで、自然とエネルギーが湧いてきます

これからプロのギタリストとしてメシを食っていこうという人は別として、楽しくギターを弾けるようになりたいと思ったら、楽しく練習できる曲じゃないとやってられないです。

というか、好きな曲を弾こうという練習って、練習とか鍛錬っていう意識はなくって、楽しみしかないんですから。楽しいから難しくて弾けなくても頑張って弾けるように練習しようという気になるわけで。そしてその練習に苦しさはありません。

耳コピーできるようになる取っ掛かり

今はギターのコピー演奏する時に便利なTAB譜が乗ってるスコア(楽譜)もネットで買えたりしますが、耳コピーをしたいっていう初心者の人も多かろうと思います。

ここではバンドサウンドの曲の場合という前提で話を進めますけど、とりあえずベース聴いとけっていうのが耳コピーのやり方のとっかかりです。

もうちょっと詳しく言うと、ベースはだいたい単音で弾かれている場合が多いので、その音程を聴き取ります。すると、その部分のコードはだいたいそのベース音をルート音とするコードの場合が多いってことです。

ベース音がCだったらその部分で使われてるコードはC系のコードの場合が多い、みたいな話。

分数コード的にアレンジされてる曲だったり、ベースが動きまくる曲だったり、ちょっとややこしい場合もありますけど、だいたいベース聴いてりゃコードがわかるっていうのが耳コピーのとっかかりとしては手っ取り早いです。

ベース音がCだったらそこで使われてるコードはCとかCマイナーとかC7とかが多いっていう話。試しに弾いてみてメロディと合わせて違和感なければだいたいOK。

ベース音がGで、Gのコードで弾いてみたら何となく合ってる感じがするからGだと思ったら実はDsus4/Gだったみたいに、けっこう響きが似てて騙されることもあります。

でもそういうケースは少なめです。とりあえず、耳コピーの取っ掛かりっていう話なんで細かいことは後から考えれば良いです。

耳コピーの経験を積むとパターンが見えてくる

前の項目で言った感じで、とりあえず好きな曲の耳コピーを続けてると、オーソドックスなパターンが見えてきたりします。

パターンっていうのは、コード進行のパターンの話。お約束の進行っていうのがあるんです。いわゆるスリーコードの進行とか。

スリーコードだったら、キーがAだったらAとDとEで進行します。こういうのって、理論がどうとかいう話の前に、ある程度耳コピーの経験を積むとそういうもんだって感じで体に入ってきます。

ちなみにスリーコードの進行が一旦体に入ってしまえば、チャック・ベリーの曲は全曲弾けるようになったも同然です。

スリーコードの進行に近いパターンで、それにちょっと味付けされたような進行の場合でも、たとえばキーがAだったらDとEの他にはF#mとかC#mとかが入る場合が多いみたいなお約束パターンっていうのがあって、案外色んな曲で使われてるんです。

個別にあれこれは書きませんけど、この辺は耳コピーを楽しんでいると自然と入ってきます。

そうなってしまえば、曲の部分部分でいちいちベースを聴き取って・・・っていう手順を踏まなくても、こうきたら次は多分こうかな?みたいな感じでイケるようになります。

バンドスコアとかTAB譜で引き出しを増やす

耳コピーの話を続けましたが、その耳コピーをラクにするのは自分の中に引き出しを多く持つっていうことです。

そのためにはバンドスコアとかTAB譜っておおいに貢献してくれます。自分の好きな曲のスコアを見て、とりあえずその通りに弾いてみると、いつも自分が聴いている好きな曲に似た音がギターから出ますから楽しく演奏できます。

という経験を繰り返すことによって、自分の好きな曲でギターを弾いている人のよく使うフレーズとかリフのパターンっていうのが身についてきます。これが引き出しを増やすということです。

たとえば、こちらのテキストで紹介したフレーズは私が好きな曲をコピーした中で自分の引き出しに入れたものです。↓

ロックギターの場合、コード進行にパターンがあるように、お約束のリフとかフレーズ、さらには奏法っていうものがあるんです。

好きな曲のスコアを見て練習することによって、そういうお約束パターンが身についてきます。

一旦自分の引き出しに入れたパターンは、もし別の曲にそれが使われてる場合に「あれ?こないだ覚えたあのパターンだ」って気付けるようになるので、あとはキーに合わせてそのパターンを持ってくるだけです。これって楽しい体験です。

ギターっていう楽器は、キーとかコードが違っても、黒鍵のある鍵盤楽器と違って指板を押さえる左手の位置をズラすだけで簡単に応用できるっていうところが良いところです。

オブリやソロをアドリブで弾いてみたい

コードじゃかじゃかとか、リフをごりごりみたいなバッキングだけじゃなくて、フレーズを奏でるリードギターなんていうのも初心者の人にとっては憧れるでしょうし、いかにも難しそうな感じがします。

オッサンになってくると逆にバッキングの方が難しく感じて、ギターソロなんてのは半分休憩みたいなもんだみたいな感覚はありますが、それはまた別の話なんで置いといて。

オブリやソロでフレーズを弾く場合も、最初はスコアを見て真似っこしてみるところから入って、だんだん自分の引き出しを増やすという流れで大丈夫です。

弦を一本一本弾くとか、フレーズによっては隣の弦とかさらに隣の弦に飛んで連続的にピッキングしないといけないとか、色々たいへんかもしれませんが、これについても好きな曲や弾きたい曲で練習すると、練習が楽しさしかなくなるので上達への近道になります。

と言いつつも、個人的にはユニコーンの「服部」弾いとけ、それが近道だ、そう思ってます。

服部のギターソロは、いわゆるペンタトニックスケールというやつを身につける近道です。これをマスターするだけで9割OKと言っても過言ではありません。過言かもしれません。

だいたい合ってると思うTAB譜を以前に作ったので、興味がある人やこの曲が気に入った人は弾いてみてください。

ユニコーン「服部」のギターソロ

余談ですが、ギター弾く人には「服部」を勧めますが、初心者ドラマーにはステータス・クオ聴いとけっていつも言ってます。コテコテのおいしいフレーズが多くて引き出し増えるから。

話を戻して、マイナーペンタトニックスケール的なものがある程度弾けるようになったら、それを裏返すと別のキーにおけるメジャーペンタトニックスケール的なものになるんです。何言ってるんだ?とお思いかもしれませんが、補足します。

どういうことかっていうと、細かい理屈は置いといて、Aのマイナーペンタトニックと同じ感じでCのメジャーペンタトニックは弾けるんです。なんで?って言われてもそういうもんなんです。キーCのマイナーは、同じ感じでキーD#のメジャー。

裏返しっていうとちょっと語弊があるか。裏返しっていうか、そのまんまなんです。

もうちょっと補足すると、たとえばキーがAの場合に、眉間にシワを寄せて苦悶の表情で弾いてるみたいなフレーズを弾く場合はAのマイナーペンタトニックスケールで弾くと感じが出る。

それと同じ弾き方をキーがCの場合にやるとあら不思議、笑顔で爽やかに弾く明るいフレーズになるんです。これがメジャーペンタトニック的なフレーズ。よくわからん人は実際やってみると良いです。

というわけで、長々つらつら書いてきましたが、長くギターを楽しむには好きな曲、好きなギタリストの真似をすること、それによって練習が練習じゃなくなってただの楽しみになる、これが1点目のポイント。

それから、色んな曲、フレーズを真似っ子することで自分の中の引き出しを増やせてより楽しくなる、これが2点目のポイント。

その2点に共通することは、好きな曲を弾くということ。嫌いな曲から引き出しを増やしても使い所がないでしょうし、楽しくもないですからね。

私の場合はツラいことや面倒な事は大嫌いなので、ギターに関しては35年間、楽しいだけでここまで来ました。楽しいんだから練習がたいへんだと思ったことはないです。

それが長いこと続ける秘訣だと思ってます。私から言えるのはそれだけです。

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