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スーパーカブ50で交通の流れに乗るには?

スーパーカブ50を購入してまだ2ヶ月ほどですが、毎日60キロ走っていますから、普通の初心者よりは経験豊富な初心者です。

片道30キロある通勤ルートの中には流れに乗るのが大変な道も含まれていますから、最初のうちはうまく乗れなかったり、ヘタをすると後ろのクルマのイライラ感が伝わってきたり、クラクションを鳴らされてしまったこともありました。

それでもとにかく毎日会社に行かないといけませんから、実践で揉まれて少しは上達してきたと思いますし、こうすればいいんだと気づいたところもあります。

少し乗れるようになってきて感じることは、煽り運転をされる事が多い人は、知らず知らずのうちに煽らせ運転をしてしまっているんじゃないかということです。私の乗り始めの頃はまさに煽らせ運転カブラーだったと思います。

もちろん煽ってくるヤツなど言語道断ですが、煽られないまでも必要以上にイラつかせてしまうような運転をしない方が良いことは言うまでもありません。

今回は、私が実践の中で感じた、クルマより遅いことは仕方ないけど上達すればするほど流れに乗れる運転が身につく、セミオートマのスーパーカブ50の乗り方という話です。

1.ルート選択

まず大事なのはルートの選定です。何時までに到着という縛りがない、ゆっくりでいい場合は適当に目的地に向かって、こりゃ間違ったと思ったら引き返したり迂回すればいいのですが、通勤など時間を守らないといけない場合は、事前に適したルートを調べておくことが必要です。

カブ50はいわゆる原付一種ですから、排気量の大きいオートバイやクルマと違って制約があります。まずは絶対的に最高速度が遅いこと、そして二段階右折が義務付けられている交差点が存在することです。

ですから、あまりに流れの速い幹線道路、バイパスなどは避けます。一般道でも現実には80キロ~100キロくらいでビュンビュン流れている道路も存在し、そこに原付一種で飛び込むのは無謀で迷惑です。

そして、片側3車線(=原則2段階右折)のところで右折しなくてはいけないルートも基本的には避けています。どうしてもそこを通らないといけない場合は、手前で迂回して2段階右折しないで済むルートを取っています。

2段階右折は交通法規に則った右折方法ですが、現実にはやっている原付はほとんど見たことがありません。ウインカーを右に出しながら左折車線に入るわけですから、周辺のクルマにあれれ?と思わせてしまうかもしれません。

2段階右折を知らない方が悪いというのは正論のようですが、周囲のクルマに余計な混乱を与える可能性をルート取りでつぶせるならそれに越したことはないと思っています

もちろん、それほど交通量の多くない交差点なら2段階右折で問題ないと思いますが、実際には片側3車線以上の交差点はクルマが多いから3車線なんです。

もうひとつ、クルマだと狭くて入りづらい道もけっこうあるので、よく通る道は実際に走る中でそういう二輪ならではの抜け道を開拓していくと楽しいですし、四輪が通らない道を通ることで、交通の流れの邪魔になるリスクをなくすことができるという意味があります。

2.停止状態からの発進・加速

カブに乗り始めた最初の頃に感じていたのは、停止からの発進と加速が難しいということです。信号待ちで先頭になった場合に、後ろのクルマがイラついているオーラを感じたことが何度もありました。

確かにカブで1速で発進して2速にシフトアップするという操作はちょっと難しいと思います。うまくエンジン回転数が合わずにグンッ!というつんのめりを感じたり、シフトペダルを踏んだ瞬間パコーン!というデカイ音が鳴ったりしがちだったんです。これは自動遠心クラッチの自動半クラ(?)の特性をつかんでいなかったことが原因でした。

1速で引っ張るとけっこうデカイ、けたたましい音が鳴るのでビビってしまいがちですが、けっこう思い切って引っ張ってしまった方がスムースに2速につなぐことができます。2速に入れた瞬間少しグンッ!となりますが、それを加速に利用するくらいのつもりで発進します。それによって先頭で信号待ちをしていた場合でも後ろのクルマをイラつかせない加速で発進することができます。

カブ50で速やかに加速するシフトアップ

2速→3速、3速→4速も同様で、下のシフトで粘って引っ張ると最高速への到達はスムースになります。

3.交差点やカーブの曲がり方(減速からの加速)

交差点やカーブで曲がる場合は当然減速するわけですが、その後の再加速をスムースにするためにはシフトダウンが不可欠になります。シフトダウンを行わないと、曲がった後の再加速がどうしてもトロトロになってしまい、交通の流れを妨げてしまうこともあります。

シフトダウンは慣れないと難しく感じるかもしれませんが、初心者でも比較的ラクにシフトダウンからの再加速を行うやり方はこんな感じです。

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減速はフットブレーキと補助で右手ブレーキで行うとして、ブレーキを踏んだ瞬間にシフトペダルを後ろに踏み込んで保持します。保持というのがポイントで、踏み込んでいる間はクラッチが切れた状態になっています。

減速しつつクラッチが切れている状態、ここから曲がっている途中の加速が欲しいタイミングでシフトペダルを戻しつつアクセルを開けて回転数を合わせます。うまいことクラッチがつながったら後はアクセルで加速していくだけです。これでいわゆるスローインファーストアウトという曲がり方になり、交通の流れに乗りつつ曲がることができます。

ちなみに、上記のやり方だとシフトを1段階下げて再加速ということになりますが、大きく減速した場合はシフトペダルを後ろに踏む回数を2回にすれば良いです。

不慣れなうちは、シフト操作に気を取られて人をハネないように気をつけてくださいね。当たり前か。

4.交差点やカーブ以外でのシフト操作

基本的に、加速力が足りないと感じた時はシフトを落として対応します。これは同じ原付でも、カブとスクーターとの大きな違いです。

前方の信号が赤で減速したけど到達する前に青に変わったとか、坂道でパワーが足りずに減速してしまった後とか、前のクルマが交差点で右折や左折をするために減速してそれに合わせた後とか、車線変更をするために位置を合わせるために減速した後とか、シフトダウンで再加速というシーンは色々あります。

シフトアップの場合はアクセルを戻してシフトペダルを前に踏むだけで、シフトダウンの場合も基本的には同じですが、ダウンの場合は少しエンジン回転数を合わせるという意識を持つことが必要です。これは感覚なのでどうすれば良いと言葉で表現しづらいのですが、回転数を合わせるという意識さえ持っていれば、後は何度かやってるうちにできるようになります。

シフトダウンによるスムースな再加速を行わないと、後ろのクルマから見ると「何をトロトロやってるんだ」と感じてしまう走り方になってしまいます。余計なイライラを与えずに交通の流れに乗るためには必要な操作です。

5.意思表示

どうしても速度についていけない場合は、後続車に追い越してもらって列の最後尾につくのが無難です。左ウインカーを出して左一杯に寄ってじゅうぶんに減速、これが追い越してくださいという意思表示になります。道幅が広いところだったらウインカーは出さなくても左一杯に寄れば追い越してね!という意思は伝わります。

道幅が狭くて追い越してもらえなそうな場合、縁石がない道では(厳密には違反ですが)歩道に入って停止してしまえば、後ろのクルマも躊躇なく追い越してくれます。縁石がある場合は縁石の切れ目を見つけてそこに入ってしまえば良いです。

縁石の切れ目もないという場合は、そのエリアに入る前に追い越してもらうのがベターです。それができなかった場合は頑張って走るしかないです。こういう場合、運悪く後ろのクルマがアホだと無理な追い越しをされてヒヤっとすることがあります。

だからなるべくそうならないよいうに前もって追い越してもらうんです。よく通る道だったら、追い越してもらいづらいエリアは覚えておくと良いです。

追い越させる場合以外でも、とにかく自分の意思を周囲のクルマに合図することを心がけると交通の流れに乗りやすくなります。クルマと違って二輪は体むきだしですから、周囲から見ても意思が伝わりやすい面もあるんです。

左右や後方の確認をしている様子は、ミラーで見ている場合は別として目視で見ている場合は首の動きでわかりますし、こっちもあえて大げさな首の動きで見てますよアピールすると良いです。

それからクルマと違ってサンキューハザードが出せませんから、譲ってくれた場合のお礼の合図は普通にお辞儀をすれば良いです。体むきだしで、お辞儀も周囲からよく見えるんですから。サンキューの意思表示がないことにイラつくドライバーも存在しますから、横着せずにお辞儀すべきところではお辞儀しましょう。

信号待ちをしている時、カブは別にブレーキをかけなくてもオートマ車みたいにトロトロ進んでしまうことがないのですが、私はブレーキペダルに足を乗せてブレーキランプをつけることを意識しています。

信号待ち中って、前のクルマのブレーキランプって情報としてキャッチしているじゃないですか。それを後ろのクルマに見せるためにブレーキペダルを踏んでおくんです。


今回の話はけっこう細かい話が多くて、カブって難しいという印象を与えてしまったかもしれません。しかし、実際はそんなことないです。

私の場合は30キロの通勤で乗っているので色んな場面に出くわします。そんな中で気づけたことも多いので、せっかくなので発信しておこうという思いでテキストにしたということです。

流れが速い、交通量が多い、その割に道幅が狭いとか、難しい道は確かに存在するんですが、そういうルートをなるべく避ければそこまでややこしいことにはなりませんし、そもそもここで書いた乗り方は、少し練習すればマスターするのにそこまで苦労するほどのことではありません。臆することはありません。

そしてその上達の過程もとても楽しいものです。

いつの間にか初心者の分際でえらい上から目線の書き方になってしまいました。全部正しいことを書いているかどうかはわかりませんし、うまい人から見たらアホなヤツだなあみたいな話だったりして。

でも、超初心者の人とか、カブの操縦が難しいと思っている人にとって、煽られ運転にならずに公道を走るヒントとして少しでも役立ったらいいなと思います。

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