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おもいで

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モノクロームの想い出に色を点けたもの。
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#思い出

−水浅葱− 理科室ムーンウォーク

みなさんは、理科室でムーンウォークをしたことがありますか? ぼくはあります。 中学校の理科室は、なぜかとにかく床がツルツルだった。 理科室に入った瞬間に漫画のように滑ってコケた人は、3年間で1人や2人ではない。 中学最後の理科の授業の日、友人と「この床で記念になんかしとこう!」ということになった。(なんの記念かはよくわからないが) 協議の末、この床ならムーンウォークめっちゃできるんじゃね?となった。 ぼくらはマイケル=ジャクソンになりきって、理科室でムーンウォークを楽し

−橙色− あこがれの巨大すべり台

公園の2大スーパースターといえば、ブランコとすべり台ですよね。 今日はすべり台にまつわる思い出話です。 多くの人がそうであるように、ぼくもすべり台が大好きな子供だった。 すべり台は長ければ長いほどいい。 近所の公園のすべり台は短いから、たまに大きな公園まで遠出して、ながぁ~~いローラーすべり台をすべるのが楽しみだった。 そんなぼくには、あこがれの巨大すべり台があった。 件の大きな公園に行く途中に見える、でっかいすべり台。高さはビル5階建てくらいあるだろうか。 あれすべった

−深縹− かつて道だったところ

畳縁。 たたみべり。 かつて、ぼくと兄にとって、そこは道だった。 ぼくらは畳の部屋で、ミニカーを走り回らせるのが大好きだった。 ミニカーが通っていいのは、畳縁の上。 畳縁とミニカー1台の幅が、ちょうど同じくらいなのだ。 畳の道には、対面通行の区間と片側交互通行の区間が存在する。 6畳の部屋だと、畳はこんなふうに敷かれているから。 さらに、ぼくらの道には踏切も存在する。部屋と部屋を仕切る敷居。 敷居を横切るときは、しっかり一時停止。 思い起こせば、次々に蘇ってくる。

−卵色− 半ゆで卵同盟

ぼくは、ゆで卵が嫌いだ。 あの、モサモサした黄身と、モチョモチョした白身。嫌いだ。 生卵なら食べられるのに。 黄身と白身をかき混ぜて、卵焼きにしてもおいしいのに。 なんで茹でるの??? 嫌いなものは他にもある。 貝。 小学生だったある日、給食で、貝の佃煮が出た。 「嫌いなものも一口は食べるように」という、迷惑この上ない決まりがあったので、素直なぼくは貝を一粒だけ食べた。 その日の夕方。家に帰ったぼくは、3次会後のサラリーマンのごとく、さめざめと吐いた。 それ以来、